魔剣ダインスレイフ
俺はまず、焼け焦げた村から使えそうな物を探す。
幸い使えるものはいくつかあった。
まずは武器。
村にあった武器屋のハーグさんのところで剣を確保する。
ただ、剣は一本のみしか残っておらず他の剣とか武器は溶けていて使い物にならなくなっていた。
俺はハーグさんの遺体を見つけることは出来なかったが、手を合わせて冥福を祈った。
見つけた剣は鞘はなかったが、剣そのものは無傷でありどこかただならぬ雰囲気を感じ取っていた。
その理由は握って確認して見ると魔力のようなオーラが自分の目でも可視化されるぐらいに見えていた。
「魔剣…?」
すると、脳に声が響く。
『よう、なんだ貴様は?』
「な、なんだ!?誰かまだ生きているのか!?」
『俺だよ、お前が握っている剣さ。』
「そ、そんなバカな。お前は魔剣の類いだと言うのか?」
『そうさ、俺は魔剣ダインスレイフ。握ったものはもれなく自身が動けなくなるまでありとあらゆる生き物を殺戮するやべぇ奴になるんだが…俺の呪いが効かない?いや、お前は俺の呪い以上にもっとやべぇ呪いを受けてやがるな。そのせいか俺の呪いを受けつけねぇみたいだな。』
「魔剣ダインスレイフ…?だとしても、魔剣に意思はあると聞いたが俺の龍の呪いが他の呪いを上回るのか?」
『龍の呪いだと?どの龍から受けた?』
魔剣ダインスレイフは鋭く俺に問う。
「邪竜アジダハーカと名乗っていたな。」
『おめぇさんそりゃあやべぇよ。魔剣の呪い程度じゃあどうにもならん。』
「そんなになのか?」
『あぁ。そりゃあ俺の魔剣として呪いなんて効かないわな。ある意味他の呪いを受け付けないほどの加護みたいなもんになってる。邪竜アジダハーカは邪竜の中でも最強にして最恐。ドラゴンが束になっても勝てないほど強さだぞ。よく生きてたな…いや、何故生きている?どういうことだ?殺されて終わるだろ普通に。』
「それが俺以外の村人を殺したら、俺だけ生かして呪いをかけていきやがった。生き残ったことは奇跡みたいなもんだったらしいが…」
『なるほどなぁ…まぁ、力は貸してやる。どうせ俺を使えるやつなんて過去に一人いた…ような気がするレベルだからな。』
「いたのか。」
『あぁ、あれは確か…駄目だ何故か思い出せねぇ。思い出せねぇが、俺を使えばお前は強くなれる。何せ俺は俺で魔剣の中でも強さはトップクラスだからな。』
「頼りになるぜ、よろしくなダイン。」
『ダインだぁ?まぁいい。お前の名は?』
「俺はアルファ。」
『じゃあアルファ、これからよろしくたのむぜ。』