「FESTIVAL」
日本・新宿駅前。
真っ赤な集団が現れた。
普段なら怪しまれ、指を指され注目を集めるのだが。
今日はクリスマスイヴ。
真っ赤なコートに白い髭をこんもり生やす外国人がいても違和感ないのだ。
「ねえ、気のせいかなサンタ多くない?」
「ホントだ、それにプレゼント袋持ってないなぁ。」
「コスプレかな?」
「にしては、気合い入ってるなぁ。」
「水鉄砲?」
「え?」
「向けてるよ、こっちに。」
非武装国が所以の無知。
サンタたちが向けた銃口に人々は、訝しく見つめるだけ。
そこから放たれた紅い光線浴び、墨となった恋人を見て初めて危険を感じとる。
「・・・きゃーーーー!!!!」
『テロか!? 新宿駅前で銃乱射事件! およそ2000人が死亡!』
『サンタがハイスクールで銃撃! 13人の生徒が死亡!』
『サンタ軍団! ペンタゴンを襲撃!』
『サンタ、新型兵器を使う!?』
『サンタがピラミッドを破壊!』
『サンタが乗る飛行船! ナイル川上空に出現!』
『サンタの飛行船! ビックベンを持ち去った!?』
『赤い服に御用心!』
『赤い服、髭を生やした人物を全世界指名手配!』
年中、雪が積もる山小屋で。
流れるニュースを眺めながら、スコッチを飲むひげ面の中年男性。
「・・・ふざけおって。」
静かな怒り、憤怒に震える指がグラスを割り、
一人のオヤジが立ち上がった。
世界を震撼させるサンタ? の破壊、殺戮活動。
奴等はサンタじゃない。
サンタを語るファッキン野郎だ!
「トナカイ!」
「あいよ、旦那! 何処まで行きやす?」
オヤジは愛用の赤コート、ずっしりと中身が詰まった白い袋を引っ提げて外へ出る。
相棒のトナカイが、彼の出発を待っていた。
「・・・宇宙だ」
「お安いごようでぃ! サンタの旦那!」
本物のサンタは怒髪天を突く。
子供たちにプレゼントを運ぶ俺たちを騙り、人々を脅かす悪辣非道の輩に鉄槌を下さんと。
サンタは飛んだ。トナカイの引くソリに乗り。
大気圏を突破する。
奴等の正体は月が教えてくれた。
遠い星から地球を侵略しにきた異星人。
人間を油断させるために俺たちの格好を真似し、悪行をする畜生共!
許さねぇ。
俺の大事な子供たちを、俺たちが作ってきた文化と誇りを傷つけやがった!
宇宙へ出ると、サンタの目の前には巨大な球体の宇宙船が見えた。
知ってるぞ、星が教えてくれた。
お前たちの宇宙船の主砲を我らの地球にぶっぱなすつもりなんだろう?
そのためのエネルギー源として人間を拐っていたんだろう?
「トナカイ!」
「あいよ!」
「・・・突っ込め!」
「合点!!」
シンニュウシャ・・・シンニュウシャ・・・
宇宙船に騒々しいアラームが鳴り響く。
人間の心臓をエネルギー源にする主砲の発射まで残り10分。
そんな大事な時に侵入者を告げるエマージェンシーコール。
初宇宙船勤務であったイザコロンテは、後に同胞たちにこう伝えた。
「あの時、私たちは確かに勝利を確信していたのです・・・
あの時、あの地球人が現れるまでは・・・」
それはほんの数分の出来事でした。
先ずは主砲に、何かぶつかったと連絡が入ったんです。
私は先輩と共に修理のために、外に出て故障箇所を見ると
ソリです。
ソリと言うのは、地球人が使う通行手段なんですが。
それ木製なんですよ。
どんなスピードでぶつかれば100%ナノメタルで作った新型宇宙船の主砲に傷つけることが出来るのか?
わかりませんでした、修理の仕様もありまそんでした。
私が知ってるのはここまで。
船内に戻る前に、船が爆発しちゃいましたからね______
操縦席にいたニャントラスフォンが続きを語る。
「続きって言ってもなぁ・・・俺たちが異変に気づく頃には全部終わってましたから。」
わかるのは、そう。奴のカメラ越しでの姿だけさ。
俺たちよりも小柄で非力な地球人がよ。
俺たちの攻撃を物ともせずに、袋を振り回し暴れてる姿。決して膝を付かず立ち止まらず
そいつは一瞬で操縦席までたどり着いたんだよ。
信じられるか?
俺たちが船を捨てて脱出したのも頷けるだろう?
「それが、地球侵略失敗の理由か?」
「はい、大臣・・・それと、こんなことも言ってましたよ。」
異星人は、大臣の目の前でいきなり、上着を脱いだ。
「ハッピーメリークリスマスって・・・」
異星人の身体に巻き付いた爆薬が爆発し、異星は滅んだとさ。
FIN
力尽きました・・・おやすみなさい・・・




