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異世界転移して冒険をする話  作者: エナジードリンクが好き
7/11

夜の湖

「俺なんかしちゃったかな。」


給仕の少女が、悲しそうな顔をする。

朝に、そのことを大将に相談した。


「そりゃあ、Fランクに上がったからな。どうなんだ?狩り場がないだろ?」


「確かに、Fランクの狩り場のゴブリンの湖も、Eランクの狩り場のけものの森も人気なんだよな。」


「拠点変えるのか?」


「今のところは、変えることは考えてない。」


「なんでだ?」


「生活できてるからな。」


「でも、上を目指したくなるもんだろ?」


「まあ。」


「あいつなりに別れを感じとったのかもしれないな。」


「…そういうことか。拠点のこと少し考えてみる。」


「そうしろ。そんで、そろそろまた、泊まるなら言え。」


「…とりあえず、3泊追加で。」

俺は銀貨10枚渡す。


「はいよ。夕飯に酒つければいいのか?」


「ああ、それで頼む。」



冒険者ギルドに行く。

受付のおっさんは、相変わらず不人気だ。

俺は、相談を持ちかけた。


「パーティ組むのが、一番いいと思うぞ。それで、昼間にゴブリンの湖の方に挑戦するってのが、常套手段だ。依頼も安全性考えて、パーティに優先に契約するからな。」


「パーティって苦手なんですよ。経験値分配になっちゃうし…。」


「ずいぶんな奴だな。じゃあ、南東に3日歩いたところの廃坑はどうだ?泊りがけだが、FランクからDランクまでのモンスターが出る。常設依頼だ。」


「もう宿取っちゃってるんだよ。」


「面倒くせえな。じゃあ、夜に出てモンスター狩りに行くのはどうだ?」


「夜に出れるのか?」


「出れるには、出れるが、普通はそんなことしない。夜は、モンスターが凶暴になるからだ。夜行性ってわけじゃないんだがな。」


「夜か…。」


「よく、考えな。あー、あと、夜は、街の門もしまってるから朝まで、帰れない。」


「わかった。」


とりあえず、どんな感じか、ゴブリンの湖に行ってみよう。



歩いて、西門から3時間。

ゴブリンの湖。

周囲を空間把握で見てみると冒険者だらけで、とてもじゃないが、ゴブリンを狩れる状況ではない。

13組の冒険者がみんな索敵しながら、ゴブリンを探している。

冒険者同士の妙に気を使った動きは、

狩り場の暗黙の了解みたいなものもあるのかもしれない。


これは、ダメそうだな。

湖の中も、普通っぽい魚しかいないようだった。

何なら釣りして魚持ち帰った方が、金になる気がする。

湖にも管理人のおじさんがいるようだ。

一応、声をかけておこう。


「はじめて来たのか。ここらへんでは、ゴミ捨てて帰るのは犯罪だから注意しろよ。」


「ゴミ?」


「折れた剣とか着れなくなった服とか、ゴブリンが拾うと危険だからな。」


「あー。そういうことですか。」


「それ以外は好きにやればいいさ。あとは、他の冒険者と揉めたらここに来なさい。」


「わかりました。」


『夜に来ますか?』

そうだな。


『私は関係ありませんが、夜目のスキルはあった方が良かったですね。あと武器と明かりになりそうな道具を買っていきましょう。』

武器か。


『シールドの魔法で守っている間に攻撃出来るような武器がいいですね。』

槍の方が良さそうだな。


ギルドでお金を下ろす。

武器屋に行く。

小金貨3枚で、初心者用の中でも丈夫に出来ている槍を買う。

その後、ポーション屋に行き、低品質の魔力回復ポーションを小金貨1枚で買う。

最後に魔道具屋に行き、ランタンと替えの魔石を買う。

小金貨3枚した。


貯金は、一気に小金貨2枚に減った。


全て収納にしまいこんで、昼食を適当に露天で済ませ、宿に戻る。


体を浄化してすっきりさせて、部屋で寝る。


起きたのは、17時くらい。

門は19時で閉まってしまうらしい。

大将に早めの夕飯を頼む。


「今日は、酒はいいや。変わりに明日の朝にくれ。」


「お前、今から出るのか?」


「今からだな。」


「夜は、やべえってから気をつけろよ。」


「おう。」


給仕の少女が、心配そうにこっちを伺っている。

俺は、軽く微笑み、手を振った。

今日は角ウサギのクリームシチューと薬草パンだった。

さて、頑張るか。


西門へと急ぐ。

間に合った。

俺は、外に出る。暗すぎて何も見えない。

空は、きれいな星空が広がっている。

これは、最高だな。

『足元には気を付けてくださいね。』


ランタンを持って歩いていく。

途中で、スライムに3回ほど襲われ、撃退した。

『前方1kmに湖です。』

じゃあ、もうここらへんはゴブリンが出るのか?


『そうですね。空間把握では、すでにたくさんの反応があります。あ、挑発のスキルとかもあっても良かったですね。ちょっと群れに毒霧を当ててみます。あ、いい反応ですね。6体くらいこっちに来ますよ。』


ゴブリンは鬼気迫る勢いで、俺のところにやってきた。

よだれを撒き散らしながら噛みついてこようとしてくる。

シールド3枚がゴブリンの攻撃を完全にガードしているが、ガンガン殴ってきている。


『槍をお願いします。』


俺は、異空間収納から槍を出す。


『小金貨3枚分なので、絶対落とさないでください!』


俺は、槍をしっかり握り、ゴブリンの1体に刺す。

暴れるゴブリン。

これ、思ったより体力がいる。

それに気分悪い。

ともかく、つきまくる。

シールドも1分くらい使っただろうか。

なんとかゴブリンの群れを倒せた。


とりあえず、ゴブリンを異空間収納に入れる。

ゴブリンは、血、骨、肉、魔石どれも錬金術の素材らしいので、1体銀貨3枚くらいだそうだ。

6体いるので、これで銀貨18枚くらいだろうか。

お金にはなるが、経験値はそれほどではない。

レイスホールと同じ位の経験値だ。


『次行きますか?』


それから、休憩をはさみつつ、5回ほど群れを相手にした。


35体倒してレベルが3上がった。

夜の目LV2をとり、異空間収納をLV4まで上げる。


『ポーションがありますから、おかわり行けますよね!』

魔力を回復して、さらにゴブリン退治を行う。

さらに6回戦闘を終え、レベルは3上がる。

異空間収納をLV5に、さらに解体LV1、異空間収納内解体LV1を取る。


そんなことしてる間にもう朝になっていた。

湖で水浴びする。

風呂がないから久しぶりの水浴びだ。

宿でも浄化ばっかりだったからな。

こっちに、風呂っていう文化はないから仕方ないが…。

井戸はたくさんある。

だから、よっぽどの人は井戸で水浴びしているようだ。

女性しか行かない井戸もあるので、俺も注意されたこともある。

苦い思い出だ。

まあ、それはいいとして。


異空間収納内解体を取ったのでそのうち、収納の中でゴブリンが解体できるだろう。

ゴブリン80体近く結構な金になるに違いない。

門に戻ってくる。

すれ違う冒険者たち。

多分、今からゴブリンの湖に向かうのだろう。

頑張れよー。

と心の中で言っておく。

あくびが出る。

ああ、眠くなってきた…。

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