第7話 勝利へのアイテム
「第1回!どうやって倒すんだよ作戦会議〜!」
「何だよこれ」
「猫は帰って下さーい」
「家ここだよ」
男が間に入った。
「えー、それで?作戦会議だろ?」
「その通り」
「あんな奴に勝てるのなんていないだろ」
素科は頭を抱えている。
「とにかく強ければいいんだろ?
だったら攻撃したら惑星5個ぐらい吹き飛ぶぐらいの力あればいけるだろ」
この猫、頭悪い?
「それができたら苦労しねえよ」
「実験してたんだろ?できるだろ」
「はいはい検討します検討します」
喧嘩すな。惨めすぎる。
「まあ、天才なワタクシの推測からすると、奴は驚異的なパワーを持っております」
ここでファンが長々と話し始めた。まあ要約するとめっちゃ硬かったらいいんじゃね?みたいな感じです。
「他は?」
場が静まり返った。そこで、一人の女性が手を挙げた。店長さんだ。
店長さんは猫が話していることに疑問を持たずに言った。
「やっぱ、猫ちゃんの言ってることが一番いいんじゃないのー?」
「うーん…」
「おい素科。なに悩んでるんだ。俺の意見で決定だろ」
それはない。
「おーい、素科ー。」
*返事がない。ただの屍のようだ。
いびきも聞こえるし。
「勝手に作るか」
こうして、素科抜きで秘密のサプラーイズとして、不思議なビンを作ることになった。
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「トライ!ついに追い詰めたぞ!」
「無駄だ。」
トライが銃を乱射した。しかし素科はあり得ない速さで素早く避けていく。
「ほう…少しはできるようになったか…」
「お前のためにどれだけ時間を割いたか!」
素科が挿れるビンを変えた。アイアンだ。
「そんな力任せで俺を倒せるとでも?」
ジャッジメントスラッシュ!
ダークサイエンティスト!
トライの剣がみるみるうちに黒くなっていく。
「お前の、負けだ。」
ジャッジメントスラッシュ!
マッドマッドフィニッシュ!
「冬香さん…ごめん。俺、あの時の約束…果たせなかった…」
素科の複数の黒い斬撃が当たった。
その影響で、大きな地割れ、天変地異が起きた。
しかし…素科は生きている。
「え?俺、死んでない⁉︎てか、なにこれ?」
「チッ…なんだよこれ!せっかく仕留め切れるところだったのn…」
そう言いかけた途端、音が消えた。
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「ハッ…!?」
周りには、いつものコンビニの光景が広がっている。棚の上には、仕入れ用の段ボールが積んである。
「え…?」
「あ、起きたのか。
お前、うなされてたぞ?悪夢でも見たのか?」
「夢、だったのか…そうか。そうだよな…アハハ…」
「…ニャ」
「そうだ!会議は?」
猫が誇らしげに言った。
「終わったぞ。俺の素晴らしいアイデアが採用されて、今作ってる途中だ」
「えーーー…あのよくわからない意味不明なアイデアを店長さんたちが再現…?」
「無理だな」
「無理にゃろ」
そもそもお前はなんで止めなかったんだよ。
「でさ、ダークユヌにやられる夢を見たんだ。
それで俺、気づいたんだ。」
「キャットフードの必要性に?」
「今の俺じゃ、あいつには勝てない。みんなの力がないと」
「でもお前のアイテムにお前と俺、ほぼ関わってないけどな」
「確かに」
寝室(笑)のドアが開いた。
素科に真っ先に駆け寄ってきたのは店長さんが1位だー!
続いて2位は出てきて4話ぐらい経ってるのに未だに名前がわからないシマエナガ!
「誰がシマエナガだ」
「見て見てー!これ!
攻撃力”だけ”に、特化した最強のビン!」
「店長さん…戦いっていうのはね…バランスよく…」
「いいから持ってみろニャ」
「持つだけだぞ?何も変わらないよ(フラグ)」
素科がビンを持った瞬間、不思議な感覚に包まれた。力が込み上げてきて、体中の細胞が活性化している。ちょっとしすぎな気もするが…
「みんなで作った(一部例外を除く)これさえあれば…やつに勝てる…!」