メガネの曇り part5
昨日は体調を崩していました。今もまだ本調子ではありませんが少しずつでも毎日投稿をしていこうと思います。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
これの他に長編として『白い紫陽花』という小説も書いているのでそちらもよろしくお願いします。長編は毎週土曜日の午後に更新しています。
それから1時間。なずなと自分の間では全く会話がなかった。顔を見ることすらできない。帰って来て5年ぶりにあってすぐに告白は少し急だったと思う。少しも我慢できなかった自分の幼さに少しガッカリする。体だけ大人になって精神的には何も成長していない。心の奥底で馬鹿にしていた女のケツを追っかけ回す同級生と同じじゃないか。そんな自分が情けなかった。
「亮介。さっきのことなんだけど。」
先に口を開いたのはなずなだった。
「ごめん。我慢できなかったんだ。なずなの気持ちも考えずに。」
「ううん。いいの。嬉しかったから。じゃあこれからも一緒にいていいんだよね?」
「そんなの当たり前じゃないか。血はつながってなくても姉弟なんだから。」
「違う。姉弟じゃなくて、その。」
なずなは口をモゴモゴさせてなかなか詰まった言葉を出してくれない。
「何?」
「こ、こ、恋人としてがいい。」
両者、顔を赤くして俯く。後から知ったことだがなずなも男性経験もなければ、お付き合いしたこともなかったらしい。学校では同級生のノリについていけなくてずっと1人でいたらしい。
「いいの?俺たち姉弟だよ。」
「血はつながってないから大丈夫だと思う。ていうかもう亮介以外私ダメなんだと思う。」
「俺もそうだよ。」
20代のいい大人が中学生みたいな恋愛をしている。でも、大人の損得感情とかお金のことが判断基準にならない分、純粋なものだった。
「じゃあこれからもよろしくお願いします。」
「こちらこそお願いします。」
お互いに床に座り頭を下げあった。その様子は初めて対面する許婚のような感じだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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