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<10話> 現地到着 ~side:クムラ~

 8話と重複部分があります。

 


 後ろから迫り来る気配に気付いたのは、王都まであと20メル(24㎞)になった時だ。

覚えのある騎獣の魔力と混じり合う、あの一族独特の清冽(せいれつ)な魔力。


(どれだけ天に愛されれば、彼らの様な美しい青色の髪になるのか?どこまでも澄み切った空のごとく、限りなく透明に近い蒼に。あの色彩のもたらす魔力は、魔術師としてうらやましくもある。)


隣のレウナスにも分かった様で、団員に指示を出している。

「【黎明】が来ます。端に寄せ、通しましょう。」


まもなく圧倒的な速度で【黎明】の騎獣達が通り過ぎて行く。

いつもながら脅威の移動速度と感心するが、今回というか初めて騎獣に馬車を引かせているのが見える。

一見しただけでは解り難いが、様々な魔術が掛けられた極上の馬車である。


「ノルディ。使役魔獣に速度上昇の魔術を掛けなさい。」

レウナスが新入りに命じ、我とレウナスの騎獣並みの速度を使役魔獣に求める。



 現地に入ったのは【深紅】と同時刻になり、すぐに【黎明】の副統領の下へ行く。

レウナス達がお互いの近況などを話しているうちに、先ほどの馬車の事が気になり探してみると、統領の騎獣である巨狼がその逞しい四肢と豊かな尻尾で包む様に覆い隠している。

離れていても感じ取れる2種類の鮮やかな魔力。


(1つは統領のそれだが、もう1つは?)


疑問を口にする前に、【深紅】の団長から討伐後の宴会の誘いを受ける。

久しぶりに【黎明】も参加すると聞き、その時にでも聞いてみようと思っていると、ロートフ兵が騒ぎ出す。


ロートフ王本人が、わずかな護衛のみで我々の前に現れたのだ。

貴族との面倒なやり取りを嫌う傭兵は多いが、最低限の名乗りのみで本題に入る姿には好感を持つ。


(こちらとしても過剰に気を遣わずに済んで、話が早いな。)



 天幕に移動する間にも、ロートフ王から将軍の紹介を受ける。

「この者はわが国の将軍を務めるハバンだ。今後の指示はハバンが行うので、顔を覚えてくれ。」

「ハバン・イル・ダールと申す。此度は依頼を受けて戴けて、大変有難く思っている。」

歩きながら交わされる言葉に、ここまで身分にこだわりがないのかと、苦笑いが浮かんでくる。






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