ビターチョコレートシンドローム part 6
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これの他に長編として『白い紫陽花』という小説も書いているのでそちらもよろしくお願いします。長編は毎週土曜日の午後に更新しています。
「スッゲー。」
思わず口から出たような感じで稲垣が外を見る。他のみんなも何も言わなかったが呆然としていた。静かな田舎道を少し行ったところに急に大きめの門が出てくる。自分たちを迎え入れるように門は自動で開き、その中を進む。しばらく車を走らせると大きな建物が見えてきた。
「お前ん家どんだけでかいんだよ。」
「東京ドーム3つ分って言ってたかな。じいさんが田舎で土地も安かったから勢い余って買っちゃったって言ってた。」
何言ってるんだこいつみたいな目で見られても買ったのは俺じゃないし。ここまででかいのはいくらお金を持っていても自分なら買わない。というかここまで大きな建物にしたくせに宿泊できるところが3部屋しかない方がおかしい。
「ほらもう着いたから自分の道具預けて。洗濯もしてくれるから。」
みんな戸惑いながらもお手伝いさんに荷物を渡す。
「待ってたよ。予定より遅かったから、心配したじゃないか。」
「すこし道が混んでたんだよ。ご飯は?」
「もう準備できてるよ。皆さんうちの進がお世話になってます。ここで雇われている隆と申します。」
隆が深々と頭を下げる。みんな戸惑いながら挨拶をする。隆がみんなのかをを確認すると自分の耳元でささやいた。
「進の好みの子がいるじゃないか。すみにおけないね。おぼっちゃま。」
「うるさい。早くみんなのこと案内して。」
隆はいつも自分をからかうとき、自分のことをおぼっちゃまと呼ぶ。自分はこれが嫌で他のお手伝いさんも自分にはタメ口で呼び捨てにしてもらってる。
「では、皆さん。ご飯の準備ができてますんでたっぷり食べていってくださいね。遠慮はいりませんよ。」
「なんか、面白い人だな。」
「本当はしっかりしてるやつなんだけど、今日は一段とふざけてるな。」
ご機嫌な隆に案内されてなぜかリビングではなく、ベランダに案内された。
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