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ビターチョコレートシンドローム part 19

これで短編最後になります。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。


そうだとは思っていた。自分が家を出ることを友梨はよく思ってないって。自分と同じように友梨も自分のこと思って身を引くことも考えていたらしい。

「進は自分1人で抱え込んで私には何も相談してくれなかったから。私だって進が私のせいで家を出ることは望んでない。」

「そっか。そうだよね。ごめん。何も言えなくて。」

「いいの。私も相談してなかったから。お互いさま。」

自分たちのやりとりを静かに3人は聞いていた。

「終わったかい?進に本題を伝えたいんだけど。」

自分と友梨は父さんの方を見てうなずく。

「なら、本題に入ろう。進が何に悩んでいたのかは稲垣くんからあらかた聞いてたからわかるよ。結論から言うと、別にそんなに急いで決断する必要なはないよ。俺も父さんも、お前が傷つくのはもう見たくない。母さんが死んでから自分なりに考えてきた。お前のことを考えるとどの選択が正しいのか。確かに古い風習もときには必要になる。でも、それが今の時代にあってなかったら変えて行かなきゃいけない。父さんたちはたまたま、早く決断できたから自然に風習に則ったみたいな感じ位になったけど、父さんと母さんはもともと幼なみだったからお互いを知ってたからこの決断ができた。昨日今日で付き合った2人とは違う。いいさ。いくら時間をかけても。お前の爺さんだって、そんなこと気にしてたのかって驚いてたぞ。」

隆が後ろでうなずいている。

「お前知ってただろ?父さんとじいちゃんが気にしてないってこと。」

「なんのことでしょうか?まあでも、お二人がどんな子を進が連れてくるか楽しみにしてたのはよく知ってますよ。まあでも家族は似ると言うか、DNAは嘘をつかないと言うか、3人とも同じような人を好きになるとは少し驚きましたけどね。」

隆と稲垣が顔を合わせて笑いあっている。

「そう言うことだから、気にしないでしっかり関係を作っていけ。幸せにしてやれよ。」

「言われなくても。」

この5年後、たくさんの人に祝われながら2人の挙式は行われた。自分はまだ1社員だがいずれは父さんの後を継ぐ。友梨も夢だった幼稚園の先生になった。ちなみにこの幼稚園はうちで経営しているもので社員の子供がほとんど。挙式にはいっぱい子供が来ていて、賑やかなものになった。

挙式から1ヶ月後に、じいちゃんが末期の癌でなくなった。挙式をあげたのはじいちゃんのためでもあった。じいちゃんとばあちゃんが大切にしていた日記は常に自分のそばにある。自分たちの交換日記はもうすでに6冊を越えた。それはじいちゃんと自分が大好きだった書斎の中に大切に保管されている。


おわり


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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