第六十九話「学園への準備」
皇帝との会話が終わり、竜斗は侍女に連れられてカーラの部屋の前に来ていた。
「開けさせてもらうぞ。」
そう言って部屋のドアを開ける。
ドアを開けると皇帝ほどではないがかなり広く豪奢な部屋があり、その中のベッドにカーラは座っていた。
「よく来ました。しかし父上との会話が長引いたようですが…何かありましたか?」
「いや、そこまでの話をしているわけではなかった。せいぜい娘の護衛のお願いをされたぐらいだ。」
「そうですか…。」
カーラの質問に対して竜斗は答える。
(さすがにこいつにも正体がバレたら本当にこの国を出るしかないからな…。何があったかは黙っておこう。)
『それがいいと思うよ、竜斗君。』
そう考える竜斗に「憤怒」が賛成の意を示す。
「それで…結局俺は何をすればいいんだ?それについては何も知らされていないんだが。」
そう竜斗が問いかけるとカーラは答えた。
「それについては今から説明させていただきます。」
「まず、あなたには学園での護衛を含め私の護衛をやっていただくことになります。」
「前までは別の騎士がやっていたのですが…あの襲撃でやられてしまったので。その代わりがあなたと言うことになります。」
「それで具体的には何をするんだ?」
「基本的に学園内など授業中も含め側に付き添っていただき、何かあった際はあなたがそれを守ると言うことになります。」
「あと、注意なのですが…第三皇女という立場は下級や中級貴族ならばまだしも上級貴族の子息などにとっては
大したことないと見られ、舐められてしまっています。そういう子息たちは直接手を出すことはないでしょうが
何か汚い手を使ってくる可能性があります。そういう場合にもあなたには護衛してもらいますので…その…。」
「その程度のことなら大丈夫だ。搦手を使われて負けるほど俺はやわじゃない。」
「それならば良かったです。しかし、そのような子息の護衛から決闘を仕掛けられる時もあります。いくらあなたが強いからといって足元を掬われないように気をつけてください。」
「わかった。」
「では、話は以上です。あらかじめあなたの部屋は用意してありますので、侍女に案内してもらってください。」
「最後に。結局それはいつからだ?」
「あぁ!それを言い忘れていましたね。…そういえば明日からでしたね。疲労も溜まっているかもしれませんが、くれぐれも寝坊するなどのことはおやめください。」
「…了解した。」
それを言って竜斗はカーラの部屋を出ていった。
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