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箱庭ゲーム  作者: 夜猫
ポセイドンと毛糸玉
30/52

クエスト28・猫妖精と魚人

Player-カイ

 結果的に俺達はカナリアのおかげで無事に『ダイダロスの迷宮』から脱出できた。

 だが・・・。


 「先輩の、『海王星の三叉矛ネプチューン・トライデント』が・・・」


 「まぁ、怪我って言うか、痛覚のシステムバグ攻撃を喰らったのが俺だけでよかったじゃん。お前等の中で再起不能になる奴が出なかった分、よしとしよう。気にすんな」


 俺は努めて明るく言う。

 まぁ、それとなくミッドにショートメールで聞きだせばよかっただけなんだしな。確かにあいつは俺ん所の近所にバグモンスターが出たって聞けば、こっちを優先して飛んでくるだろう。けど今はダメだ。少なくとも、今週の領地争奪戦エリア・ウォーが終了するまでは。それが過ぎればミッドをこき使おうが、スピカさんに瞬殺してもらおうが問題は全くない。


 「だけど、『ミノス王』に神器を盗られたのが痛い。ここはスピカ君達に・・・」


 「案山子さん、それはやめておきましょう。今、あの人達は自分達のことで精一杯です」


 「けど、これじゃ被害が余計に拡大する・・・!」


 「そうですよ!カイさんのGスキルまで使うんですよ!?」


 双子が叫ぶ、だが、俺は何とかなだめて落ち着かせる。


 「落ち着けよ。俺達の権力ゴリ押しして、『ダイダロスの迷宮』を封鎖すれば問題ないって。変なバグ見つけたから危険ってな」


 「・・・けど先輩、今のこの状況から考えれば、領地争奪戦エリア・ウォーなんてどうでもいいことですよ?」


 そう、確かにどうでもいいことかもしれない。

 バグモンスターか領地争奪戦エリア・ウォーか、どちらを優先すべきかなんて天秤にかけてみなくてもわかる。このゲームの秩序を乱すのがバグモンスター。だからこいつ等は即刻刈り取るべきだ。もちろん、アスカさんだってこの話を聞けばすぐにこっちに人を寄こすだろう。それこそ、今回の作戦の要であろうスピカさんとミッドの両名を。

 けど・・・!

 俺は『どうでもいい』と言ったレグルスの襟首を掴む。


 「それじゃ、納得できないんだよ・・・!」


 「え?ちょ!?な、なんですかいきなり!?」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カイ、落ち着け」


 周りはいきなりキレた俺に驚いていたが、兄貴は冷静に俺にそう言った。

 俺もその言葉で大人しくレグルスの襟首を放す。


 「・・・すまん」


 「い、いえ・・・」


 周りを見渡してみるが、全員が俺を恐ろしいものを見る目になっている。


 「・・・意外にも、三叉矛トライデント盗られたのが堪えてるみたいなんで、先に帰ります」


 「カイ君!」


 案山子さんの呼びとめようとする声が聞こえるが、俺はそれを無視してみんなからのPTから抜けた。




―――sideレグルス

 僕は突然キレた挙句、走り出してどこかに行ってしまった先輩の後ろ姿をただ見つめることしかできなかった。


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・戻るぞ」


 呆然とした僕達にアニキさんがそう言う。


 「え?けど、カイさんが・・・」


 「そ、そうよ!ほったらかしにしてもいいの!?」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・放っておけ、今は」


 わめく双子をアニキさんは一刀両断。

 あんまりな言い方に双子も思わず閉口した。


 「私も、今は彼を一人にしてあげる方がいいと思うよ」


 そうやって案山子さんは一言付け加える。


 「まぁ、神器が盗られたんだ。カイ君は自分が役に立つかどうかとかも含めて、いろいろと考える必要があるんだろうと思うよ」


 「「・・・」」


 双子はその言葉を聞いて押し黙った。

 確かに、今自分が装備している『硬獅子の外套ネメアー・コート』だって、なんか呪われているとしか思えない装備だったけど、なくなれば自分の一部がなくなってしまったみたいで嫌だとは思う。


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺には、それだけじゃない気もするがな」


 「ん?どういうことだい?」


 案山子さんがぽつりと話したアニキさんの言葉の真意を聞こうとする。

 こういうとき、あんまりアニキさんはしゃべらないけど、今回だけは違った。


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不甲斐ないんだろう、な」


 「何でですか?カイさんは、頑張ってくれましたよ!?レグルスを助けてくれましたし!!」


 「そうよ!カイのおかげで、レグルスのポカも回避してくれたんでしょ?何でそれが不甲斐ないの?」


 「・・・お前たち、実は僕のこと嫌いだろ?」


 僕の言葉を完全にスルーしてアニキさんはその問いに答える。


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スピカの知り合いだからな」


 「・・・なるほどね」


 僕と双子は余計に疑問符を浮かべるだけの結果になった。案山子さんはすぐにピンと来て頷いていたけど。

 そして案山子さんは察しの悪い僕達のために説明してくれる。


 「誰か、この中でバグモンスターを狩ったことのある人はいるのかな?」


 その言葉に僕達は首を横に振った。

 バグモンスターなんてそうそう出てくるものじゃないし、聞きつけても大抵はスピカさんがサクッと狩って行く。


 「そうか、やっぱりね。アニキ君は知らないけど、私もないよ」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺もだ」


 その言葉に僕達は驚いた。

 生産系スキルが多い案山子さんはともかく、先輩と一対一タイマン張れるアニキさんがバグモンスターの一匹や二匹を倒したことがないと言うカミングアウトは意外だ。


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だが、カイは違う」


 「カイさんは、やっぱりあるんでしょうか?」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・知らん」


 いや、アニキさんさっき先輩は違うって言ってたじゃないですか。

 僕がそんな怪訝な表情を向けると、案山子さんは苦笑しながらも僕達に教えてくれた。


 「華君が言っていたんだがね・・・」


 『華』って言うのは、『知恵の女神アテナ』の名前を持つ僕達の仲間の一人。ただ、いろいろと自由すぎて、『ホワイト・オリュンポス』はおろか、ギリシャ神話領にいること自体が少ない人だ。そのせいかスピカさんとしょっちゅう会い、結構仲がいいらしい。


 「バグモンスター、本当にかなりやばいらしいね。それをスピカ君一人で狩るものだから、華君は心配していたよ」


 「「珍しい」」


 あの人には心配なんて言葉は似合わなさすぎる。

 神器が盾のはずなのに、何故かそれが鈍器になっていると言う不思議すぎる人ですよ?

 しかも、自分で『盾は防具じゃねぇ、鈍器だ!』って豪語していたのは記憶に新しいですし。


 「そしてカイ君もスピカ君とは友人だろう?だから、わかっちゃうんだろうね。バグモンスターのことが。特に今日、カイ君は『ミノス王』の攻撃を受けた。これが意味することはわかるよね?」


 バグモンスターのことが分かる。つまりその危険性がわかる、そして、スピカさんがどんな敵と戦っているのか。

 そして今日は実際にバグモンスターとの戦いをした。だから新しく知った。スピカさんは、あの先輩が苦痛に歪めた顔を何回経験したのだろうと。


 「・・・でも、仕方がないじゃないですか」


 「そう、仕方がないね」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だが、カイは違うんだろう」


 案山子さんとアニキさんが僕の言葉にそんな言葉を返してきた。


 「アレがどれだけ痛いのかは俺は知らん。だが、カイの表情を見る限りではかなりのモノなんだろう。だから、カイはこう考えるだろうと俺は思う」


 僕も、わかる。

 先輩が考えそうなことは・・・。


 「『自分達のトコぐらい、自分達で何とかしよう』と。だから、スピカには教えないだろう。もちろん、『スレイプニル』にも」


 何故かアニキさんがここで『スレイプニル』の名前を出す。

 それを聞こうとすると、いつになく饒舌なアニキさんは言葉を続ける。


 「そうすれば、スピカの負担は減る。無駄にこんな苦痛を味わわなくてもいいと。だからあいつを今度連れて行けば、俺達を、文字通り命をかけてでも守るだろうな」


 そう言えば、アニキさんはずっと先輩が走って行った方に厳しい目を向けている。

 その鋭い視線は、一体何を思ってそんな風になっているんだろう?先輩を心配して?とにかく、アニキさんは複雑な表情を浮かべて先輩の走り去った方向を見ていた。


 「とにかく、今はカイ君が戻ってくるまではここを封鎖しよう。情報を流すのはこっちでやっておくよ」


 そう言うと、案山子さんとアニキさんは『ホワイト・オリュンポス』への道を歩き始めた。

 僕達もどうすることもできず、ただその後ろをとぼとぼと追いかけるように歩くことしかできなかった。


 「・・・あの、私はどうすれば?」


 ・・・・・・カナリアさんのこと、すっかり忘れてた。




―――sideカイ

 わかっているつもりだった。

 いや、本当に『つもり』だっただけなんだ。


 「・・・はぁ」


 俺がバグモンスターを狩るのはこれが初めてだ。一応ミッドやスピカさんからは様々な情報を聞いていたりはした。

 やれ、ふざけているとか、面倒くさいとか、あり得ないとか、回復あっても意味ないときがあるし、とか・・・。

 まさか、自分がその内容を完璧に理解することになるとは思わなかった。


 「・・・いや、二人はそれ以上にヤバいの相手にしてるかもしれないのになぁ」


 ミッドはつい最近、『不死龍アンデッド・ドラゴン』のバグモンスターとやりあったらしい。その時は、≪リスタ・ソニック≫と強制クリティカルのみで何とか勝てたからラッキーだったとか言ってたけど、その意味が嫌でもわかった。

 攻撃食らったら痛いうえに、HPを回復できない。そして強いし、俺の武器をパクられた。

 だが、俺の中で占めているのはそんなものじゃなかった。


 「・・・俺、『海と馬の神ポセイドン』なのか?」


 『ポセイドン』の象徴である三叉矛トライデントは盗られた。Gスキルも使えない。これじゃぁ、ただの一般プレイヤーと変わらない。

 自分が、ひどく弱くなったように感じた。

 これでも『範囲攻撃の鬼』だとか、そんな感じの呼び方で言われたことがある。実際、ミッド達にはそれで『流石カイだな!』とか賞賛の言葉を贈られたりとかもした。

 けど、俺から『海王星の三叉矛それ』を盗ったら何が残る?


 「・・・救いようが、ねぇな。・・・・・・コマンド・メール」


 自分でもそう思う。

 俺は何の気もなしに、ショートメールのウィンドウを立ち上げた。すると、目の前にメールフォームと薄青の半透明なキーボードが出現した。

 宛先は・・・・・・ミッド。


To ミッド

―――sub・なし

―――本文・お前、今何してる?


 気づけば、そんなメールを送っていた。

 正直、あいつがメールを返せるほどに暇なのかは知らない。それに、こんなメールに返信するかも疑問だしな。

 すると軽い電子音と共に、メールボックスに『new』とついたメールが来た。まぁ、相手はもちろんミッドだ。


From ミッド

―――sub・なし

―――本文・お前は俺の彼女かよ?www


 ・・・いや、ちょっとカチンと来たな。

 こっちは結構地味に悩んでいるのに、何が『www』だよ?いや、自分のせいだと言われればそのせいだけどな。ぶっちゃけ、バグモンスターなんて俺でもやれると思ってたし。傲慢が招いた、自業自得だと言われればそれまでだ。


―――うるせぇ。こっちは色々と暇なんだよ。


―――いいじゃん、そっちの仲間と久しぶりにダンジョンでも潜ってろよ。


 今まさにそれをして、手痛いしっぺ返しをプレゼントされたけどな。


―――で、結局お前は何してんの?『行軍』の練習か?


―――いや、それは終わった。つか、やっぱお前にはバレてたか。バラすなよwww


―――誰にも言わねぇよ。・・・自分達に降りかからなきゃな。


―――じゃぁ、『ホワイト・オリュンポス』には仕掛けられないな。


―――正直、防ぐ手立ても見当つかないけどな。


―――『スキル・ハッピー』のアスカに勝てるやつがいたら、むしろ見てみたいわwww


―――それもそうだなwww


 そんなとりとめのない、ショートメール越しの会話をしていた。

 『トール』が現れたことに、あいつはライトよりも喜んで、相変わらずトムは性格が悪いとか、『ロキ』のファントムさんの愚痴り、アスカと師匠はやっぱ仲いいなと、まるで娘か妹を見守るかのような立場で言い、ミサが参加するとは思わなかったと驚きを口にし、ロゼはやっぱ強いんだってな!と興奮したように言う。俺がふざけてイースさんに関しての言葉はどうしてない?と聞けば、あいつはストーカーについて語る余地はないとか断言した。一部ではイースはすごい人気を誇っているんだぞ?


―――これ終わったら、お前の所にも行くわ。帰るついでにだけどな。


 会話の流れで送られてきたこのメール。これを見て、正直俺は息をのんだ。ミッドにとっては何のことはない、ただのメール。だが今の俺にとっては、ある意味では死刑宣告にも等しいかもしれないものだ。


 来ないでくれ、今、ここにはバグモンスターがいるんだ。


 来たら、お前は真っ先にそこに行くだろ?


 そしたら、俺の神器を持った『ミノス王』を見ることになる。


 たぶん、お前のことだからブチギレるだろうな。


 それで死力を尽くして、取り返してくれるだろ?


 そのせいで、お前は辛い目に遭う。


 そんな考えが頭の中でぐるぐると回っている。

 震える指で、半透明のキーボードを叩く。


―――おう!俺が、案内してやるよ!


―――あぁ、楽しみにしてるぞ!


 だが俺の指が打ち出した言葉は、俺の考えている言葉とは全然違った。

 いや、これ以外に言葉が見つからなかっただけだ。今ここでこいつにバグモンスターを思わせるような言葉を書けば、絶対に来る。そうすれば領地争奪戦はどうなる?最悪なコンディションで臨むハメになる。


―――そういや、『ダイダロスの迷宮』ってダンジョンがここにあるんだけどさ、お前は何か知ってるか?


こいつらが来る前に倒さなきゃいけないと思った俺は、神話に詳しいミッドから『迷宮』の情報を聞き出そうとする。


―――知ってるぞ。


 案の定、帰ってきたのは肯定のメール。

 俺はさらにメールを送った。バグモンスターの言葉は避け、『迷宮』の特徴のみを伝えていく。


―――やっぱ、所詮はゲームだな。


 帰ってきたのはそんな言葉だった。

 俺は意味を測りかね、疑問のメールを送る。


―――ミノス王は、別にミノタウロスの王様ってわけじゃないんだよ。


 俺は意外に思った。

 今まで、ミノタウロスはミノス王の配下だと思っていたからな。それにそんな感じのゲームも多い。


―――言うとあれだけどな、ミノス王は『ポセイドン』から一匹の白い牛を貰うだってさ。まぁ、一説では黄金だって話もあるけどな。


 意外すぎる名称に俺は驚いた。まさか、神話のこんな所で『ポセイドン』が関わっているとは思わなかった。


―――けど、そこで『ミノス王』は約束を破って、怒ったポセイドンは王女に呪いをかけたんだよ。


―――呪い?


―――その白い牛にやらしい感情を持つようなやつ。


 ・・・おい、ポセイドン。いくらなんでもそれはないんじゃねぇの?


―――まぁその結果、『ミノタウロス』君ハッピーバースデーな感じになったんだよ。


―――・・・聞いといてなんだけど、あんまり知らない方がよかったな。


―――で、ミノタウロスは成長と共に凶暴になって、それを見かねたミノス王は名工ダイダロスの作った『迷宮』にミノタウロスを押し込めた。


―――なるほどな。


―――後は有名な話だ。ミノス王はミノタウロスの為に、九年に一度、食料として七人の少年少女を送った。その三回目の時に英雄『テセウス』がミノタウロスを倒し、攻略不可能と言われた迷宮を王の娘の『アリアドネ』から貰った毛糸玉で無事に脱出したって話しだ。


 まぁ、そこは俺も知っている。

 生贄達に混じって迷宮に挑んだテセウスは、アリアドネから貰った赤い麻の毛糸玉の端を入り口に結び、糸を伸ばしながら奥に進んだ。そしてミノタウロスを倒したのち、糸をたどって無事に脱出し、アリアドネと結ばれた。


―――けどな、実は面白い話がもう一つあるんだ


 ミッドにしては珍しく、勿体ぶった感じでメールを寄こしてきた。

 とりあえず、それに素直に乗っておく。


―――なんだ、それ?


―――ミノタウロスを倒した英雄として有名なテセウス、実は『ポセイドン』と人間の女性との間に生まれたらしいぞ。


 それを聞いて、なんて因果なと思った。

 ミノタウロスを生み出した原因を作った張本人の息子が、ミノタウロスを倒すとか・・・。

 ギリシャ神話の英雄と呼ばれる存在は、俺が聞いた話ではそのすべてが人間と神の相の子、つまりは半神半人ハーフだ。あの『ヘラクレス』も『ゼウス』との間に生まれている。


―――まだ、『テセウス』はいないんだよな?


―――あぁ、いない。


―――なら、その迷宮にはテセウスの『英雄の条件ライセンス』があるかもな。それも、ポセイドンと一緒にいるとかそういう条件で。


 なるほどな、それは面白そうだ。


―――と言うわけでさ、検証してみようぜ!こっちは、カイ以外は無名ネームレスのプレイヤーだから、『ライセンス』がオーダーされるかもしれない!


 『カイ以外は無名ネームレス』、その言葉はひどく俺の胸をえぐった。

 今、俺には神器がない。そんな俺が、『ポセイドン』名乗っててもいいのか?人間の英雄、テセウスにだって攻略できた迷宮、俺は尻尾巻いて逃げてきたんだぞ?そのテセウスの親に当たる、『ポセイドン』の名前を持つ俺が・・・。

 その後、ミッドはアスカさんが呼んでるとかでメールを切り上げた。

 いつの間にか周りは暗くなり、夜になっている。

 まるでこの薄暗い闇は、俺の心を映し出しているかのようだった。


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