ビターチョコレートシンドローム part 9
できるだけ毎日投稿しています。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
これの他に長編として『白い紫陽花』という小説も書いているのでそちらもよろしくお願いします。長編は毎週土曜日の午後に更新しています。
違和感を感じながらもその違和感の正体はわからない。仕方なく、友梨ちゃんに直接聞くしか方法はなかった。
「友梨ちゃん?」
「はっはい。」
本に集中していたのか自分が急に話しかけたことでびっくりして目をパチクリさせながら自分の方を向いた。
「ごめん。びっくりさせるつもりはなかったんだけど。一つ聞いていい?」
「はい。」
「もしかして、俺たちってどこかで会ってるのかな?メガネをかけてないときは気づかなかったけど、メガネをかけたらどこか見たことあるような感じがして。」
自分の質問に対して怒ったのか、急に立ち上がり自分の顔をじっと見つめて迫ってきた。
「ごめん。なんか失礼なこと聞いちゃったかな?」
「稲垣くんが言ってたみたいに本当に周りのこと見えてないんですね。私は結構、進くんの近くにいましたけど?」
正直身に覚えがない。稲垣の名前が出てきたということは2人は元々知り合いだということだけがわかった。
「ごめん。まだわからない。」
「そうですか。なら大学の最初のゼミでの自己紹介を改めてしますね。友梨って言います。進くん同じゼミです。少しは思い出してくれましたか?」
急にドアが開き、4人が入ってきた。
「まさかここまで気付かないなんて思わなかった。」
「鈍感な男は本当に嫌ね。」
「バカでも流石に同じゼミの人間の顔くらいは覚えてるもんだぞ。」
「いくら性格が良くてカッコよくても覚えられない人はモテませんよ。進くん。」
入ってくるや否や4人からの集中攻撃が飛んでくる。
「そんなに一度に言わなくてもいいだろ。ていうかずっと聞いてたのかよ。」
「廊下でスタンバってるの疲れたわ。」
「まあまあ、みなさん許してくださいな。この男は基本的に興味の無いものは目に入らないんですから。こうして強制的に目の前に持ってこないと。特に人間とかはね。」
稲垣の後ろからひょこっと隆がでてきた。
「何で、隆までいるんだよ。」
「面白そうだったんでついね。」
自分はため息をついて、稲垣から事情を聞くことにした。その時も隆は終始ニヤニヤしていた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
評価、レビュー、感想、コメント、ブックマーク等ありましたらよろしくお願いします。
Twitterを始めました。@siroiajisai1024 更新、活動報告などをしていく予定です。フォローの方よろしくお願いします。
明日もぜひ読んでください。




