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ビターチョコレートシンドローム part 8

できるだけ毎日投稿しています。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

これの他に長編として『白い紫陽花』という小説も書いているのでそちらもよろしくお願いします。長編は毎週土曜日の午後に更新しています。



食後はそれぞれ別行動ということになった。

稲垣たちは家の中を冒険だといって騒いだり、田口たちは地下にあるジムに向かって行った。自分は隆の片付けの手伝いを友梨ちゃんとしてから、特にやることもなかったので、友梨ちゃんを連れてうちにある書斎に向かった。夕食の時、聞いたのだが友梨ちゃんはどうやら本が好きみたいで、年間に何百冊も読むという。それならと思いつき、いろんな本がある書斎に案内した。

「本当にいろんな本があるんだね。」

「じいちゃんが本が好きで集めてたからね。自分も子供の頃はじいちゃんと一緒にここにきてよく絵本とか読んでもらってたよ。」

年配の人の書斎には珍しく様々な絵本が並んでいた。弟はあまり本には興味を示さずに外で遊ぶことが好きだったみたいで、絵本は自分に使われてこの場所での役目を終えた。部屋には他にも小説から赤本まであった。この赤本は自分が使ったもので、大学受験の時はここでよく勉強していた。

「適当に手にとって読んでいいよ。でも、かなり古い本は破れると悪いからあまり触らないで欲しいな。」

「わかった。」

じいちゃんの趣味の一つに古書を集めることがある。かなり年季が入っているものだったり、中には歴史的に価値のあるもの、有名な文豪の初版本まである。下手したら数百万のものまで。それにはさすがの自分も触ることを許されていなかった。でも、こんなところに置いておく方もどうかとは思う。

友梨ちゃんは3冊ほど持って適当な椅子に座って読み始めた。自分も数冊手に持って読んでいた。30分ほど立った時にうるさい連中が書斎を訪れた。

「何だこんなところにいたのか。2人仲良く。」

「お前らほどじゃないよ。探検はいいが、下手にいろんなもの触るなよ。バカみたいに高いやつだったりするからな。特にこの書斎のものは自分の許可なく触らないこと。」

「そんなことわかってるよ。前からよくいってたもんな。書斎の中は歴史的なものがあって自分でも触らせてもらえなかったって。さて、ここにいても本しかなくて俺たちはつまらないから退散しますか。」

稲垣は自分に近づいてきて、耳元で囁いた。

「お前本当に気付いてないのか友梨ちゃんのこと。よく見てみろ。今の彼女なら気づけるはずだぞ。」

稲垣はそれだけ行って部屋を出て行った。稲垣の言った通りに少し恥ずかしいが友梨ちゃんのことをよく見る。さっきまでかけていなかったメガネをかけて2人が来たことを意に返さずに黙々とページをめくっていた。メガネをかけていても可愛いなと見惚れていたが、よくよく見るとどこか見たことあるような不思議な感じがした。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

評価、レビュー、感想、コメント、ブックマーク等ありましたらよろしくお願いします。

Twitterを始めました。@siroiajisai1024 更新、活動報告などをしていく予定です。フォローの方よろしくお願いします。

明日もぜひ読んでください。

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