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プロローグ

 



 ここは、全ての人間が魔法を使う事の出来る、そんな世界です。

 ですが、よく勘違いされる方がいらっしゃるので、簡単にこの世界について説明していきますね。


 火や氷、稲妻なんかを自由自在に出す事が出来る?いえいえ、とんでもない!そこにない物を生み出したり、つくりだしたりなんて出来ませんよ。私達に出来ることといったら、既に存在している物を動かせるというだけです。


 えっ?ギレグーダなんちゃらーみたいな呪文?そんなものもありません。心の中で動かしたい物に向かって「動けー」と思うだけで動かすことが出来るんです。

 もちろん、物だけじゃなくって、人間を動かす事なんかも出来ますよ。自分に向かって「浮けー」と命じれば、浮くことができます。また、他人に向かって「止まれー」と命じれば動きを止める事なんかも出来ちゃいます。

 ただ、面白いことがありまして、この世界では、邪心があると魔法は一切使えないのです。それこそ、あの子の「スカートめれろ!」なんてふざけたものから、あの憎っき上司の「首を絞めてやろう!」なんていう残酷なものまで、そういった類のことは思っていても、魔法は一切作動しないのです。


 以上がこの世界の魔法の仕組みです。簡単でしょう?


 じゃあ、次は具体的にこの世界が一体どんな感じに動いているのか、明かりを例にとってお話し致します。ろうそくと、マッチがあれば、マッチに向かって、「ろうそくの火を着けろー」と思えば、ろうそくに火が灯って光続けます。もちろん、ろうそくがとけきっちゃえば消えますけどね。

 ですが、ライトに向かって、「光れー」と思った場合、明かりが着くのは「光れー」と思っている間のみです。そんな四六時中「光れー」なんて思い続けなくちゃいけないなんて困りますよね?そこで、それを解消するために魔石が登場します。


 魔石とは、魔力をためておく事の出来る宝石のようなものです。ライトを照らし続けたい場合は、魔石をライトにセットするんです。どういうことかと言いますと、ライトが光続けるには魔力が必要です。

 そこで、人間から魔力が与えられない時は、魔石から魔力を吸い上げて、その魔力によってライトは光ります。このようにして、魔石をセットするとライトは光続けることが出来るのです。


 魔石は永遠に使えるのか?いいえ、入れて貯めておいた魔力の量だけ、魔法を使ってしまえば、ただの石になってしまいます。

 魔石が急にただの石になってしまったら、ライトの明かりは消えてしまいますよね。そんな急にライトが消えてしまったら困りますよね?

 それこそ、医療現場なんかでライト切れが起こったりなんかしちゃったら、大惨事になってしまいます。なので、魔石中の魔力量が分からないといけません。


 どうやって魔石に魔力が残っているのか分かるのかと言いますと、魔石は魔力が満タンの時は青色に輝いていますが、魔力がなくなっていくにつれて透明になってくのです。これによって、魔力切れが分かるようになっています。

 なので、時々魔石の色を確認する必要があり、透明になってきていたら魔力を入れてあげます。魔力の入れ方はもちろん、「魔力よ魔石に入れー」と思うだけです。


 自分の魔力切れや、いざという時のために、多くの人が魔石を常備するようにしています。それこそ、魔石ホルダーと言われる魔石をしまっておける、小さい鞄のようなものがいろんな種類売っていますよ。

 最近では、女子高生の間で、黒地にピンクのハートマークの入った魔石ホルダーを持っていると恋愛運がが上がるなんていった噂が流れていたりなんかしています。

 あと、コンビニなんかで、魔力が満ちている魔石が売っていたり、魔力を貯める使い捨て装置なんかも売っています。なので、困った時でも大丈夫です。


 また、ライトといったことから気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、この世界、家電もあれば、車も走っています。

 なんで、家電や車があるんだ、それこそ包丁やなべに料理させて、ほうきで空を飛んで移動すればいいだろ、なんて思いましたか?


 この世界では、魔法を使う毎に体力が減っていってしまいます。それに、そもそも持っている魔力が人によってまちまちなんです。凄く大きな魔力を持っている人もいれば、凄く少ない魔力の持ち主もいるのです。魔力の大きさは生まれた瞬間から決まっています。つまり、努力や経験値なんかでは増やすことが出来ないのです。


 そこで、出来るだけ魔法を使わないですみ、魔力が弱い人でも困らないようにするために、この世界はいろんな商品であふれているのです。


 今まで説明してきた通り、この世界のほとんどの物の動力源は魔法なんです。でも、生まれつき魔力の弱い人もいる。

 そこで、この世界の商品に必要とされていることは、いかに少ない魔力で動くことが出来るかです。さらに、物を動かすために、制御するのも魔法で行っています。なので、本当に、省魔力化が求められているのです。


 また、説明してきたように魔法とは永遠に続く力ではなく、時々補充する必要がある不安定なものなのです。なので、この世界の物作りはとってもとっても大変なんです。


 こんな魔法世界における商品開発部の事情を紹介していきます。




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