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第四夜
「 The egoistic automaton.」
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〜夢想求める機械。〜
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私は考える。
私は目を閉じ、
忘れられないその記憶を探る。
私は当初物言わぬ『人形』だった。誰かが振り回そうが誰だかが踏み付けようが、それを嫌だと藻掻く術は無かった。
“……。きみは……きみは『ドーリィ』? きみは、『人形』?”
“ああ、きみは口利けぬ人形だ”
“けれど僕にはきみがわかるよ”
“共に、行かないかい?”
ある日、ご主人が私を拾ってくださったわ。それが始まり。
最果ての屋敷での、ご主人のお人形。それが私になった。
“ドーリィ”
ご主人が呼ぶから。ご主人が私を呼んでくれたから。
私私私……。
だから、ここにいるのよ。
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