<7話> 初陣の朝 ~side:フェルナンド~
あと四半刻もすれば、王都を抜けられる。
王都手前から混み合ってきた街道は、人や使役魔獣が邪魔で、どうしても速度が落ちちまう。
先頭を走る俺の騎獣ヴェルナもかなり煩わしそうだ。
しばらくしてヴェルナが、「ヴェルドから馬車に並ぶ様指示が来た。エディアルドがお前を呼んでいる」と、中央の馬車まで下がり併走する。
エディに扉を開けてもらい、飛び移る。
膝に乗せたエフィの頭を起こさない様に撫でながら、エディが話し始める。
「【黎明】、【深紅】、【烈光】を集めるか。被害を最小限に抑えるためといえ、大陸トップクラスの傭兵団に名指しで依頼するとは、ロートフ王も思い切ったものだ。」
(俺ら魔獣討伐数上位の傭兵団は、高額の報酬でも知られてんのに。)
「よほど危険な魔獣種でも含まれてんのか?」
(しかも腰抜け揃いで、軍の戦力を温存してぇと、傭兵に先陣を命じる有様だ。)
「それ程の大群ともなれば、騎獣の数頭はいるはずだ。最も強く美しい騎獣を無傷で捕らえよう。泣かせてしまった詫びも兼ね、初陣祝いに丁度良いだろう。」
「それはいい考えだな。」
(エフィに似合いの綺麗な騎獣がいれば、言う事ねえな。)
「ああ、そのつもりでロートフと交渉してくれ。」
「ん?お前は出ねえのか?」
「馬車にエフィを一人で残すつもりはない。今度の依頼は、ギルドや傭兵連中にエフィを紹介するのに良い機会だとは思うが、ロートフにはまだ早い。」
「わかった。確かにロートフの腰抜け共には、もったいなくて見せたくねえな。」
打ち合わせを終え再びヴェルナの背に戻ると、馬車を取り囲む様に騎獣を走らせる団員に、エディに命令を伝える。
「雑魚はさっさと片付けんぞ。エフィに初陣祝いに贈る騎獣の捕獲が優先だ。エフィの誕生日までには全て終わらせるぞ。」
エフィ命のレンジュの強者達は、揃って歓声を上げる。
騎獣同士や騎獣と騎乗者との間では、互いの思念を伝える事が出来ます。




