「イルミネーションカウントダウン」
メルマガ会員限定50人のイルミネーション点灯式______
運よく2名当たった僕は、彼女を誘いやってきた。
「すごーい! デッカイね!」
「なー。」
「ツリーかな!?」
「たぶんねー。」
周りには僕たち同様、運の良いカップルたちが色めきだっている。
目の前には大きな、大きな白い箱。
高さ20メートルあるほどの箱の正面には00:55、00:54と、中身が表れるまでの時間が刻まれる電光掲示板。
しかし、変な場所で開催するよなー・・・
神奈川県の外れの埠頭でなんて・・・
「ねぇねぇ! カウントダウンしようよ!」
「まだ50秒あるよ。」
彼女は僕の手を握りながら、カウントダウンを始めた。
それに合わせて周りのカップルたちを声を出す。
そういえば、何のメルマガだったかな?
カード会社かな?
最寄駅を降りて15分も歩いてる時は、正直ビクビクしていた。
こんな辺鄙な所で、イルミネーション点灯式なんてやるのか? と。
近くにショッピングモールもないし、元は漁港の倉庫群だったのか?
「ほら! あと10秒だよ!」
彼女が電光掲示板を指差し、手を振る。
00:09、00:08・・・
「7! 6! ほらカウントダウン!」
「「5! 4! 3! 2! 1!」」
0と同時に強烈な光が僕たちを包み込んだ・・・
『______昨日17:00。神奈川県K駅近くの埠頭で、爆発が起きました_________集まった人たちには架空のカード会社からの当選メールが送られており_________集まった57人は爆発に巻き込まれ______』
キルカウント 62