ビターチョコレートシンドローム part 18
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これの他に長編として『白い紫陽花』という小説も書いているのでそちらもよろしくお願いします。長編は毎週土曜日の午後に更新しています。
別荘で過ごす最後の日。自分はみんなと離れたところに友梨を呼び出した。
「どうしたの?」
「決めたんだ。聞いてくれるかな?」
自分の真剣な面持ちに友梨の顔に緊張感が走る。
「わかった。聞く。」
自分たちがいきなりいなくなったことを不審に思った隆が家の影に隠れているのが見えたがいずれ知る話なので問題ない。
「俺は友梨を家族に紹介しようと思う。そこで、時間がもらえなければ、自分は家を出る。時がきたら、友梨の家に婿入りして一家とは一切縁をきるよ。」
自分が出した答えに少し困惑している感じだった。ふられるとでも思っていたのだろうか。前日にも言ったがその選択肢だけはない。
「本当にいいの?」
「ああ。お金よりも大事なものがあるって俺は知ってる。父さんがいなくて俺と母さんは寂しかった。そんな気持ちに好きな人をさせてしまうならそれは俺にとっては間違った選択だから。まだ、家を出るって決まったわけじゃないし、受け入れてもらえるのならこれからも父さんたちと一緒にいたいからね。そこで盗み聞きしている隆ともまだ、友人でいたいしね。」
「バレてました?」
「わざと少しだけ姿をいせてたくせによく言うよ。俺の決断はこうだから、今度父さんとじいちゃんにアポイントお願いしていいかな?」
「その心配はないと思いますよ。ですよね。旦那様。」
隆の後ろから父さんが出てきた。
「そうだな。始めまして友梨ちゃん。進の父です。」
急な父親の登場に少し戸惑っていたが友梨は一応お辞儀をした。
「なんでいるんだよ?」
「いい友達を持ったな。」
父さんのさらに後ろから稲垣が姿を現す。
「隆さんにお願いして、お父様に連絡を入れてもらってた。進の家の事情も知ってたし、友梨がいざとなったら身を引こうとしてたのもわかってたからね。だろ、友梨?」
自分の隣にいる友梨はうなずいている。
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