<11話> 天幕にて ~side:サザル~
遅くなってすみません。
『【闇深き森】にて、魔獣の異常繁殖を確認。』
昨日の早朝もたらされた知らせに、王の執務室に呼ばれた重臣達は一時騒然となった。
魔獣の異常繁殖自体は数年毎に起こる事だが、住処より溢れ出し近くの村や町を襲う前に、住民を逃しつつ討伐する為、被害はそれほど大きくならない。
しかし今回は場所が問題である。
王都から森まではわずか150メルしか離れておらず、確実にこちらを襲うと予想される。
住民を逃そうにも人が多すぎて間に合わず、反って混乱を招きかねない。
それに【闇深き森】は、特に魔力に満ちており危険な魔獣も多く、飽和状態になり森から出てくるまで討伐は困難であろう。
「民の安全を最優先に考え、できるだけ民に不安を与えてはならぬ。」
王の指示の元、すぐに対策が話し合われた。
万が一に備え、兵の大部分は王都に残さねばならず、動かせるのは5分の1程度である。
戦力の補充の為に、ギルドを介し傭兵団に依頼する事となった。
「強力な傭兵団を」とギルド長のモーラスに相談したところ、上位傭兵団3つを紹介された。
その高額な報酬に皆驚き、若干顔色が悪くなったものの、「民の命には代えられない」との王の決定に反対する者はいなかった。
魔獣に余計な刺激を与えないように、森から2メル離して拠点とし天幕を張る。
傭兵団との打ち合わせに使う王の天幕を侮られない程度に調度品で飾り、王と将軍そして傭兵の代表者を出迎える。
簡易の物ではあるが椅子を勧め全員が着席すると、王の許しを得て口を開く。
「宰相の位を賜っております、サザル・ウル・ハイルと申します。早速ですが、依頼内容について確認いたします。まず我々の戦力は王都の守護に大部分の兵を残していますので、こちらに参戦できるのは400名程です。その内魔術士は50名、魔術師は10名おります。彼らが兵と共に森の周囲に展開しし、魔術による防衛線を築き、魔獣の封じ込めを行います。傭兵の方々にはその内側にて、魔獣の殲滅をお願い致します。報酬はそれぞれ金貨5枚とギルドへの仲介料として銀貨50枚ですが、こちらはギルドでの受け取りでよろしいですか?」
見渡すと、異論はないようで頷いている。
「何かご質問等ありますか?」
魔術師であろう金茶の髪と瞳の人物が手を上げた。
「【烈光】の副団長レウナスと申します。我々は魔獣の殲滅という事ですが、戦法については我々に任せて頂けるのでしょうか?」
「皆様方が組んで依頼を受ける事もあると聞いておりますので、こちらが口を出すよりも、お任せした方が効率が良いと思っております。」
ストックが尽きてしまい、次話の投稿も時間が空くかもしれません。




