表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生貴族少年 アレク・ベルマン  作者: はくちゃん
6/8

006 ポップポイント

 ベルマンへの帰り道僕たち一家はある子爵領に滞在していた。パンの値段が高いところだ。何故滞在しているのかというとこの街にはポップポイントが有るからだ。


 ポップポイント、それはモンスターがポップ(湧き出る)地点である。この世界は魔法が有りモンスターも存在する。そのモンスターは親が子を産むというものではなくポップポイントから湧き出てくるのである。そこで偉大なる先人たちはポップポイントを封印する方法を編み出して実行した。しかしすべてのポップポイントを封印すると大地に力がたたまり地震などの災害が発生することが後になった判明した。

 

 そこで一部のポップポイントを開放してガス抜きを行うことにした。さらにポップポイントから出てくるモンスターをテイム(使役)する方法をも編み出した。これにより我が国ソーラはモンスターの脅威から完全に開放されたと言っていいだろう。ちなみに他の国のポップポイントがどうなっているのかは僕は知らない。


 それと勘違いされがちだが妖精族は繁殖能力を持った生命体でモンスターではない。


 そう言った背景からポップポイントを持つ領地は何かと優遇される。災害を起こさないためにポップポイントの管理は重要だし。テイムされたモンスターは労働力として高く売買される。今僕が滞在している子爵領もモンスターの販売で成り立っている。領民たちもモンスターを買いに来る貴族、商人を相手に商売をして暮らしている者がほとんどだ。そのせいで生産力が殆どなく領外からの仕入れと関税の高さから物価が高くなっているのだと父上から教えてられた。


 ベルマンにはポップポイントが無いのでポップポイントを僕に見学させるのと、いいモンスターが居れば購入するのが今回の滞在目的だった。


「ティッタ、母上とお留守番しているんだよ」

「あい!」


 妖精をモンスターと勘違いして欲しがるバカが多いのでティッタは母上とお留守番だ。僕は父上に連れられてポップポイントへ向かった。


「アレク。これがポップポイントだ」

「まるで祭壇みたいですね」


 本来はモンスターが湧き出る時だけ光の渦が現れるただの平地なのだが管理の為に祭壇のようなものを設置した。


「そろそろ時間です」


 係りの者がそう言うと祭壇の前から光の渦が出来てきた。


『アレくん気を付けて』


 女神さま?姿が見えない。どうやらテレパシーで話しかけてきているようだ。


『新種のモンスターを出そうと思ったら設定番号を間違えてアレくんがいるポップポイントから出てくるようにしてしまったの。今から出てくるモンスターはもう止められないわ。危険だから気を付けて』


 女神さまに警告されて父上に警告を発しようとした時、それは現れた。


 銀色の光沢をもつゲル状の生き物。おそらくはスライムだろう。


『私の友達が管理する世界で竜を屠り、勇者を下し魔王さえも倒した最強モンスター。メタルイートスライムよ』


 女神さまは出てきたモンスターの事を教えてくれた。


 その最強モンスターをテイムしようと鎧を着た兵士が隷属の刻印を持ってメタルイートスライムに近づいた。その時だった、メタルイートスライムは刻印を兵士の腕ごと包み込んだ。そして自身の体積を増やすと兵士の体を包み込んだ。


 あたりは騒然となり、やがてパニックに陥ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ