第四十九話「転移者たちの訓練2」※天谷健斗視点
訓練開始から5日後、健斗は図書館に来ていた。
(アルトさんには剣術をクインさんには魔術を教えてもらって「剣技」と「光魔法」がそれぞれレベル4まで
あがった。みんなもそれぐらいあがってたし、そろそろ訓練も終わりが近いのかな。)
(スキルのレベルが上がると動きが段違いだ。そうなるとアルトさんやクインさんはどこまで上げているんだろ う?)
(でも勝手に鑑定をするのはマナー違反だからな。)
健斗はこの世界の知識を身につけるために図書館に来ていた。
そのため、必要そうなものを取り出して片っ端から読んでいた。
健斗はしばらく本を読み続けた。
◇ ◇ ◇ ◇
(冒険者ギルドがあって獣人がいて….本当にゲームみたいな世界だな。竜斗とやったゲームみたいな世界だ。)
(でも…王様が話していた「大罪」や「美徳」については何も書かれていなかった。なんでだろう?
少しアルトさんに聞いてみるか。)
そう考えて健斗はアルトの部屋に向かった。
◇ ◇ ◇ ◇
「失礼します。」
「あぁ。何か用か?訓練の話なら明日するが。」
「いや、そうではなくて「大罪」と「美徳」について知りたくて。図書館に行ったんですけど見当たらなかったんです。」
そう健斗が言うとアルトは苦虫を噛み潰したような表情をしたが、すぐいつもの顔に戻って話し始めた。
「…そのことか。まず「大罪」と「美徳」の存在は一般には公開されていない。知っているのは国の一部の要職の
人物かSランク冒険者だけだ。」
「えっ、でも僕たちを案内してくれた侍女さんは聞いていたはずですよ?」
「それはあの侍女は特別だからだ。詳しいことは言えないがな。」
「そうなんですか。」
「…「大罪」と「美徳」はこの世界の神の手先のようなものだ。それぞれが世界を管理する役目を持っている。」
「えっでもそれは倒していいものなんですか?そもそも倒せるんですか?」
「おそらく、な。」
「そんなものを僕らに倒させようとするんですか!?」
健斗は叫ぶ。
「安心しろ。「大罪」と「美徳」が倒れた例はある。今だって「強欲」と「忍耐」が空席だ。」
「それで安心できるとでも!?」
それを聞いてアルトはぽつりぽつりと話し始めた。
「…私はもともとSランクの冒険者としてパーティーのリーダーをやっていた。パーティーは5人でやっていてな。
今は皆がそれぞれのところで働いている。」
「それの何が関係あるんですか?」
「話を続けさせてくれ。君たちが転移してくる数日前だ。ある仲間の死が私に連絡された。なぜ彼女が死んだのか
?」
アルトは顔を上げ、怒りに染まった顔で言う。
「…少なくとも「美徳」持ちと戦ったそうだ。私は絶対に「大罪」、「美徳」持ちを許さない。私にできることならなんでもしよう。だから..どうか協力してくれ..。」
それに対して健斗は少し考えて頷いた。
「..ありがとう。」
健斗はそのまま部屋を出て自室に戻っていった。
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