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八百屋王女、なんの冗談ですか?ーー行方不明のパパが国王でした⁉  作者: 夢窓(ゆめまど)


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りんご地獄の撮影会

夏休みも終わりに近づき――りんご地獄の撮影会


次のレシピ本、テーマは、りんご

夏休みも終わりに近づいたある日。

カールが、またもや呼び出しをかけてきた。


「ビック! 次のレシピ本だ!」

「……また?」

ビクトリアは、嫌な予感がした。


「次のテーマは、りんごだ!」

「りんご?」

ビクトリアの目が、キラリと光った。

「りんごなら、大好き!」

「おお! いい反応だ!」

カールが、満足そうに頷いた。


「丸かじりする?」

「大喜び!」

ビクトリアは、本気で嬉しそうだった。


ランディが、ぼそりと呟いた。

「……また、ごてごてのイメージが入るんでしょうね」


「当たり前だろ」

カールは、あっさりと答えた。



ごてごてのイメージ


カールとノンナが、資料を広げた。

「まず、薔薇のようにくるくる巻いたりんご」


「おお」

「赤いイメージに、レース!」

「……レース?」

「そして――」

ノンナが、嬉しそうに続けた。


「りんごを挟んで、りんごにキスするビクトリア様とランディ様!」


「は!?」

ビクトリアとランディが、同時に叫んだ。

「私と、ランディが!?」

「りんごにキス!?」

「はい!」

ノンナは、にっこりと笑った。


ビクトリアは、顔を真っ赤にした。

「うわわわわわー恥ずかしいわ!」


ランディも、困惑した顔をしている。

「……それ、本当にやるんですか?」


「当たり前だろ」

カールは、涼しい顔で答えた。


りんご尽くしのメニュー

カールは、さらに続けた。

「メニューは――」

∙アップルパイ

∙アップルジャム

∙ピンクのイチゴとアップルのパフェ

∙アップルクランブル

∙りんごのワイン

「りんご、りんご、りんご……」

ビクトリアは、呆れた顔をした。

「普通に食べた方が、美味しくない?」


ランディが、慌てて言った。

「それ、ここで言います?」


「言わないよ」

ビクトリアは、むくれた。

「そこまで、空気読まないわけじゃないし」


カールが、ニヤリと笑った。

「分かってるなら、いいんだ」


ピンクのイチゴ

ノンナが、嬉しそうに言った。

「あ、そうそう! カール様、イチゴの改良もしてるんです!」


「改良?」


「はい! ピンクのイチゴを開発したんです!」


「ピンクのイチゴ!?」

ビクトリアが、目を丸くした。

「すごいね、にいちゃん」


「だろ?」

カールは、胸を張った。

「これで、パフェも映えるんだ」

「……商魂逞しいね」

「当たり前だろ」


撮影開始――森少女風

撮影当日。

ビクトリアは、森少女風のドレスを着ていた。

赤い唇、白い肌、そして――

木の上に座って、りんごを持っている。


ランディは、その木に物憂げにもたれかかっている。


完全に、作られた世界である。

カメラマンが、指示を出す。

「はい、ビクトリア様、もう少し笑顔で!」

「こう?」

「いいですね! ランディ様、もう少し憂いを!」

「……憂い?」

「そうです!」

ランディは、真顔になった。


その時――

「痛っ!」

ビクトリアが、急に叫んだ。

「どうした!?」

「ランディ、蚊に刺された!」

「私もです」

ランディが、腕を見せた。

「噛まれた跡、見てください」


「かゆいよ!」

ビクトリアが、腕を掻き始めた。


カールが、叫んだ。

「ビクトリア、動くな!!」

「でも、かゆいもん!」

「我慢しろ!」

「にいちゃん、鬼すぎる……」

ビクトリアは、泣きそうになった。


りんごにキスするシーン


次のシーン。

ビクトリアとランディが、りんごを挟んで向かい合っている。


「はい、りんごにキスしてください!」

「…………」

二人は、固まった。

「早く!」

「……やるんですか?」

「当たり前だろ!」

ビクトリアは、顔を真っ赤にして――

りんごにキスした。


ランディも、反対側から――

りんごにキスした。

カシャ。

「完璧!」

カメラマンが、満足そうに頷いた。

ビクトリアとランディは――

顔を真っ赤にして、固まっていた。


なんだかんだで、撮影終了

撮影が終わり、二人は椅子に座った。

ビクトリアが、ぐったりしている。

「疲れた……」

「お疲れ様です」

ランディも、同じようにぐったりしている。


カールが、満足そうに言った。

「完璧だ!」

「そう?」

「ああ。イチゴの次は、りんごか」

「商魂逞しいね、にいちゃん」

「当たり前だろ」

カールは、自信満々に答えた。


ノンナが、嬉しそうに言った。

「次は、何にしましょうか?」

「次!?」

ビクトリアとランディが、同時に叫んだ。

「当たり前だろ。ビジネスは儲かっているなら、続けるんだ」

カールは、涼しい顔で答えた。


3日後――夏休み終了

なんやかんやで、第二弾の撮影を終えて――

3日後。

夏休みが終了し、ビクトリアたちは留学先に帰ることになった。

「じゃあ、にいちゃん、また」

「ああ。頑張れよ」

「うん」

ビクトリアは、笑顔で手を振った。

ランディも、礼をして馬車に乗り込んだ。

カールとノンナが、手を振っている。

「ビック、次も頼むぞ!」

「次!?」

ビクトリアが、叫んだ。

だが、馬車はすでに動き出していた。


馬車の中


馬車の中で、ビクトリアは大きく伸びをした。

「ふう……疲れた」

「お疲れ様でした」

マリカが、紅茶を淹れる。

ランディは、窓の外を見ながら呟いた。

「……りんごにキス、恥ずかしかったですね」

「言わないで!」

ビクトリアが、顔を真っ赤にした。


ハリスが、ニヤニヤしながら言った。

「お前ら、いいもん撮ったな」

「うるさい」

ランディが、冷たく答えた。

マリカが、くすりと笑った。

「でも、素敵な写真になると思いますよ」

「……そうかな」

ビクトリアは、少しだけ照れくさそうに笑った。


アルデバインへ

馬車は、ゆっくりとアルデバインへ向かう。

ビクトリアは、窓の外を見ながら呟いた。

「また、アルデバインか」

「はい」

「楽しみだね」

「そうですね」

ランディも、静かに笑った。

四人は、静かに笑い合った。


結論

夏休みが終わり――

りんごのレシピ本が完成する予定である。

ビクトリアのイメージは――

完全に、りんご好きになる。


カールは――

次のブランド展開を、すでに企画中である。

そして、本人たちは――

平和に留学先へ向かっていた。


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