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八百屋王女、なんの冗談ですか?ーー行方不明のパパが国王でした⁉  作者: 夢窓(ゆめまど)


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9/32

カテイ王妃教育始まる

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


革命後の王家が、まだ全然落ち着いていないところから始まります。

王家のゴタゴタが、なぜか八百屋に飛び火します。


これから少しずつ面白くなる予定です。

ゆるっとお付き合いいただけたら嬉しいです。


今年もよろしくお願いします。

王宮の一室。

白と金で統一された気品あふれる空間に、

異質なオーラをまとった八百屋の女がぽつんと立っている。


カテイ

「……なんか、この部屋、息苦しくない?」


侍女

「カ、カテイ様。深呼吸を……」


そこへ、王妃教育担当の“鉄の女”と名高い老女教師が現れた。


マダム・グレンダ

「あなたが、王妃予定者のカテイ様ですね?」


カテイ

「予定者じゃなくて“仮”だよ。“仮”!」


グレンダ

「まずは姿勢から直しましょう。背筋を伸ばし――」


カテイ

「八百屋でそれやったら腰痛めるよ!」


グレンダ

「ここは八百屋ではありません!!」


カテイ

「知ってるわ!!」


グレンダ

「言葉遣いもです。“知ってるわ”ではなく

 “存じておりますわ”です」


カテイ

「ぞんじ……なんだって?」


グレンダ

「“存じておりますわ”!」


カテイ

「存じ……そんじ……そんじ……

 そんじられないわ!!」


侍女(震え)

「王妃教育……先が長い……!」




◆ 食事作法の地獄


グレンダ

「まずはスープをいただくとき、音を立ててはいけません」


カテイ

「立ててないよ。八百屋は味見のとき“ズズッ”って言うけど」


グレンダ

「その“ズズッ”がダメです!!」


カテイ

「じゃあどう飲めばいいのさ!」


グレンダ

「……そっと、です!!」


カテイはそっと飲もうとするが――


ビチャッ(床にこぼれる)


侍女

「あああああ!!」


カテイ

「無理だよぉぉぉ! スープが逃げるんだよぉ!!」




◆ グレンダ、王妃教育開始1時間で頭痛


グレンダ

「書類の読み方を教えます。まず、この報告書を――」


カテイ

「読めない漢字は飛ばしちゃだめ?」


グレンダ

「ダメです!! 王妃が飛ばしてはいけません!!」


カテイ

「八百屋の伝票は数字と野菜の名前しかないよ!

 それで十分生きてきたよ!!」


グレンダ

「ここは王宮です!!」


カテイ

「知ってるよぉぉぉ!!」


王妃教育の部屋は、初日から地獄と化した。


昼休み:母娘そろって愚痴大会


カテイ

「グレンダがね、言葉遣いがどうとか、姿勢がどうとか……

 あたしゃ疲れたよ……」


ビック

「こっちもだよ……『麗しゅう』って言えないし……

 歩くの遅くすると逆に転びそうになるし……」


カテイ

「母ちゃん、王妃向いてないよ」


ビック

「私も王女向いてないよ」


二人

「「八百屋に帰りたい!!」」


カール(ほほえむ)

「……家族って似るものですね」


国王

「(二人ともかわいい……しかし難題だ……)」


側近

「陛下。母娘そろって“辞退希望”が出ていますが?」


国王

「……私がなんとかする」


側近

「どうやってですか!?」


国王

「愛だ」


側近

「無理です!!」


国王、八百屋式王妃教育を提案する(カオス開幕)


王妃教育が始まって三日目。


カテイ

「……腰痛めた……」


ビック

「私の“麗しゅう”も壊滅……」


侍女

「お二人とも顔色が……」


そこへ国王が急ぎ足でやってきた。


国王

「カテイ。もういい、やめだやめ!」


カテイ

「え? 何が?」


国王

「お前が、こんなに苦しむ必要はない。

 王妃教育など、八百屋に合わせればよいのだ!」


側近

「は???」


侍女

「陛下、王妃教育を八百屋に!?!?」


ビック

「それ、ただの母ちゃんじゃん!」


国王は真剣そのもので言った。




◆ 国王の“八百屋式王妃教育”案


国王

「例えば……

 八百屋の接客をしていたカテイなら、

 “王妃としての社交”もできるだろう?」


カテイ

「いやいやいやいや! 全然違うよ!?」


国王

「王妃としての計算も、

 売上計算みたいなものだろう?」


カテイ

「王家の予算を“八百屋のレジ感覚”でやる気なのかい!?」


国王

「できると信じている」


側近

「信じる問題ではありません!!!」



国王、ふと気づく(しんみりパート)


国王はふと、カテイの手を見つめた。


国王(心の声)

(10年前は、確かに彼女は貴族令嬢だった。

 作法も、言葉遣いも、どれも完璧だった。

 なのに――

 なぜ、ここまで退化したのだ……?)


じんわりと胸に痛みが広がる。


国王

「……カテイ。

 もしかして……

 私が、お前を苦労させたからか?」


カテイはふっと目を伏せた。




◆ カテイの胸の奥の言葉


カテイ

「陛下。

 忘れなければ、生きていけなかったのです」


国王

「……」


カテイ

「あんたが投獄されて、いつ戻るかわからなかった。

 娘を育てながら、家を守らなきゃいけなかった。

 “令嬢のまま”じゃ、生き残れなかった」


ビック

「母ちゃん……」


カテイは笑った。


カテイ

「だからね、

 もう令嬢の癖なんて残ってないよ。

 八百屋の母ちゃんの方が、ずっと強いんだわ」


国王は目を伏せ、震える声で言った。


国王

「……私の妻になるのが……そんなに嫌か?」


カテイ

「え?」


国王

「私は……お前だけなんだ。

 十年、ずっと……

 お前のことを……」


側近・侍女(泣きそう)

「陛下……」


ビック(感動しつつも)

「父ちゃん……」


カテイは優しく微笑んだ。


カテイ

「陛下。

 牢屋の中で浮気できなかっただけでは?」


国王

「ああああああああああぁぁぁ!!?」


側近

「オブラートという言葉をご存じですかカテイ様!!?」


ビック

「母ちゃん辛辣!!」


カテイ

「事実だろ?

 “お前だけだ”って言われてもさ、

 選択肢なかったじゃん?」


国王

「ち、違う!! 本当に好きだったのだ!!」


カテイ

「(さすがに照れる)

 ……あんたのそういう不器用なとこ、嫌いじゃないけどね」


国王

「!!」


ビック

「父ちゃんの顔、ゆでだこみたいになってる!」


側近

「本当に大変な夫婦が誕生しようとしている……!」



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