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箱庭ゲーム  作者: 夜猫
音速の剣士とスレイプニル
12/52

クエスト11・スレイプニル

どうも、ココまで読んでくださってありがとうございます。

第二章も予定しておりますが、いつになるかわかりませんのでご了承ください。

では、一章の最終話をどうぞ。

Player-ミッド

 俺はカードを受け取ると、それを装備するために握りつぶす。

 するとカードが光の粒子になり、それが俺の右の人差し指に集まり、指輪の形になる。

 これは、師匠がふざけて『かそくそーち』とリネームしてしまったアレだ。

 俺は更にアイテムインベントリを開き、そこからいくつかの装備をカード化。

 出てきたそれをまとめて全部握りつぶして装備する。


 「・・・だから、何であれだけそんなところに行くんだよ!?」


 俺は軽くジャンプしてそれを取ると、帽子を被る。


 「じゃ、一丁やりますか!」


 そして、俺は駆け出した。

 相手を、狩るために。




Player-イース

 タマ二号は更に他の装備も付け替えるのか、アイテムインベントリを開いていくつかのカードを取り出す。そして、それを全部取り出して握りつぶした。

 カードは光の粒子になり、タマ二号の体に纏わりつく。背中には騎士がつけるようなマント、そして足には長靴のような靴。その姿はまるで・・・。


 「『長靴を履いた猫』?」


 「うん。そうそう、やっぱ、ミッド君はこっちの姿の方がいいよ~」


 先輩は今にもタマ二号に飛び掛りそうだ。

 タマ二号は、上を見ると悪態をつき、ジャンプして羽根つきの帽子を取り、目深に被る。

 すると、タマ二号は走りの構えを取る。

 そして、姿が消えた。

 一瞬、何が起こったのかわからなかった。

 でも、次の瞬間には、カイの死角から迫っていたプレイヤーが消失し、代わりにタマ二号の姿が。


 「お?お前のその格好、久しぶりだな!」


 「まぁ、する気もなかったし」


 「なら、売れよ」


 「・・・いや、俺は猫が好きだからさ」


 「趣味かよ!」


 すると、またタマ二号の姿が掻き消える。

 次の瞬間にはまたPKプレイヤーが消える。その繰り返し。

 明らかに、タマ二号が何かしているのは明白だった。


 「ま、さか、お前・・・!」


 「『八足の駿馬スレイプニル』!?」


 「領地争奪戦エリア・ウォーで、『戦争と死の神オーディン』の前を切り開く、あの!?」


 「・・・先輩、どういうことですか?」


 「そうか、イースちゃんはわりと最近になって入ったから知らないんだね」


 「・・・私は、一年ぐらい前に入りました」


 「いやぁ、ウチじゃだいぶ新人だよ、それは。何せ、ミッド君と私は『戦争と死の神オーディン』がいた最初の頃からいるからね」


 「・・・すみません、それ、どういう意味ですか?」


 「聞きようによっては、あのダメネコが元は『守護神ガーディアン』だったって聞こえるんですけど?」


 私にもそう聞こえる。


 「だって、『戦争と死の神オーディン』の愛馬は『八足の駿馬スレイプニル』。コレは有名な話。でも、残念な事に『戦争と死の神オーディン』には『八足の駿馬スレイプニル』の召喚スキルが無い」


 「それが、どうしたんですか?」


 「だから、『八足の駿馬スレイプニル』を作ったんだよ」


 「作っ、た?」


 意味がわからない。


 「そ。それに、『八足の駿馬スレイプニル』は八本足の馬。俺の手と足を合わせても四本。じゃぁ、残りの四本はどこにあるのかな?・・・あるいは、誰だと・・・思う?」


 先輩は、ものすごく楽しそうにそう言う。


 「そして、当時最強を誇っていた二人の『八足の駿馬スレイプニル』が敵を切り崩し、『戦争と死の神オーディン』の道を造る。つまり、このゲームでの『八足の駿馬スレイプニル』、つまり俺達の役割は領地争奪戦エリア・ウォーでの切り込み隊長的な役目だったんだよ。じゃぁ、そんな多くの敵相手に生き残るために、俺達は何をしたと思う?」


 普通に考えれば、タンクとしての役割。

 要するにDEFを強化したはず。でも、ココで重要なのは『八足の駿馬スレイプニル』。

 『戦争と死の神オーディン』の愛馬はどんなものよりも早く、空をも駆けたという逸話を持つ。

 つまり・・・。


 「SPDの強化。誰も追いつけないスピードで敵をかく乱。それに、諸事情で『戦争と死の神オーディン』のスキルも避けなくちゃいけなかったからね」


 「・・・なるほど、納得できました。特に最後の部分」


 「要するに、ミッドが二人目の・・・・八足の駿馬スレイプニル』だって言うの!?あの、ヘタレが!?」


 「・・・まぁ、にわかには信じられないかもだけど。でも、一つだけ言っとくと、ミッド君は俺よりも『八足の駿馬スレイプニルらしい・・・よ」


 そう言うと、ニコニコと微笑みながら言う先輩。


 「でも、ミッドには≪リスタ・ソニック≫以外のスキルが無いんですよ?」


 「そ、そういえば・・・。確かに、敵の霍乱には向いているかも知れませんけど、倒すことはできないんじゃ?」


 「それも大丈夫。・・・と言うか、みんな、聞いてないの?」


 ・・・何を?と、私達の頭の上にハテナマークが浮かぶ。


 「ミッド君、≪リスタ・ソニック≫を見せた相手になら言うのにな・・・、おかしいな?ま、とにかく、ミッド君には取って置きのスキルがもう一つある」


 「取って置き?」


 「Gスキル」


 先輩は一言だけ、そういう。

 でも・・・。


 「ミッドさん、神器持っているんですか?」


 「ううん。持ってないよ。それに、ミッド君のGスキルも私と『戦争と死の神オーディン』がそう言ってるだけだし。だから、本当はGスキルじゃないのかも」


 さっきから言ってる意味がわからない。


 「まぁ、わかるよ。それに・・・どうせすぐに決着はつく」


 そういう先輩の目線の先、そこにはクリフと『長靴を履いた猫』、つまりはタマ二号の姿があった。




Player-ミッド

 久しぶりだ、この感覚。

 自分だけが時間を外れた感覚。

 周りの景色がスローになって、俺だけがその中を普通に駆け巡る。

 それができるのもこいつのおかげだ。

 『かそくそーち』、正式な名前が『スレイプニルの指輪』。これは、俺が師匠と後の『戦争と死の神オーディン』で一緒にモンスターを狩っていたときにゲットしたアイテムだ。

 俺は自分のスキル、≪リスタ・ソニック≫をもう少しでカンストするってところで、二人にはそれの手伝いを頼んでいた。そして、その当時俺はあるスキルを取得していた。

 そして、それは起こった。本当に偶然だった。

 俺達がダンジョンの森を探索していると、突然目の前から八本足の馬が現れた。

 俺は神話がわりと好きで、そいつのことも一目見ただけでわかった。

 『八足の駿馬スレイプニル』、俺はそのモンスターに魅せられてしまった。

 まぁ、初めて会った、実際に神話に出てくるのがこいつだったって言うのもある。

 その時、俺は必死にコイツを攻撃しないでくれと二人に頼み込んだ。

 なんか、せっかく初めての遭遇に、狩ってハイ終了はないだろうと思ったからだけなんだけど。

 すると、その時『八足の駿馬スレイプニル』は俺の頭をぽんと叩く。

 俺は驚いて『八足の駿馬スレイプニル』を見ると、そいつが光ってアイテムになった。それが『スレイプニルの指輪』。

 こうして、コイツは俺のものになった。

 コイツの効果は至極簡単。SPDを二倍にし、Pスキル『思考加速』を付与するというもの。『思考加速』は今の俺のように一時的に体感速度を変更させるスキル。もはや、スピードを追求するためにする装備だ。

 だが、俺にとっては・・・最強の装備だ。

 俺はクリフの後ろから強襲。

 どういう反射神経をしているのか、相手は紙一重で避ける。


 「ふざけてるな」


 「どっちが、だ・・・!」


 「どうする?降参するなら今のうちだ。残念な事に、今の俺には本気しか出せない」


 「何が、本気だ。『音速の剣士』の癖に!」


 「ま、そんなただの猫妖精ケットシーにアンタは負けるんだよ!」


 HPバーはいつの間にか回復されている。

 たぶん、俺が急いで後ろに戻った時に『アレ』を見て回復したんだろう。

 まずは、一撃!

 俺はスキルを発動させる。

 ≪リスタ・ソニック≫!

 俺のダガーが四回連続で攻撃。全部を首に叩き込み、相手のHPをまた五分の一ほど削る。それを見た相手は思い切り剣を振って俺を牽制。だが、そんな大振りな攻撃は俺には無意味だ。

 俺はタイミングを見計らって更に踏み込む。俺は再びスキルを叩き込もうとする。

 それにクリフはぎょっとした表情になり、すぐに後ろに跳ぶ。

 その直後に俺のスキルが発動。さっきまで首のあった位置に攻撃のエフェクトがちる。


 「何だ、クールタイムが無いのか!?」


 「初期スキルで、コイツにはほとんどクールタイムが無いんだよ」


 三秒。それが≪リスタ・ソニック≫のクールタイム。

 俺にとって終わった瞬間にコレを使うのは慣れている。このスキルしか使ってないからな。


 「なら、コレでどうだ!」


 そう言うと、相手の武器が光り、次の瞬間には剣が二つ。

 このゲームにある双剣か。


 「なるほど、阿修羅は六つの腕に三つの顔を持つ。阿修羅の基本スキルが『換装』ってわけだ」


 「この双剣スキルなら、お前にだって・・・!」


 「奇遇だな」


 そう言うと、俺は一枚のカードを取り出す。

 そしてそれを握りつぶす。

 そこに現れたのは、メリケンサックのようなものに、刃がついた武器。

 『カタール』。正確にはジャマダハルと言う武器らしい。これが両手用の武器で、俺のメインウェポン。


 「俺も、二刀流なんだ」


 「・・・舐めているのか、スキルもなしに、俺を倒すって・・・!」


 「知ってるか?≪リスタ・ソニック≫、コレが俺の使う噂の初期スキル。で、この初期スキルは汎用型接近戦専用スキルなんだ」


 「な、何がいいたい・・・!」


 「簡単に言うと、≪リスタ・ソニック≫は近接武器なら大抵使える!」


 そして、俺はクリフに突撃。

 クリフは慣れていないのか、四苦八苦しながら剣を振るう。

 俺はそんな隙だらけの攻撃にスキルを叩き込む。

 ≪リスタ・ソニック≫が発動し、高速八回攻撃・・・・・・が相手に炸裂。

 相手のHPがまたぐんと減る。


 「どう、いうことだ!?」


 「単純計算。武器の数が二つになった、だから攻撃も二倍」


 相手のダメージは五分の二と少しを削った。

 それに相手は急いで回復アイテムのカードを握りつぶす。

 すると、HPバーが五分の一と少しだけ回復した。

 のこりHPが五分の三と少し。


 「く、くらえ!」


 相手が何かのスキルを発動。

 剣が紅蓮の炎に包まれ、俺に怒涛の連続攻撃を仕掛ける。

 俺はそれを体をひねり、かわす。


 「どうだ!手も、足も出ないだろ!」


 「・・・」


 「声も、出せないぐらいに余裕が無いのか!」


 「・・・これは、たかがゲームだ」


 「そ、それがどうした!」


 「でもな、今はこのゲームから俺たちは出れない。ある意味では、ココは俺たちにとってもう一つの『現実リアル』何だよ!それが、俺は関係ない?何いってんだよ、ゲームは楽しむものなんだよ。お前みたいなのに、この世界ゲームをぶっ壊されてたまるかよ!」


 そして、俺はすべての攻撃を避けきる。

 相手は俺のHPバーがまったく減ってない事に驚き、距離をとろうとする。


 「させるか!」


 俺は、相手に更に接近。

 ゼロ距離ならぬ、最早マイナスの位置。


 「お前には、俺の最強のスキルで、沈めてやる・・・」


 「≪リスタ・ソニック≫じゃ、俺のHPは削りきれないぞ!」


 そんなの、俺が一番よくわかっている。

 ・・・けどさぁ。


 「お前、『アレ』を見たんだろ?」


 「!?」


 「だから、お前を八つ裂きにしてやるよ。この武器と、俺の最強スキルで」


 このスキルは特殊だ。別に、Gスキルでもないのに、スキル名を答えなくちゃいけない。


 「・・・≪スレイプニル≫!」


 ≪リスタ・ソニック≫の派生スキル、EXスキル≪スレイプニル≫。

 汎用型近接戦闘専用スキル。コレは俺が≪リスタ・ソニック≫を熟練度を八〇〇まで上げてやっと出てきた。このスキルの特徴は、威力は自分のSPDに依存されるということ。

 スキルのアシストに身を任せ、俺の体が更に加速する。自分で走ってもここまでのスピードをだすことは不可能だろう。そして加速した俺は、その両手に握った爪をもってクリフを八つ裂きにする。

 後ろに逃げようとバックステップを踏むが、それはもはや何の意味も持たない。両手は光をも凌駕するんじゃないかと錯覚するほどに素早く動く。そのすべてが急所を狙い、強制クリティカルを発生させる。このスキルのスピードに翻弄されないのも、このスキルを使い続けてきたおかげだ。しかも、このスキルは≪リスタ・ソニック≫の影響を受けているのか、攻撃回数も二倍になっている。

 合計、十六回。超高速の十六連続攻撃スキル。本来は八回攻撃のスキルがえげつない攻撃力を生み出した。

 たぶん、俺がこのゲームで一番攻撃回数の多いスキルを持っていると思う。

 そして、相手は驚愕の表情を張り付かせたまま、ドットに変換され、『地獄逝き』になった。






 「はぁ、なんか、平和っていいよな」


 「だな」


 俺とカイはいつものようにナゴヤの広場ベンチで日向ぼっこの最中。

 あのPK集団事件から数日。

 いろいろとあったけど今は平和を取り戻した。

 いや、イースが『戦争と死の神オーディン』に連絡して、しかも俺の名前出したもんだから速攻で逃げた。

 だって、面倒なこといやじゃん?

 ハイパーブースト的なものを手に入れた、というか取り戻した俺に追いつけるヤツは誰もいなかった。


 「でも、結局それはもらったんだな」


 カイは俺の右の人差し指で光る指輪を見て言う。


 「・・・まぁ、元々は俺のだし?」


 「・・・そうか、久しぶりにお前とできると思ったのになぁ」


 「イヤだよ。カイの相手は面倒すぎる」


 なまじ、カイの攻撃を避ける・・・ということができるのが俺だけに。

 カイは俺の返答に笑う。

 勝手にしてろ。

 絶対に今度≪リスタ・ソニック≫で三枚におろしてから≪スレイプニル≫で八つ裂きにしてやる。


 「あ、あんた達こんなところにいたの?」


 「だって、ロゼが集合場所も書かずにショートメール送ったからだろ?」


 「う・・・」


 「まぁ、返信しなかった俺達も悪いって。じゃ、行くか」


 「おう。で、どこにあるんだ?」


 「こっちよ」


 俺達は先頭をあるくロゼについて行く。

 そして、それは広場からそう遠くない場所にあった。

 いや、むしろかなり目立っている。

 ・・・こんな良いところがあったのか。

 俺達はその建物に入っていくと、そこにはつい最近で見慣れている姿。


 「あ、皆さん!いらっしゃいませ!」


 「おう!で、景気はどう、ミサ?」


 ミサが、エプロンを装備して建物の中に立っていた。

 そう、今回の一件で『守護神ガーディアン』から報酬をくれたらしい。

 それでおそらくは『戦争と死の神オーディン』が適当にあの腹黒『伊邪那美イザナミ』にでも言ったんだろう。あの腹黒女は『伊邪那岐イザナギ』を篭絡すれば簡単に説得・・できる。


 「で、俺に恩を売ったつもりか」


 「どうしたの?」


 「いや、なんでもない。で、俺達はまだ聞いてないんだけどさ、ココって何屋?」


 「あ、はい。喫茶店にしました!」


 そう言うと、ミサはカードを取り出して俺達に見せる。

 『ITEM』と上に書かれ、真ん中あたりに『看板』と書かれている。


 「私、皆さんが来てから出そうと思って!」


 「よし、店の名前もわからないんじゃ、ココにこれないしな」


 そう言うと、俺達は一旦外に出る。

 そこでミサは両手で包み込むようにしてカードを握りつぶす。

 すると、カードから光が放たれ、店の上に大きな板のようなものができる。

 そして、光が収まると、そこには『喫茶・ひだまり』と書かれていた。


 「ん、いいんじゃないか?」


 「のんびりできそうで、いいと思うわ」


 「俺も、こういうのは好きだな」


 「ありがとうございます!」


 「お?やってるね~」


 後から声をかけられてみてみると、そこには師匠とイース、そしてタマ。

 俺はイースの姿を見た瞬間に逃げようとするが、横にいたロゼに襟元を掴まれて逃げられなくなる。


 「ロゼ、言いたいことはわかる、でも、俺の命とかその他もろもろの貞操とかも危険にさらされているんだ、マジで、俺どうすればいい・・・!?」


 「・・・死ねば良いと思うわ」


 死刑か。

 ・・・いや、それって意味無くない?

 やっぱり、ココはミサに悪いけど逃げるしかと考えていると、俺はイースに手を掴まれた。

 ・・・俺の人生、オワタ!?


 「・・・お願い、話を聞いて」


 「・・・できれば、俺の人生以外に」


 「・・・・・・何のこと?」


 ・・・あれ?


 「・・・私、貴方を調教するのやめる」


 「・・・いや、しないでよ」


 「・・・だから、しない」


 ・・・あれ?


 「・・・何で?」


 「・・・必要が、なくなったから」


 「・・・師匠、どういう意味でしょうか?俺には嫌な予感しかしないです」


 「・・・いや、俺もわかんない。一応、『戦争と死の神オーディン』はしぶしぶだけど放置の方向にしてくれるって」


 「お前、風邪でも引いてないか?」


 俺は若干心配になり、イースの額に手を当てる。

 ・・・平熱、か?

 相変わらず、ポーカーフェイスを崩さない。


 「・・・でも、追いかける」


 「何故に!?」


 そこは、それもやめる雰囲気じゃないのか!?

 俺は心の中で盛大に突っ込む。


 「・・・お願い、一つ聞いてもらう」


 「・・・ちなみに、何?」


 「・・・・・・・・・・・・・・・秘密?」


 こえぇ!?

 何されんの!?

 言えないようなこと!?


 「・・・でも、今日はいい」


 そう言うと、イースはミサの方を向き、今日のお勧めは?と店のことを聞き始める。

 ミサはイースに丁寧に対応しながらも結構フレンドリーな感じで話してくれる。

 まぁ、他人行儀にされても俺達は困るだけだし。


 「じゃ、皆さんこちらにどうぞ!」


 そう言われて俺達はミサの喫茶店に入っていった。

 後に、ミサの気さくな、それでいて健気な働きで『喫茶・ひだまり』は有名になっていった。



用語集

双剣・二振りの剣の装備。あくまで両手武器扱いで、剣を二本装備するのではない。


カタール・剣の持つ所、柄の部分がつばに垂直で、手に持つと拳の先に刃がくる。

正式な名前は『ジャマダハル』


EXスキル・ある条件下でしか習得することのできないスキル。Gスキルほどではないが、強力なものが多い。

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