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箱庭ゲーム  作者: 夜猫
領地争奪戦
22/52

クエスト21・トールの再挑戦

Player-ミッド

 「ダメだ、敵はやっつけるな!」


 「そう!適当にHP残しておけば、次は回復するから時間が稼げるよ!」


 「・・・・・・わかった」


 俺と師匠はイースにアドバイスをしながらも邪魔な敵だけを適当に相手していく。

 こういう時は、最後まで敵を倒すと、その空いた場所に次々と敵がなだれ込んできて、相手に動ける隙を作ってしまう。だから敵は最後まで倒さず、動きを止めておいた方がいいというのが俺達の研究成果だ。


 「師匠、あとどのくらい!?」


 「わかんない!けど、さっき『円卓騎士団テーブル・ナイツ』が動いたって報告が来たから急いで!」


 「わかってる!」


 「やっほー!みんなのアイドルのオーディンちゃんが通るわよー!」


 「お前は真面目にやれよ!?」


 アスカは何故か有名人よろしく、手を振りながら自分の宣伝をしていた。

 ・・・・・・こいつ、蹴落としたい。


 「ここは通さ―――」


 「「「邪魔!」」」


 俺と師匠、アスカの声とともに突然目の前に出てきたやたらとごつい男が一瞬で消えさる。

 ・・・・・・ミスってキルしてしまった。

 と言うか、いい加減うっとうしくなってきた。


 「師匠、後一分で着くと思う?」


 「・・・あぁ、なるほど。まぁ、つかなくてもミッド君だけで行けばいいと思うよ」


 「じゃ、師匠頼むよ」


 「・・・・・・何のこと?」


 俺はイースの質問には答えない。

 まぁ、答えはすぐにわかるし。


 「≪戦乙女の導き≫!」


 師匠の体が光を放ち始め、スピードが一気に上がる。

 これは、戦乙女たちだけが使える専用スキルで、一時的に自分のステータスを上昇させる。時間は六十秒・・・。


 「今のうちに行くよ!」


 「おっけー、師匠!」


 そう言うと、俺と師匠は示し合わせたように地面を思い切り蹴り、軽くジャンプ。

 そして相手の肩や頭の高さまで飛んで更にそいつを蹴る。

 狙われやすくなってしまうが、今の俺達を補足するのは『クーフーリン』、『アルテミス』あたりでもない限り無理だろう。

 文字通り相手の頭上を駆け抜ける。タマは後ろから敵を薙ぎ払ってこちらに必死に着いてきている。

 やっぱ、身軽な分こっちのが楽っちゃ楽だよな。

 タマは『ナゴヤ』みたいな建物を駆け上がることは比較的に楽だが、こういう人混みを駆け抜ける時はその巨体がどうしても邪魔になる。


 「ミッド、あそこ!」


 声に反応してアスカが指をさす方向を見ると、そこには天幕や、投石機があった。

 ケルト神話領の特徴で、ケルト神話領は中世あたりの兵器がたくさんある。その代表的なのが大型兵器。高レベル制作スキルを持っている人たちが作ることのできるもので、領地争奪戦エリア・ウォーではよく見かける。


 「・・・一応、連絡しておいた方がいいですか?」


 「う~ん・・・。今回、『ラタトスク』達の行動がよくわかってないからなぁ・・・」


 師匠は伝えるべきかどうか悩んでいる。

 こういう相手の戦略兵器等の破壊は『ラタトスク』の裏工作のお仕事だ。ただ、今回はトムがやつ等の仕事は忙しいから無理とか言って今回はナシになっている。


 「まぁ、連絡しておくだけしておこう。ミサ、頼む!」


 「はい、わかりました!」


 俺は後ろの方でタマにまたがっているミサに言う。

 ミサは手早くショートメールを起動し、ロキ宛にメールを作る。素早く内容を打ち込み、作業は終了する。


 「これで、連絡できたはずです!」


 「じゃ、問題の天幕に突撃だ。ここから敵の攻撃は激しくなる、注意して!」


 そして俺達が駆け出そうとした時、いきなりシステム音が響く。

 こんな時になんだよと思いつつも素早く操作。どうも、ショートメールのようだ。内容はさっき俺達がトムに報告したことだ。そこには戦略兵器を長距離魔法スキルや狙撃でダメージを与えろと書いてあった。


 「仕事速い!?」


 「・・・ちょっと、五秒くらいしか経ってないわよ?」


 「・・・・・・さすがリーダー」


 いや、絶対に無理だから。少なくとも俺じゃ無理。

 まぁ勢いがそがれたでもないけど、突撃と行くか。




Player-ロゼ

 「ほらほら新米神様!頑張らないと負けちゃうわよ!」


 「手伝えよ!?」


 「ライトお前、か弱い女の子に手伝えとかマジ最低だな」


 「そうよそうよ、アンタ、よくわかってるわ」


 「騎士ですから!」


 「ロゼさん、味方なの!?敵なの!?」


 私は何度目になるかわからない常時回復補助魔法スキルを使い、ライトのHPを一定に保つ。

 私は、攻撃に転じたくてもできない。

 相手がそれを許さないようライトの猛攻を仕掛けているからだ。

 ・・・こんなの、ミッドかカイなら既に八つ裂きか圧殺で決着がついている。

 二人は地味に強かったんだなぁーと思いつつ回復をしまくる。


 「アンタ、ヘタクソなのよ!もっとミッドとか見習え!」


 「うるさいですよ!?」


 「そうだぞ、ヘタクソなんだからアドバイスは聞いとけ」


 「こいつらウゼェ!?」


 でも、本当にヘタクソだ。

 このチビッ子は自分のSTRを使ったごり押ししか考えていない。しかも、『ミョルニル』は柄が短いためにリーチが剣ほどしかない。それなら、小回りのきく剣が有利だ。


 「ライト、よく聞きなさい!アンタのその武器は特殊だから・・・」


 「そんなの、わかってる!」


 ・・・ってもいいかしら?

 でも、こいつがいないとアスカさんの貞操の危機が・・・。

 っく、ここはお姉さんの余裕で心を広く持つしかない。


 「ライト君、君の武器はリーチが短いの。だから・・・」


 「知ったかぶってんじゃねぇ!」


 「・・・」


 とりあえず、剣を収める。

 そして、普段めったに使わない格闘スキルを使おうと決意。


 「ふん!」


 「どわぁ!?」


 「!?」


 私は格闘柔術スキル、≪背負い投げ≫を発動・・・・・・チビッ子に。

 私の行動に二人の男が目を白黒させる。私はそれを無視し、ライトに言う。


 「いい、よく聞きなさい。じゃないと、アンタはあの『アーサー王』に負けるわよ?」


 「・・・」


 茫然としているライト。

 ・・・ダメだこいつ、何とかしないと。


 「アンタのその武器はね、槌系にもかかわらず柄がやたらと短いのよ。だから、リーチがほぼ剣と一緒なの。わかる?」


 私が顔を覗き込むようにして言うと、ライトはがくがくと首を振る。

 たぶん、この首筋にあてている剣が効いている。


 「だから、アンタは剣の間合いで戦わなくちゃいけないのに大槌のまんまやってるもんだから体のあちこちがガラ空きなのよ」


 そんな剣で別に相手の体勢が崩れたとかでもないのに剣を大ぶりで振るとか、そんなのバカの極み以外の何物でもない。というかバカだ。

 わざわざ相手に自分のスキを見せるとか、ミッドが使ういやらしい戦法以外に見たことがない。


 「いい、もう一回言うけどアンタはもっと考えて戦わなくちゃいけないのよ。急に剣の間合いで戦うのは無理としても、スキルなら何とかなるはずよ。まぁ、相手もモーションキャンセル狙ってくるに決まってるけど、やらないよりはマシ。回復は私が全力でサポートするから」


 そう言うとライトを立たせ、再びアーサー王の前に立たせる。


 「待たせたわね。準備完了よ」


 「あ、あぁ・・・」


 向こうは微妙な返事をしつつも剣を構える。

 そして、ライトも大槌を構える。

 先に動いたのはアーサー王。剣の素早い動きでライトを翻弄する。

 そして、ライトはその動きに対していつものような攻撃を放つ。


 「ダメよ!このバカ!そんなんじゃ相手に攻撃してくれって言ってるようなものじゃない!」


 「わ、わかってる!」


 そう言うと、ライトはスキルを使う。でも、何でよりによってそれなの!?

 ライトが使ったのは全神話領に共通して存在する槌スキル≪グラン・スマッシュ≫。これはシンプルに相手の頭へ自分の槌を叩きつけるとても強いスキル。だけど、タメが大きく、対人戦闘や自分より攻撃の素早いモンスター相手には全く使えない。


 「なんなの、アンタ素人!?」


 「そんな力とHPに頼った戦い方じゃ、俺どころかロキにさえ劣るぞ!」


 そう言いながら、アーサー王はライトに切りつけた後、バックステップを踏む。

 それで完全に避けられる・・・!


 「・・・あれ?」


 「・・・HPが、削れた?」


 「・・・何で?」


 三人が三人ともよくわかっていない状態に陥った。

 でも、さっきのは確実にかわせるタイミング。それにも関らず、アーサー王はダメージを受けた。まぁ、すぐに全快したけど。


 「・・・とにかく、スキルを使って!」


 「あ、あぁ!」


 そう言うと、ライトは無難なスキルを発動させる。

 でもやっぱりと言うか、槌系はどうしても大きな動きになるスキルが多く、相手にダメージを与えづらい。

 でも、何故か当たる。


 「どういうことだ!?タイミングが・・・!」


 アーサー王もよくわからず、困惑するだけだ。

 でも、何で相手もわかっていないの?


 「・・・ねぇ、ライト!質問があるんだけど?」


 「無理、です!スキルの発動に集中して、るんで!」


 「それよ!アンタ、槌系スキルってどのくらいの頻度で使うの!?」


 「・・・俺はスキルは魔法中心です!」


 ・・・もしかすると、もしかするの?

 いや、でもそれって・・・いくらなんでも気づかないって・・・。

 でも柄も短いし・・・・・・。


 「ライト。たぶんそれ、大槌系のスキル発動が地味に速い!」


 「はぁ!?物理攻撃スキルに速いも遅いもあるか!?」


 そう、普通は無い。

 どんなに熟練度を上げても、補正がかかるのは攻撃力やその他の補助的な効果。

 でも・・・。


 「それは他の槌と違って柄がやたらと短い。だから、その分だけ速くなってんのよ!」


 「それなら、小槌と同じで威力が低くなるはずだ!」


 「だからそれは分類は大槌なんでしょ?それに、それは普通に強い。意味わかるわよね!?さっきの私の動きを参考にしなさい!」


 「さっきの動きって・・・」


 「来るわよ!」


 私が声をかけたその瞬間、アーサー王が動く。

 ライトに向かって次々に剣技スキルを連発してくる。

 そしてライトはやけくそだとか呟きながら槌技スキルを発動。

 槌系にしては異様に速いスキルをアーサー王は次々に受ける。そして、槌系のスキルの特徴である高威力によるダメージで常時回復リジェネーションが徐々にだけど間に合わなくなっていく。


 「速い・・・!」


 「マジかよ」


 「つか、自分で気づきなさいよ。アンタ、バカ!?」


 まぁ、半年ぐらい前に入った新人神様だからしょうがないの?

 ・・・・・・でも、カイが言うには普通に強いはずなんだけどなぁ~。やっぱり、あの二人は相当強いのね。


 「あいつらがいれば、私は最強な気がするわ」


 「助けて!?HPがっ!」


 泣きごとを言うライトに回復魔法スキルを放つ。

 すると、HPが回復してまたも全快。ついでに常時回復系のスキルもかけなおしてある程度のダメージを軽減する。


 「ッチ!これじゃ殴り合いだ!?」


 もう、アーサー王のHPは結構ピンチだ。

 常に回復しているとはいえ、それも完全じゃない。徐々に、徐々に削られてあと数回ダメージを受ければHPがゼロになるのは明白だ。


 「これで、最後だ!」


 ライトもとどめを刺そうとスキルを発動させる。

 だが、何故か発動しない。


 「クールタイムかっ!?」


 「この、間抜が!お前こそ、Gスキルで・・・!」


 ・・・何やってるんだろう、このバカ。


 「そう言う時のための魔法スキルでしょうが」


 「あ、そうか」


 詠唱の必要がない下位魔法スキルを発動し、攻撃。不意を打たれたアーサー王のスキル発動をキャンセルさせることに成功。

 もう、このド素人な戦いを見ているのが面倒になってきた。

 ライトは今度こそとどめを刺すべくアーサー王にその黄金の槌を叩きつける。


 「・・・セーフっす」


 「アンタ、だれ?」


 やってきたのは騎士の恰好をしたイケメン。

 ・・・私の好み的にはカイの方がいいと思うけど。でも、カイと付き合うかっていうと疑問が残る。いや、今はそんなことはどうでもいい。


 「ローラン、助かった!」


 「オッケーっす。つい最近までトールはザコだったと思っているんですけどね」


 「そこの女がアドバイスした途端に動きがあからさまによくなった」


 「なるほど、戦闘はそんなだけどサポートに特化してるっすね」


 「・・・回復をカンストさせるまでにな」


 「それはそれは、っす!」


 気合の声とともにライトの大槌を斬り払う。

 ライトは態勢を崩されないようにわざと力を後ろへと流し、その勢いで私の隣に来る。


 「で、あのイケメン誰?」


 「『裏切りの騎士ランスロット』だ」


 「なるほど、名前から考えるに『円卓騎士団テーブル・ナイツ』の一人ね」


 「あぁ、ヤツは水系の魔法スキルと剣技スキルの使い手だ」


 「・・・ひょっとして、『アロンダイト』って武器持ってて、Gスキル持ちとかは?」


 「Gスキルは無いと思う。今までに見たことがない」


 「・・・でも、油断は禁物ね」


 私は緊張しつつも剣を構える。相手は英雄級ヒーロー・クラスが二人だ。緊張するなって言うのが無理。

 そして頭の中に幾つかの補助魔法スキルを思い浮かべ、いつでも発動できる準備だけは忘れない。いざという時は奥の手のスキルだって使うしかない。


 「タケル、意外にも敵の壁が厚いっす。たぶん、そこの回復魔法の使い手のせいっすね」


 「ご明察ね。私がちょくちょく回復して、常時回復のスキルを使ってるからね。HPがゼロになっても、ドットに変換されてる途中なら戦線に復帰させることができるわ」


 「・・・何て娘っす。しかも、剣技スキルも相当に鍛えてあるっすね?タケルならまず最初にアンタからやるっすからね。ライト君に邪魔されてたってセンもあるっすけど」


 「さぁ?案外、アンタが私のスキルを喰らえばわかるかも」


 「遠慮しとくっす。俺はどっちかと言うとMじゃなくてSなんっすよ」


 「激しくいらない情報ね」


 「全くだ」


 私とライトは目配せし、どうやって敵を倒すか模索する。

 でも、相手に隙が見当たらない。しかも、私は剣技スキルがあるとはいえ本職は回復と補助。たとえこっちにライトと言う神級ゴッド・クラスがいたとしても、英雄級ヒーロー・クラスに勝てる自信がない。しかも、この新米神様はヘタクソだし。

 まぁ、比べる対象が間違っているような気がしないでもないけどね。


 「では、行くっすよ!」


 その言葉とともにランスロットとアーサー王が同時にこっちへと駆けてくる。

 それを向かい打つべく、私は剣技スキルを発動させようとし、ライトはとりあえず二人を足止めするために魔法スキルを発動しようとする。


 「≪アクア・インパクト≫!」


 先に仕掛けてきたのはランスロット。水系の魔法スキルで私達に攻撃を加えようとする。

 でも、この程度なら・・・!


 「≪守護の陣≫!」


 私とライトの周りに結界が張られ、魔法スキルを遮断。こっちは全くのノーダメ。こんな魔法スキルで倒そうなんて、私を舐め過ぎね。


 「タケル!」


 「あぁ!」


 私が防御用スキルを使ったのを確認すると、ランスロットはアーサー王に一言だけ声をかける。すると、それだけで意味を察したアーサー王は素早く私達の横をすり抜けていく。


 「しまった、これが狙い・・・!」


 「よかったっす。君が回復と補助のハイレベルプレイヤーで」


 防御魔法系スキルを使っている時、その効果範囲内から出ることができない。効果範囲内から出たい時は、このスキルがやられるか、スキルの効果時間が終わったときだけ。

 ミスった・・・!


 「ライト、ファントムさんが危ないわ!」


 「分かってる!」


 そう言うと、私達は目の前のランスロットを無視してアーサー王を追いかけようとする。

 でも、さすがに相手もその気は全くないみたいだった。

 私達の進路上に水の魔法スキルが放たれ、足を止めざるを得ない。


 「行かせると思ってるっすか?」


 しゅっと『アロンダイト』を抜き、私達にその剣先を向ける。

 どうもこの人をやっつけない限り、アーサー王に追いつくことは難しそうだ。


 「ライト、行きなさい!」


 「だから、お前が行かないのかよ!?」


 そう言いつつもライトはランスロットに突撃していく。

 ランスロットはアーサー王と違い、魔法スキルを多用した戦法でライトに攻撃を加える。

 どうも、ランスロットは剣よりも魔法に重点を置いてるみたいだ。


 「そいつは、あのアーサー王よりは強くないわ!」


 「アンタのおかげで何とかなりそうだ!」


 そう言うと、ライトはクールタイムが切れて使用可能になった大槌系のスキルを連発する。地味に速い大槌スキルの発動にランスロットも戸惑いを隠せない。


 「アドバイス一つで、ここまでっすか!?」


 「これでも、神級ゴッド・クラスの回復と補助をしてんのよ!」


 私はダメ押しとばかりにランスロットに剣技スキルをかます。

 私が得意な剣技スキルのコンボで流れるような攻撃を繰り出す。本来このスキルは日本刀でするともっと素早く、流れるように動けるらしいけど、今のところ日本刀で回復魔法に補正がつくものがないのでこの『祈りの剣』で我慢している。

 ・・・今度、あいつに頼むしかない。


 「神級ゴッド・クラスとか、アンタ何者っすか!?それに回復使う上に、その剣技スキルっ!?」


 「そこだ!」


 ライトはスキルを発動させ、ランスロットを叩き潰す。

 たったの数発にも関らず、ここまでのダメージを与えられるのは、さすが神名持ちとでも言うか。まぁ、これでほんの少しだけ汚名は返上できたかしらね。


 「じゃぁ、今すぐあいつを追うわよ!」


 「補助はいいのかよ!?」


 「アンタ一人で勝てるならここに残るわよ!」


 ぐっと言葉に詰まったライトを引っ張り、私達はアーサー王のあとを追いかけた。



用語集

ミョルニル・ロキが『舌先三寸で作らせた』武器シリーズの一つ。ただ、ロキさんのお茶目な性格のおかげで柄が短くなってしまっている。


円卓騎士団・アーサー王に仕えた騎士達の総称。円卓を囲んで忠誠を誓ったので、この名前がついた。


ランスロット・円卓の騎士の一人。アーサー王の嫁と不倫し、円卓騎士団に解散のきっかけを与えた人物。また、彼は湖の妖精に育てられたため、『湖の騎士』とも呼ばれている。


アロンダイト・ランスロットの持つ剣の名前。刃こぼれしにくい剣であったといわれている。

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