残酷だけれど微かな希望
お父さんが誰かと電話で話をしていた。
途中からお母さんの話になった。
お父さんがお母さんの悪口をその人にいっている。
まるで、それだけが真実のように
違うよ
冷たいアイスをかじりながら、心で呟く
違う
お母さんはわたしを愛していたはずだよ
かすかに記憶に残っている優しい手
わたしの頭を撫でて柔らかく微笑むの
暖かい記憶があるんだよ
わたしたちの思い出まで、否定しないでよ
おかあさんだけを
わるものにしないで
おねがい おとうさん
わたしは
ふたりがおこっているのはイヤだ
私が悪いのね
わたし、いなくなるから
だからおこらないで
かすみにまで、わるいことをいわないで
せめて
かすみのなかのお母さんだけでも
綺麗な色でありますように