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八百屋王女、なんの冗談ですか?ーー行方不明のパパが国王でした⁉  作者: 夢窓(ゆめまど)


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カールの自己紹介と、兄ができた。

カテイとビックの土下座がようやく収まり、

空気が落ち着いた……かに見えたその時。


カールは胸に手を当てて、一礼した。


カール

「申し遅れました。私はカール。

 陛下の……息子にして、

 ビック様の――腹違いの兄でございます」


大広間が凍った。


カテイ

「……はい?」


ビック

「……はい?」


ふたりの声が一致した。




◆ ビックの脳が処理を拒否する


ビック

「ちょ、ちょっと待って!?

 兄!? 私に兄!? いつ産んだの!? 母ちゃん!!」


カテイ

「産んでないよ!? 私じゃないよ!?

 なんで私が責められてんの!?」


カールは手をひらひら振って説明する。


カール

「違います違います。

 私の母は別の国の方で……故人です。

 つまり――ビック様と私は、

 “父親だけ同じ”兄妹なのです」


ビック

「腹違い兄!? 急に兄できた!!?

 私、今日情報量多すぎない!?!?」


カテイ

「そりゃ、十年隠れてた親父のせいだろうよ……」


国王は軽く咳払いして言った。


国王

「カールは幼い頃、母親を失い、

 その後すぐに革命で私と共に投獄された。

 十年……苦労をかけた」


カールはにこりと笑い、ビックに向き直る。




◆ カール、優しい兄キャラを発動


カール

「ビック様。

 私は、不束者ですが……あなたの兄です。

 どうぞよろしくお願いします」


ビック

「兄が……王子……??

 なんでそんな丁寧なの……??

 でも優しそう……

 いや優しくないと困る……

 頭こんがらがる!!!!」


カテイ

「ビック、落ち着きな。

 八百屋帰ったら整理しよう」




◆ カールの“家族としての告白”


カールはふっと目を細め、

父とビックを見比べて言った。


カール

「私は……家族というものを、

 十年ずっと欲しかったのです。

 父と牢に入って……

 戻ったら国は変わり、

 私は王子でもただの囚人上がり……」


国王は苦しくなる顔で目を伏せる。


カールは続けた。


カール

「ですが。

 あなた(ビック様)がいると知って、

 “帰る場所”ができた気がしました」


ビック

「……兄ちゃん……」


カールは微笑んだ。


カール

「ビック“妹”。

 血のつながった家族ができて、私は本当に嬉しい」


ビックは目を潤ませた。


カテイ

「……あんた、いい子だねぇ……」


国王

「……わかるぞ、カテイ。

 今の言葉で、私も胸がきゅっとした」


カテイ

「べつに、あんたじゃないよ!」




◆ しんみりした瞬間を壊すビック


ビック

「兄ちゃん、腹違いって言ったけど……

 その……家族ごっこじゃなく、本物?」


カール

「ええ、本物です」


ビック

「じゃあ……あれやってみたい!

 兄妹の“なでなで”!!」甘えるように、くねくねする。


カール

「え?」


国王

「おい」


カテイ

「どこで覚えたそんなの!!?」


ビック

「兄ちゃん、なでて!!」満面の笑顔、


カール

「……よろこんで」優しい微笑み。


カールがそっと頭をなでると、

ビックはしあわせそうに笑った。


国王

「(私も……したい……)」


側近

「陛下、順番というものがあります!!」


国王、娘ビックに“父として嫉妬”する


王宮の中庭。

ビックとカールは楽しそうにしゃがみこみ、

落ちていた小枝や花びらを集めて遊んでいる。


カール

「見てくださいビック様。

 この花びら、ハート型なんですよ」


ビック

「ほんとだ! 兄ちゃんすごい目してるね!」大はしゃぎ!


カール

「妹を喜ばせるのは兄の務めですから」


ビック

「兄ちゃん、かっこよ!!」


二人の会話はもう“家族”そのもの。


そこへ――


少し離れた場所から、じぃぃぃぃ……っと見つめる視線。


もちろん国王アルバートである。


腕組みしているが、明らかに不機嫌。


国王(めちゃくちゃ小声)

「……なんでだ?」


側近

「陛下? なにが“なんで”なのでしょう」


国王

「なんでカールとは、会ってすぐ仲良くなるんだ?」


側近

「……え?」


国王は眉間にしわを寄せ、真剣そのもの。


国王

「私とは、まだ“父ちゃん”と呼ばれたことがないのに……

 カールとは初日に『兄ちゃん』だ……?」


側近

「…………(あ、これは拗ねてる)」




◆ 国王、嫉妬心が隠せない


国王は耐えきれず、ビックたちのところへ歩いていく。


国王

「ビック」


ビック

「ん? 父ちゃんどうしたの?」


国王

「(父ちゃんって言った!!)

 いや、その……お前たちは仲が良いな」


ビック

「兄ちゃん、やさしいし!

 私、兄妹って憧れてたんだ」


国王

「…………(私も……娘と……仲良くしたい……)」


ビックは首をかしげる。


ビック

「父ちゃん、なんか顔こわいよ?」


カテイ(遠くでクッションを抱えながら)

「ただの嫉妬だよ!!」


国王

「か、カテイ! 言うな!!」




◆ カール、空気を読む兄ムーブ


カールは微笑んで、国王に言う。


カール

「陛下。ビック様は懐くのが早いのです。

 陛下にもすぐ……いや、もう懐いておられますよ」


国王

「本当か?」


ビック

「うん。本当だよ。

 私、父ちゃんが迎えに来てくれたの、嬉しかったよ?」


国王

「!!」


父としての心が爆発する。


国王

「ビック……!」


ビック

「でも、兄ちゃんは兄ちゃんで最高なんだよ!」


国王

「そこが引っかかるんだ!!」


ビック

「めんどくさい父ちゃんだなぁ!!」


カテイ

「昔からだよ!!」


カールはにこにこ。


側近

「はぁ……平和ですね……(仕事増えるけど)」




◆ 最後にビックがフォロー


ビックは国王の袖をくいっと引っぱる。


ビック

「じゃあ父ちゃんも……“なでなで”していいよ?」


国王

「!!!!

 よいのか……!?

 いや、しかし……どうやって……?」


カテイ

「娘の頭くらい自然になでなよ! 王なんだから堂々としな!」


国王は震える手で、

おそるおそるビックの頭に手を置く。


ビック

「わー、ぎこちないけど嬉しい!」


国王

「む、難しいな……! カール! なぜお前は自然にできるのだ!?」


カール

「兄の才能です」


国王

「腹立つ!!」


ビック

「めんどくさい父ちゃん、大好きだよ!」


国王はその場で固まり、

顔が真っ赤になるのだった。


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