ホワイトクリスマスナイト
雪だ・・・ホワイトクリスマスってやつだな。
季節はずれの雪が東京に降る。
きっと、八王子駅は大雪だろうな。
街の明り、車のヘッドライト、イルミネーション。
それらに彩られたカラフルな白雪がフワリ、フワリと見上げた俺の顔へと降ってくる・・・
菜穂子早く来ないかな・・・
ハチ公前には、俺と同様、連れを待つ人たちで溢れている。
みな、同じことを思い、
この幻想的な、奇跡的な光景を共有したいと願っているだろうか・・・
「仁!」
俺の名を呼ぶ声が近づく。
菜穂子だ、俺の送った朱色の手袋が白雪を人波をかき分けて・・・。
「スッゴい寒いね! 顔が真っ赤になっちゃうよー。」
「・・・あ・・・菜穂子・・・?」
「うん? そうだよ、どうしたの仁。変な顔して・・・・・・仁・・・どうしたのその顔・・・・・・グチャグチャだ・・・よ?」
「菜穂子の・・・顔も・・・・・・」
互いに鏡を見せあった。
腫れあがり、皮膚が溶け落ちて、真っ赤な肉が見えていた。
同時に周囲の人達が悲鳴を上げだした。
フワフワと降る白雪に触れたコートが・・・溶ける。
フワフワと降る白雪に触れた肌が・・・寒い・・・いや熱いんだ。
熱すぎて、寒いんだ・・・。
菜穂子が倒れた。
俺が手を伸ばしてその身体を支えようとしたが出来なかった。
俺の指先が深々と降ってきた白雪に包まれて。
溶け無くなっていたからだった______




