冒険のはじまり
次の日の朝早く起きる。
時間は、4時くらいだろうか。
俺は、スキルを確認する。
スキル管制人格LV1
言語理解LV5
言語使用LV5
文字理解LV5
文字使用LV5
マッピングLV1
空間把握LV1
鑑定LV1
鷹の目LV1
速読LV1
残りスキルポイント4
どう振るか…。
管制人格さんに聞いてみる。
『私のレベルを1つ上げて下さい。回答出来ることが増えると思います。』
了解っと。
スキル管制人格LV1→LV2
『推奨スキルはスキル目録LV1、情報処理LV1 、異空間収納LV1です。』
了解了解っと。
これで、どう?
『スキル目録は、スキルを使う時の私のサポートがしやすくなります。異空間収納はそのままのスキルです。』
ステータスはどうしようか?
『スキルの使用には精神力が必要なので、精神力を上げるのがオススメです。あとは、今日から、冒険者ギルドで依頼も受けたいので、モンスターと戦うこと考えて、生命力を上げてもいいですね。』
うちには、管制人格さんもいるし、精神力特化にしよう。
『マスターにスキルと技と魔法の違いも伝えておきます。この世界には、スキル、技、魔法というのがあります。スキルは、精神力を消費して使います。精神力は、使えば使うほど疲れます。精神力が空っぽになると、何も考えられなく鳴るので注意が必要です。技は、体力を消費して使います。体力がなくなると物理的に動けなくなります。魔法は、魔力を使って、発動します。魔力がなくなると気絶します。』
わ、わかりました。スキルが精神力、技が体力、魔法が魔力ね。
ステータスを確認。
精神力を100から130に上げるっと。
OK。
下の階に降りて、食堂に向かう。
大将は、すでに朝から仕込みをしていた。
「おはようございます!」
「おう。早えな。おい。冒険者ギルドにでも行くのか?」
「はい。」
「気をつけてけよ。」
「ありがとうございます。」
朝日が外壁から顔を出すまでまだ時間がある。
だが、暗くはない。
もう日の出は過ぎているのだろう。
薄明かりの中噴水広場を目指す。
冒険者ギルドは朝から活気溢れていた。
俺は、殺気立っている冒険者たちから少し離れて、空いている椅子に座る。
『良い依頼の取り合いをしているようですね。』
俺は、登録がしたいから後でにしたほうが良さそうだな。
『その方が賢明だと思います。』
がやがやが収まったあたりで、俺は、空いている受付に行く。
やっぱり、空いているのは、男の受付だった。
「おう、あんちゃん、はじめてだな。」
「はい。登録よろしくお願いします。」
「はいよ。字は読めるか?」
「はい。」
「名前、書けるか?」
「多分、大丈夫です。」
「多分ってなんだよ…。まあいいや。まず、これ読め。」
紙を1枚渡される。
Gランクスタートで、Aランクが最高。
一つ上のランクの依頼は受ける事ができる。
Bランク以上で、怪我や病気で引退した時は、死ぬまで月ごとに見舞い金が出る。
Cランク以上で死んだ場合、月ごとに死んだ者の遺族に見舞金が出る。
「わかったか?」
「はい。」
「あと、素行悪い奴は、指導が入る。あんまりにひどかったら衛兵送りだ。」
「わかりました。」
「はいよ、木札。Gランクは木の冒険者証だ。あとは、依頼は壁に張ってある。まあ、死なずに頑張れ。」
「ありがとうございます。」
壁を見る。
『常設のスライムゼリーとクズ魔石の納品と、薬草の納品依頼を受けましょう。』
わかった。宿で、朝ご飯食べてからにしようか。
『そうですね。』
宿に戻ると皆、食事を取っていた。
給仕の女の子もいる。
しかし、やっぱり、見事に獣人しかいない。
「おう。戻ったか。良い依頼拾えたか?」
「初登録です。今日は、スライムと薬草やってみます。」
「お、おう。それは、どうなんだ?まあいいや。詮索はやめとく。とりあえず、食え。スープはまだまだ残ってるからおかわりしてけ。」
「はい。」
朝は、野菜スープと食パンにソーセージだった。
スープもおかわり2杯頂いた。
「ごちそうさまでした。」
給仕の少女が、俺のところに来る。
「また、泊まりに来てね。」
「はい。頑張ります!」
「お前さんの何がいいんだかなあ。父親の俺にはわからんよ。」
門まで、ひと丁場。
つく頃にはすでに外壁の上に太陽が輝いていた。
ここから、俺の冒険が始まる!
「あー、ちょっと待て。お前。冒険者か?」
俺は木札を見せる。
「お前の装備じゃ危険だから、絶対森の方には近づくなよ。」
「はい。」
「まあ、頑張れ。」
「ありがとうございます。」
『空間把握と鷹の目とマッピングを使ってます。薬草が3m先に生えてますね。』
鑑定して気づく。これか。
意外と難しいぞこれ。
『異空間収納を出しときますので、そこに入れて下さい。さらに7m右にも薬草です。』
右右っと。鑑定。
おっ、発見。
異空間収納っと。
…なんというか地味だなあ。これ何とかならない?
『採集なんてこんなもんです。精神力を大幅に消費して、やれば出来ないことはないんですが、疲れるのでオススメできません。次12m前方です。』
へいへい。
鑑定して、収納。
『8m前方に、スライムがいます。』
鷹の目を使う。
鑑定。
スライムLV1
生命力10
体力20
魔力20
精神力5
筋力0
知力5
魔法抵抗力20
『生まれたばかりのスライムですね。普通に蹴飛ばせば倒せますよ。』
蹴飛ばすのは、可哀想だよ。
『しっかりしてください。油断してるとやられますよ。』
へいへい。
俺は、スライムに近づき、思いっきり蹴飛ばした。
バシュンと消えて、スライムが光になる。
あとにはこんにゃくみたいな透明なスライムゼリーと小さい魔石が残った。
午後まで、スライムと薬草探しをした。
冒険者ギルドに戻ったのは14時くらい。
薬草100本、スライムゼリー30個、スライムの魔石30個
薬草は100本で銀貨1枚、スライムゼリーが30個で銀貨3枚、スライム魔石30個で銅貨5枚になった。
お昼ごはんをそこら辺の屋台で買う。
汗だくだったし、もういいやと思った。
串焼き3本にパンでちょうど銅貨5枚。
串焼きは、しっかり塩味がついていて美味しかった。