漫才 ブラック部活
ボケ「はい、どうもこんにちはー。陽気なバカ二人ですー」
ツッコミ「これは中々ひどい自己紹介ですね」
ボケ「問題ある?」
ツッコミ「いや、まぁご機嫌に行きたいなぁとは思ってますけれど」
ボケ「それよりさぁ……、はぁ……ちょっと聞いて下さいよ」
ツッコミ「また急にテンションダダ下がりですねぇ。陽気なバカ二人はどこ行ったんですか」
ボケ「ブラック部活ですよ、どう思いますか?」
ツッコミ「え? まぁ……大変だと思いますけど」
ボケ「いや、もう疲れてしまってねぇ……。授業終わったのに暗くなるまで部活するんですよ?」
ツッコミ「そうですよねー、ってあなた学生じゃないから関係ないじゃないですか」
ボケ「更に土日も部活部活……、もうヒャッホー! ですよ」
ツッコミ「ヒャッホー! って、それ喜んでません?」
ボケ「一応、陽気なバカを演出しとこうと思って」
ツッコミ「ああ、憶えてたんですね」
ボケ「大変なのは生徒だけじゃありません、先生だって大変ですよ? 授業終わってから放課後にも生徒の面倒見なあかん」
ツッコミ「まぁそうですよねぇ、って別にあなた先生でもないですよね?」
ボケ「中には暴力振るったり暴言吐く教師まで居るみたいで」
ツッコミ「ああ、それはいけませんね。体罰とかほんと無くしていかないとダメですからね」
ボケ「体罰なんて最低ですね! ほんっとにもう……、羨ましい」
ツッコミ「え?」
ボケ「いや、やっぱりあれだと思うんです。先生も色々溜まってると思うんですよ、授業の準備にテストの採点、更に部活の顧問までしてたらゆっくりする時間もないでしょう」
ツッコミ「まぁ教師のブラック労働っていうのも言われてますからねぇ」
ボケ「ほんともうどこもかしこもブラックだらけですよ」
ツッコミ「困ったもんですねぇ」
ボケ「君の腹の底とかね」
ツッコミ「ん……? 今さらっと何か言いませんでした?」
ボケ「やっぱり日本人が真面目すぎるのがアカンと思うんです。だから俺が全部チェックしていこうと思うんですね」
ツッコミ「あの、何をチェックするんですか?」
ボケ「ブラック部活のガイドラインっていうのがありまして、ここに週二日以上は休みを入れる、練習時間は平日二時間程度、土日でも三時間程度ってしっかり決められてるんですよ」
ツッコミ「ああ、いいですね。これさえ守れればホワイト部活まっしぐらですね」
ボケ「ただ、これが守られていない……、それが許せない……」
ツッコミ「あー、これは相当怒ってますよ。大丈夫ですか?」
ボケ「僕はこれを厳守させてやろうと思うんです。このガイドラインを一分一秒でも超えた奴は問答無用でビンタ!」
ツッコミ「体罰反対!」
ボケ「それ以外にもあらゆる言葉で罵ってやろうと思うんです」
ツッコミ「暴言もダメ!」
ボケ「もう一秒でも一ミクロンでも超えたら即刻クビか退学にしてやったらいいと思うんですよ」
ツッコミ「いやあの……、あなたさっきは真面目はアカンって言ってましたよね。あなたも相当真面目だと思うんですけど、しかも嫌な方向で」
ボケ「ほんとに問題はそこですよ、日本人は嫌な事でも真面目にやろうとするのがいけないんです。やっぱり楽しい事をしましょ、そうでもない事はほどほどに」
ツッコミ「ああ、いいですねぇ。何かまともなこと言ってますね」
ボケ「だから俺、人を苦しめたり困らせたりするの大好きなんでね」
ツッコミ「んー、さっきはいいこと言ってましたけど、あなたの楽しみには共感できませんねぇ」
ボケ「もう教師でも生徒でも一分一秒一マイクロウェーブでも超えようものなら速攻でビンタして人格否定の言葉を投げ付けて、何ならSNSで炎上させてやろうかと思うんです」
ツッコミ「やめなさい、あなた。そこまで行くとちょっと痛い人じゃないですか」
ボケ「こんな楽しい事だったらブラックでも何でも一年中やってられますねー」
ツッコミ「こいつと喋ってたら俺まで変な目で見られるな……」
ボケ「あなたはどうですか、楽しい事やってますか?」
ツッコミ「んー、ちょっと色々考えさせて貰いたい所ですねぇ。仕事でも嫌な事はほどほどにした方がいいんですよね?」
ボケ「そうです、でも楽しい事は一杯やりましょ」
ツッコミ「じゃあ、……やめさせて貰うわ」
ボケ「……いやいや、帰しませんよ」
ツッコミ「ええ、落ちたでしょ? もう帰らせて下さいよ」
ボケ「俺は楽しいもの、お前の嫌がる顔見てるのすっごい楽しいもの。楽しい事は一杯やるよ?」
ツッコミ「ちょっと勘弁して下さいよ、お客さんはどうですか? こんな僕らを見てるの嫌でしょ?」
ボケ「……じゃあ帰ろか、何かお客さんが嬉しそうな顔してて腹立って来た」
ツッコミ「おいおい、なんでやねん」
遅まきながらいくつか投稿したいと思います。