部下を拾いました。 part13
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これの他に長編として『白い紫陽花』という小説も書いているのでそちらもよろしくお願いします。長編は毎週土曜日の午後に更新しています。
次の日。自分はソファーの上で起きた。そういえば昨日穂花と話が盛り上がってかなりの量を飲んだ。それでいつの間にか寝てしまったらしい。テーブルの上には缶酎ハイの空き缶が何個も散らばっていた。穂花は下のゆかで気持ちよく眠ってしまっている。悪いことしたな。流石に床に女の子を寝かせるのは男としてダメだろう。まだ起きそうもない穂花を抱えるために体を起こそうとして腕に力を入れた。しかし、まだ昨日のお酒が残っていたのか少しふらつき体制を崩しソファーから落ちてしまった。瞬時に手を床についたので穂花の上に落ちるということは避けられたが穂花に覆いかぶさる体制になってしまった。顔が近い。そういえば穂花の顔をしっかり見たことはなかった。普通にきれい。よく言われる例えを使うと、学校のマドンナクラスだ。こんな子がいて浮気をする彼氏の気が知れない。穂花が枕にしていたクッションは一部だけ濡れていて色が変わっていた。また泣いていたのかな。左手で穂花の頬を拭うように優しく撫でた。自分の頬に何か違和感があったのか穂花が起きてしまった。穂花と目があった。お互いに顔は真っ赤。穂花は今自分が置かれている状態に戸惑っていた。
「済まん。ソファーから落ちて、こんな体制になった。すぐ退くから。」
自分が起き上がろうとすると穂花が腕を伸ばして首の後ろで組んだ。穂花の体重が自分に伝わり体制を崩した。完全に体が密着して顔がさっきよりも近くなっていた。
「穂花。動けないよ。」
「もう少しだけ。」
「でも。」
「いいから。お願いします。」
体が密着しているのでお互いの心音がダイレクトに伝わる。自分も穂花も急な展開にかなり鼓動が早かった。穂花に抱きつかれる体制は10分ほど続いた。
「穂花。いい加減起きないと。」
自分が穂花に話しかけると穂花から変な音が聞こえた。
「蓮さんすいません。出る。」
その言葉で察した自分は急いで穂花を抱え、トイレに直行した。トイレについて便座をあげて穂花はしゃがみ自分は背中をさする。よくよく聞くと決してお酒は強くないみたいだった。穂花の格闘は数分続いた。出し切った穂花は少しスッキリした表情だった。
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