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第五十話「転移者の噂」

あれから一週間がたち、コツコツ依頼を達成した俺はDランク冒険者になっていた。


所持金も金貨一枚にはなったし、多少はお金を使える。


竜斗は友人となった門番と酒場にいた。


「転移者?」


竜斗は門番に対してそう聞く。


「あぁ。最近兵士の間で噂になっていてな、王城で見たこともないような奴らが5人ぐらいいるらしい。」


「騎士団長や魔法師団長も動いてるし、伝説の異界からの転移者なんじゃないのかという話になっている。」


「へぇ、そんな話があるんだな?」


「なんだ知らないのか?昔々、王国に魔物の大群が迫ってきた時に召喚された勇者がそれを阻止したって話だ。」


「田舎から来たからなそういう話には疎いんだ。」


「まぁいい。しかもそいつらは伝説の勇者と同じように黒目黒髪だったらしい。」


「そうなのか。でもなんのために?」


「わからない。だからかなり噂になっているんだ。もしかしたら脅威が迫っているのではと考える奴もいてな。」


「まぁ、そんなことはないに越したことはないな。」


◇ ◇ ◇ ◇

門番との話も終わり、竜斗は泊まっている「木もれび亭」の自室に戻っていた。


「転移者ねぇ…。」


(たぶん誰かしらを召喚したのは本当なんだろうな。この国の近くって「憤怒」がいるらしいし。というかそれ目当てでここに来たんだけど。「強欲」、基本的に「大罪」とかの情報ってある程度偉い奴じゃないと知らないんだろ?)


『そうだよ。だからあの門番も理由がよくわかっていなかったんだろうけど。』


『最近、「憤怒」の活動が活発になっているからね。この国もそれを危惧したんじゃない?」


(なんで活発になっているんだ?)


『そりゃ君のせいだよ。いきなり僕と「忍耐」をもつ君が現れたからね。狙われるんじゃないかって思ったんでしょ。』


(そんなもんなのか?別に俺がいたからって何かあるわけじゃないはずだが。)


『君がいること自体は問題ないけど、君「憤怒」を倒そうとしているでしょ?で、倒したとして「憤怒」の意識は僕みたいに君の体に行くじゃん。それで抵抗はするだろうけど結局は君のものになるでしょ?そうしたら好き勝手できなくなるからそれが嫌なんでしょ。』


(そういうものか..。)


こうして竜斗の夜はふけていった。

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