第七十八話「圧倒」
約束の時間に近くなり、実技場に向かおうとしていた竜斗にカーラは声をかけてきた。
「リュート。大丈夫なのですか?」
そんなことを聞いてきたカーラに竜斗は答える。
「逆になんで大丈夫じゃないと思ったんだ?」
「いえそういうことではなく、相手を殺してしまわないかということです。」
「あぁそのことか。大丈夫だ。流石にそんなバカなことはしない。」
「なら、いいです。しかし、他の妨害には気をつけてください。」
「あぁ、わかった。」
そう会話を終え、竜斗は実技場に向かっていった。
◇ ◇ ◇ ◇
「ふん!どうやら逃げなかったようだな?」
「当たり前だろう。負けるわけがないんだから。」
「くっ、相変わらず舐めた口を...!」
「それで?もう始めるのか?」
「そうだな。いいだろう。今回ジル先生に審判をしてもらう。」
そう言ったロンに答えるようにジルも声を出す。
「おう。よろしくな。」
「今回のルールは武器持ち込みありのルールだ。どちらかが気絶したら終了となる。ロンは武器を持ってきたようだが...お前は何かないのか?」
そう聞いてきたジルに竜斗は答える。
「大丈夫ですよ。素手で事足りますから。」
「なっ、貴様どこまで私をバカにするのだ!」
その言葉にロンは怒る。
「まぁ落ち着け。魔法使うんだったら別だろう。」
「....それもそうか。」
「それじゃあ始めるぞ。両者離れて。」
それぞれが実技場の端に行く。
「....開始。」
その声で決闘が始まった。
◇ ◇
(さて、どうやって倒すか。あまりやりすぎると殺しちゃうしな。)
「覚悟しろ!」
そんなことを考えているとロンが切り掛かって来た。
(遅いな。)
そう思いながら剣を避ける。
「なっ...。」
ロンは簡単に避けられたことを驚いているようだった。
(普通に軽く殴って気絶させるでいいか。)
そう考えた竜斗は素早く動くとロンの腹に一発入れる。
「カハッ...。」
ロンはそう言って倒れた。
いきなりの展開に周りはシンとなる。
「あ〜、勝者、リュート。」
困惑しながらもジルはそう宣言する。
周りがざわめく中、竜斗は実技場を出ていった。
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