第五十七話「VS憤怒3」
竜斗は「憤怒」の攻撃を受けないために、さらに飛び上がった。
そして考える。
(隙を作らなければいけないものの、どうやって作るべきか…。)
『だからさっき言ったじゃん。元々の体の主に呼びかけて一瞬だけでも体の動きを止めさせてその隙にやればいいじゃん。』
強欲は悩む竜斗を見てそう言う。
(そうか..。その手があったか。よしやるぞ。)
『おい酒呑!お前はこのままでもいいのか?』
◇ ◇ ◇ ◇
『おい酒呑!お前はこのままでいいのか?』
(声が聞こえる。)
『「憤怒」に自分の体を奪われて悔しくないのか?』
(そんなことはわかっている。悔しいに決まっている。だが、もし体の所有権を取り戻したところでもう私には
何も残っていない。)
竜斗の声は酒呑には響かない。
◇ ◇ ◇ ◇
(クソッ、そううまくは行かないか。)
「無駄だよ。いくら呼びかけたところで既に心は折っているんだ。いまさらあいつが反抗できるわけがないだろ。」
「憤怒」が酒呑に対して呼びかけた竜斗を嘲笑うかのように言ってくる。
「あいつは既に大切なものを失っている。もうどうにかしようという気力もないんだよ。」
それを聞いて竜斗はひらめいた。
(そうだ。これならどうだ?)
『そんな弱い心のままでいるから、自分の大切なものも守れなかったんじゃないのか?』
◇ ◇ ◇ ◇
『そんな弱い心のままでいるから、自分の大切なものも守れなかったんじゃないのか?』
それを聞いて今まで何を聞いても何も感じなかった酒呑に怒りが生まれた。
(ふざけるな..。自分が彼女を守るためにどれだけのことをしたと思っている…!)
(おい、「憤怒」。一度だけでもいいこの体を貸すんだ!こいつだけは殺さなければいけない!あいつは自分だけではなく彼女も侮辱したんだ!)
◇ ◇ ◇ ◇
酒呑に対して挑発するような言葉を言った後、「憤怒」の動きが止まった。
「あっ、おい!お前最近何も言ってなかったくせに何をしようとしているんだ!」
どうやら酒呑が体の主導権を奪い返そうとしているらしい。
(よし、この隙に..。くらいやがれ!)
この隙をついてブレスを放った。
それを食らった「憤怒」は…
「ふ..ふざけるな..。」
生きていた。
(なっ、これでも仕留め切れないのか!?クソッ、もうMPがない。こうなったら噛みついてやる。)
竜斗は高速で虫の息の「憤怒」に向かい、そして噛みついた。
「クソッ、死にたくない…。」
それを最後に「憤怒」は息絶えた。
『レベルが上がりました。
レベルが上がりました。
….レベルが上がりました。
全属性魔法のレベルが上がりました。』
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