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八百屋王女、なんの冗談ですか?ーー行方不明のパパが国王でした⁉  作者: 夢窓(ゆめまど)


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ビクトリアの耽美世界

マリカの特技――虚飾のレシピ本大作戦

マリカのプロポーションと特技


マリカは、プロポーションの決まった美少女である。

くびれもあるし、スタイルも良い。

そして、彼女には特技があった。

食べたものの復元――いわゆる、レシピ作りだ。


王宮には、珍しい食材や料理が集まる。マリカは、それを一口食べただけで材料と作り方を見抜き、自分で復元してしまう。

「これ、美味しいですね」

「マリカ、また復元するのか?」

「はい」

彼女の部屋には、手作りの料理本が山積みになっていた。

ハリスとデートでスイーツショップに行ったり、料理長と研究したり――

かなり熱心である。


レシピ本出版の提案

ある日、カールから手紙が届いた。

『マリカのレシピ本、出版しないか?』

ビクトリアが、手紙を読んで首を傾げた。

「レシピ本?」

「はい。でも――」


カールの手紙には、こう続いていた。

『ビクトリア王女のレシピ本ってどうかな』

『つまり、ビクトリア王女のお好みのお菓子や食事のレシピ本』


ビクトリアは、きょとんとした。

「はっ? 私のお好み?」


「焼き芋に、玉ねぎスープだけど?」


ランディが、即座にツッコんだ。

「イメージの世界だよ」

「イメージ?」

「いつもピーナッツ飛ばしてるとか、書いてどうする」

「……確かに」

ビクトリアは、納得した。


虚飾の世界

カールの企画書には、こう書かれていた。


『ビクトリア王女のお気に入り――優雅なレシピ集』

∙焼き菓子

∙チェッカーケーキ

∙プリン

∙ビクトリア王女のケーキ

写真撮影:

∙マリカが可愛いレースの服を着て、レシピを紹介

∙ランディ様もご一緒に

∙中庭の美しい花に囲まれて

∙優雅で耽美な世界観


ビクトリアは、首を傾げた。

「……これ、完全に作られた話じゃない?」

「そうですね」

マリカが、苦笑いしている。

ランディは、ため息をついた。

「でも、そういうのが世の中の人は好きなんだよ」

「そうなの?」

「そうだよ」

ビクトリアは、少し考えてから言った。

「まぁ、マリカだから、いいよ」

ランディも、同意した。

「マリカだから、仕方ない」

マリカは、顔を真っ赤にした。

「……ありがとうございます」


撮影当日。

中庭は、美しい花に囲まれていた。

ビクトリアは、白いレースのドレスを着ている。

ランディは、礼装を着て、隣に立っている。

そして、マリカは――

ピンクのレースのエプロンを着て、レシピを手に持っていた。

カメラマンが、指示を出す。

「はい、ビクトリア様、もう少し笑顔で!」

「え? こう?」

「いいですね! ランディ様、もう少し憂いを!」

「……憂い?」

「そうです! 護衛らしく!」

ランディは、真顔になった。

完璧な憂いである。

「マリカさん、お菓子を持って!」

「はい!」

マリカが、焼き菓子を持つ。

カシャ。

完璧な写真が撮れた。


撮影後

撮影が終わり、三人は椅子に座った。

ビクトリアが、ぐったりしている。

「疲れた……」

「お疲れ様です」

ランディも、同じようにぐったりしている。

マリカは、嬉しそうに焼き菓子を食べていた。

「でも、楽しかったです」

「そう?」

「はい」

ハリスが、遠くから笑っていた。

「お前ら、完全に別人だったぞ」

「うるさい」

ランディが、冷たく言った。


本の完成

数週間後、レシピ本が完成した。

表紙には――

『ビクトリア王女のお気に入り――優雅なレシピ集』


美しい写真。

優雅な文章。

完璧なレシピ。

完全に、虚飾の世界である。


ビクトリアが、本を見て呟いた。

「……これ、私?」

「そうですよ」

「嘘でしょ」

「イメージです」

ランディも、自分の写真を見て呆れていた。

「……俺、こんな顔してたか?」

「してましたよ」

マリカが、嬉しそうに答えた。


爆発的ヒット

本は、瞬く間に売れた。

初版は、一週間で完売。

すぐに重版がかかった。

そして――

隣国アルデバインからも、注文が入った。

カールから、手紙が届いた。

『大成功だ! 次は第二弾を考えよう!』

ビクトリアは、頭を抱えた。

「……次?」

「次、だそうです」

ランディも、ため息をついた。

「勘弁してほしい」

マリカは、嬉しそうに笑っていた。

「私、頑張ります!」


アルデバインでの反響

アルデバインでは――

令嬢たちが、大騒ぎしていた。

「見て! ビクトリア様のレシピ本!」

「美しい……!」

「ランディ様も、載ってる……!」

セリーヌが、本を開いた。

「このケーキ、ビクトリア王女のケーキですって」

「作りましょう!」

「私も!」

令嬢たちは、次々とレシピを試し始めた。


エドウィンの反応

エドウィンも、本を手に取っていた。

「……ビクトリア殿下」

側近が、尋ねる。

「殿下、いかがですか?」

「面白い」

「面白い、ですか?」

「ああ」

エドウィンは、ランディの写真を見て笑った。

「こんな顔、見たことない」

「……確かに」

「次に会ったら、聞いてみよう」

エドウィンは、楽しそうに笑った。


現実

その頃、ビクトリアたちは――

焼き芋を食べていた。

「やっぱり、焼き芋が一番だね」

「そうですね」

ランディも、焼き芋を食べている。


マリカが、呆れた顔で言った。

「……皆さん、レシピ本と全然違いますね」

「イメージだからね」

「そうですね」

三人は、静かに笑い合った。


結論

レシピ本は――

大ヒットした。

ビクトリアのイメージは――

完全に、虚飾の世界になった。

マリカは――

次のレシピ本を、企画中である。

そして、本人たちは――

今日も、焼き芋を食べていた。

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