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24 大浴場と忘れもの

 だだっ広い浴場がそこにはあった。

 やけに天井が高く、やけに豪華な装飾。

(落ち着かないなぁ…)


 食事を食べ終わった私はニーネの「風呂に入ってはどうか」という提案により大浴場に来ていた。それもリアルでロゼが見てきた大浴場の数倍の。そして…

 ……こんなに広いのに一人である。

「…………。」

(……歌っても、いいかな?)

 お風呂に入るとどうしても歌いたくなってしまうのだが、これだけ広くかつ天井が高いとかなり響いてしまうだろうからダメだろう。

「はぁー……」

 やはり、少しのため息でも響く。

 身体を洗い流し、空間の広さと人の少なさからプールを出たあとのような肌寒さを感じる風呂を出た。


 身体を拭きながら、そう言えば自分の姿を見るのは初めてだなと思いながら私の知る姿見の数倍──一面鏡の壁──をちらりと見る。


 姿を見るのをあれだけ恐れていたというのに「思っていた通り」だと知ると何故かほっとした。

 白銀のショートボブに蒼い目。不安げな顔。

 大きくも小さくもない胸。(胸には特別なこだわりがなかったのでデフォルトだったと思う。)

 身長は…女にしては高め。リアルと同じなのかもしれない。


 思った通りだったのに、謎の違和感。

 だがその正体がわからない。

 もう一度目を見る。


 蒼い目。蒼く澄んだ瞳。

(目……)

 目?


 思い出した。

 ニーネが用意してくれたネグリジェと思われる服を急いで着て外に出ようと扉を開けると、誰かとぶつかった。

「きゃっ!ロ、ロゼ様!?」

「あっ、ニーネ!!」

 ごめんね、と言ってニーネを立たせながら切羽詰まったように聞く。

「私のレースマスク知らない!?」


 そんなに凄い形相だったのか、ニーネは少し仰け反りながら「いっ、いえ…存じ上げませんが…」と言う。

 よく考えてみれば当たり前だ。私は彼女と会う前からレースマスクをしていなかったのだから。

「そ、そうだよね。ごめんなさい…」

 そうバツが悪そうに言うと何故か彼女まで申し訳なさそうな顔をするのだから困る。


「そうだっ!フォルトは?彼はどこにいるかわかる?」

 一番最初似合ったのは彼だ。彼なら何か知っているかもしれない。

「フォルト様ならもう自室にお戻りに……ただ、今日はもう会うのは叶わないかもしれません。」

「ど、どうして?」

「…もともと、あの人格のフォルト様が表に出てくることは滅多にないのです。出てきても数分…数時間で帰ってしまいます。」

(そんな…)

 ではもう前の彼に戻っているということか。

(……無理。)

 会いたくない。

 あのフォルトには会いたくない。


 そんな感情を読んだのか、ニーネが「ですからもうお休みください。」と言ってくれる。

 けれど……


「……ううん、行ってみる。フォルトの部屋どこか教えてくれる?」

 もう逃げないと決めた。

 彼が私の課金装備を持っているのなら返してもらおう!と意気込み、また長い廊下を歩く。


 外ではやはり大きすぎる月が、私を見下ろしていた。

ここまでご精読頂きありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)


やっと今日が終わるのか…と思いきやまだ終わりません。何故?どうして?Why?

まぁそうは言いましてもあと2話位でようやく終わると思うので(あと2話も引き延ばすのかよ)気長にお楽しみください(*´ω`*)


次はフォルトのターンですよぉ!!矢を放てぇ!!反撃の狼煙を上げろぉ!!(*≧▽≦)


これからも[白薔薇の聖女]をどうぞよろしくお願い致します。

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