①
おっさんが勇者パーティーを追放される話が多いようなので、流行りに乗ってみました。
柔和な表情の青年→壮年の男に修正
「今日この時をもって、あなたをパーティーから外します。これは、皆の総意です」
目の前の青年にそう告げられて、バルク・センドリーニは目を閉じた。
全身の力が抜けていき、俯いてしまう。
それから、しばし部屋の中に静寂が訪れ、
「そうか……俺は、もうダメか」
ぽつりと呟かれたその言葉に、部屋の中にいた者たちが軽く息を飲む。
そっと顔を上げたバルクは、自分を見つめている、激戦を共に潜り抜けてきた戦友たちを一人一人見渡す。
「俺がいなくても、大丈夫なんだな?」
「ああ」
目付きの鋭い青年が答える。
「もう、聞きたいこともないな?」
「はい」
ローブ姿の少女が答える。
「もう、全部任せていいんだな?」
「ええ」
柔和な表情の壮年の男が答える。
「なら、しっかりやれよ?」
「もちろん」
凛々しい青年が答える。
「後は、任せた」
「うん」
泣きそうな顔で、少女が答える。
「準備が出来次第、出ていくよ」
バルクの答えを聞いて、皆、足早に部屋を出ていってしまう。
部屋に満ちていた熱も出ていってしまったようで、急に肌寒さを感じたバルクは、いつも以上に重く感じる体を動かして荷造りを始めた。
今日、バルク・センドリーニは所属していた勇者パーティーから去ることになった。