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第六十話「憤怒の夢」

北沢に言われて体育倉庫裏に行った健斗を心配して見に行った竜斗は健斗が北沢に刺されているのを目撃した。


あわてて取り押さえて、ちょうど自分と同じように見にきていた東条に警察と救急を呼んでもらった。


….しかしその甲斐むなしく健斗はその日中に息を引き取った。


◇ ◇ ◇ ◇

竜斗は落ち込んだ気持ちのまま、次の日を迎えた。


教室に入るとどんよりとした空気が漂っていた。


(健斗は人気者だったからな….。そのぶんみんなのショックもでかいんだろう..。)


その日、東条は来なかった。


◇ ◇ ◇ ◇

健斗の死から一ヶ月がたった。


健斗の死は今でも嘆かれているが、それでも前よりはマシになった。


北沢は廃嫡され、少年院に入れられた。


自分も未だに気分が良くならないが、それよりも深刻な者がいる。


「東条、顔色悪いが大丈夫か?」


「…えぇ大丈夫です。心配しなくていいいですよ。」


そう、東条だ。


健斗が死んでしまってからずっとこの調子である。


そんなことを考えながら竜斗は日に日に強まる違和感を感じていた。


(おかしい..。健斗が死ぬ?いやでも刺されたのは…。うっ頭が..。)


(何か前も同じようなことがあったような..。はっ!)


そのとき「強欲」の時と同じように「憤怒」に夢を見せられているということを思い出した。


◇ ◇ ◇ ◇

家に戻ってきた竜斗は台所から包丁を取り出すと、勢いよく自分に突き刺した。


そして竜斗の視界は暗転した。


◇ ◇ ◇ ◇

『いや〜君頭おかしいと思うよ。』


目覚めた瞬間そんなセリフが耳に入った。


「失礼な奴だな。しかもそれは「強欲」に言われたよ。」


『でも彼がそういうのもまっとうだと思うよ?普通の人はいきなり自分に包丁突き刺すだなんてできないんだし。』


「御託はいいからさっさと元に戻してくれ、お前ら「大罪」はクズばっかだからな。正直できるなら自分も持っていたくないんだが。」


『はいはい。じゃあ戻しますね〜。』


そう「憤怒」に言われて竜斗の視界はまた暗転した。



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