表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

「アステカ」で、鍼治療をする

 さて、極一時期を除いて、ほとんど儲けの出ないパチンコやパチスロに、何で、はまったのか?これは、自分でも、疑問を抱いている大きな疑問だ。



 いわゆる「ギャンブル依存症」だろう、と、言われそうだが、私、個人的には、そうは、思っていない。



 何故なら、私には高齢の母親がいて、その介護をしなければならない。



 で、特に、冬場は、インフルエンザに罹患するのが怖いので、定年後、母が介護保険の要介護者になってからは、12月~3月までは、パチンコ店に行った事が全く無い事で、証明できるのだ。



 もし本当に、「ギャンブル依存症」だったら、この4ケ月間に一度も、パチンコ店に行かないと言う事は、絶対に、不可能であろう……。



 で、最終的に、私が、考え出した結論は、これは、人生最高の「ストレス解消法」だと言う事だったのだ。



 特に、私の職場には、現在で言えば、パワハラに近いような、事務分担を、故意的に組む上司がいたりした。

 普通なら、私自身が上司に文句を言うのだろうが、私も、某大学を優秀な成績で出たと言う妙なプライドもあり、自分から、仕事を減らしてくれとは言えなかった。



 ある時、年配の女子職員が、私の課に配属されて、私の上司に、

「○○さんの事務分担は、無茶苦茶だ!」と、詰め寄って、ようやく少しは楽になったが、イヤハヤ、良く、過労死しなかったものである。 



 しかし、このような職場環境は、私が、管理職になる前の40代後半まで続いたのである。



 私の職場では、有給は1年間に20日取れる事になっているが、40代後半の頃、出勤簿を確認したら、有給など0日だった事が、やはり数年間以上もあった。



 それほど忙しい時、私は、たまの休日の時、あるパチスロ機に出会った。



 その機種は、「アステカ」と言うパチスロ機で、今で言う、ボーナス告知タイプであり、またチャンス・タイムも搭載機で、一時期、爆発的に増えた台だ。



 特に、ボーナス告知があると、目押しをして、当たり目を止めなければ、いつまで立っても大当たりは来ないので、目を凝らして、目押しをするのだが、ここに、「アステカ」ならではの大きな問題があったのである。



 ただでさえ忙しい時、たまに打ちに行ったら、偶然、ボーナス告知が出たのだが、この時に、目押しするボタンを押すのに非常に力がいるのである。



 で、この機種を、確か、土日の2日連続で打っていた時だ。右の背中の肩甲骨当たりの筋肉が、凝り固まり、痛くて眠れ無い程になった。



 仕方が無いので、外科に行って、湿布薬をもらい、背中に貼ったものの、痛みは全く取れない。



 「ストレス解消」が目的なのに、逆に、背中の激痛に襲われるとは、何と言う皮肉だろう。



 しかも、外科に行っても、中々、治らない。



 妻に、右の肩甲骨当たりを指圧してもらい、少し、痛みが和らいだ。



 これに、ヒントを得て、もしかしたら、「鍼治療」が効くかもしれないと思い、人の噂で、「鍼の腕がいい」と言う鍼灸院を探して、車で、行って鍼を刺してもらった。

 約1時間後、不思議な事に、ピタリと痛みは無くなった。



 これに懲りて、「アステカ」を打つのは、完全に、辞めた。



 ともかく、「ストレス解消」を唄いながら、右肩の腱鞘炎になっていては、笑い話にもならない。



 イヤハヤ、この「アステカ」には、泣かされた。



 その後、色々な、パチスロ機を打ったが、この「アステカ」には、碌な思い出が無いのである。



 しかし、よくよく、考えてみると、この「アステカ」での失敗はあるものの、長い目でみれば、やはり「ストレス解消」になっていた事は、間違いが無いのは確実なのだ。



 と言うのも、私の、近い親族で、若くして妻を病気で亡くした者がいたが、子供が思春期でもあり、再婚せずに、子育てと仕事に頑張っていたら、自分自身も、妻と同じ病に罹患し、60歳もならない内に、あっと言う間に亡くなってしまったのである。



 これは、私の思いだが、もしその親族が、この私のように、せめて週に1回程度、パチンコやパチスロをしていれば、そのような病にもならず、長生きできたろう、と思うからである。その親族が、「ストレス解消」にしていたのは、タバコを吸う事ぐらいだから、余計、そう思うのだ。



 しかし、一つだけ問題があった。



 パチンコ店でのタバコの副流煙の問題であった。



 ある時、風邪をこじらせたので、念のため、胸部レントゲン写真を撮ってもらったら、私の主治医が、

「あんたは、タバコを吸うだろう」と言うのだ。



「いえ、タバコは一度も吸った事がありません」



「しかし、肺が少し汚れている」



 これには、私自身ビックリした。私は、タバコを人生で吸った事が無い。だから、肺癌には、ならない自信があったのだが、その自信は、ここで大きく崩れたのである。



 まあ、今のところは、大丈夫だが、既に、50年以上、パチンコ店に出入りしているからなあ……。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ