第八十七話「魔境1」
『その辺よ。』
竜斗は「色欲」にそう言われて空から降り立った。
(ここら辺ってことは目の前の川の先ってことか?)
『そう。今あんたの目の前にある川が「魔境」と私たちのいる場所を隔てているの。』
(川の先が霧に覆われて見えないんだが。)
『それはそういう気候なの。100年に1回、霧が晴れて「魔境」の生物がこちら側にやってくるの。』
『逆に言えば、それ以外だと内側から生物が出てくることはないけど。』
『まぁでも入る分には問題ないわ。そのまま霧に突っ込めばいいわけだし。』
(不安しかないんだが。)
『大丈夫よ。「魔境」の生物は知能がないから出てこれないだけでちゃんと考えられるあんたは出てこられるわよ。』
(それは大丈夫なのか?)
『えぇい、グチグチうるさいわね!いいからさっさといきなさい!』
(はいはい。)
そう「色欲」に返すと、竜斗はもう一度空を飛び上がり霧に突っ込んで行った。
◇ ◇ ◇ ◇
霧に入ってから10分以上経った。
(長くないか?)
そう思い始めていたその時いきなり視界が開けた。
(うお!すごいな。)
竜斗は驚く。
龍斗の視界には空を飛ぶ龍や平原を走る黒い狼などが目に入っていた。
(これはすごいな。霧が開けたらこんな所があるなんて。)
『景色だけよ。正直景色以外は良いところなんて一つもないわ。』
(なんだよ。そんなにここが嫌か?)
『そんなにいうならあそこの狼を鑑定してみなさいよ。』
(分かった。)
竜斗は「色欲」に言われた通りに 鑑定してみる。
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名前:なし
種族:ダークネスウルフ
Lv:30/80
HP: 850/850
MP: 750/750
SP:900/900
基礎攻撃力:200
基礎防御力:180
基礎魔攻力:190
基礎魔防力:170
基礎敏捷力:210
『鑑定が妨害されました。』
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『ね、分かったでしょ?こいつが雑魚扱いなのよ?』
(....確かに「魔境」だな。)
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