「CRエヴァンゲリオン」
私は、その漫画の題名は良く知っていたが、漫画本を読んだ事も無ければ、勿論、テレビ漫画も見た事が全く無かった。
ただ、熱狂的ファンがいる漫画だと言う知識しか、当時は、持っていなかった。
漫画名は『新世紀エヴァンゲリオン』である。
私は、50歳を過ぎて、管理職になってからは、かってのように夜の12時まで、残業をする事は、全く、無くなった。
若い時、最高で、1ケ月200時間(正式に残業届けを出した分のみ)を超えて、残業した事もあった。12月末家に帰ってテレビを付けたら、紅白歌合戦の結果が流れていた時もあった。で、1月1日(正月)のみ休み、次の2日目から又仕事をした年もあったのである。それらが、全く、無くなったのだ。
で、いよいよ、念願の小説を書き出した。
発表する場も無いので、大阪にある某同人誌に会員として潜り込んだ。
こうすれば、多少、出来が悪い小説でも載せて貰えたからである。同人誌には、かって田辺聖子氏がいたと言う結構格式の高い同人誌であり、私の小説は、もうボロクソの論評である。
でも、小説2編、エッセイ1編は、何とか、載せてもらった。
しかし、そうそう、小説のネタも見当たらない。何しろ、初めの頃は、皆さんが聞いて笑われるかもしれないが、これでも「純文学」を志望していたのだから、尚更である。
で、仕事の帰りに、少し遠いが歩いて15分ぐらいにあるパチンコ店と、もう一つは車で行く事になるがダイナム店の2軒があった。以前に書いた「パチンコ必勝法への一考察」に出てくる、職場近くの店は、既に薬局に変わっていたので、もう、どちらかへ行くかだけしかない。
で、その日は、一旦、自宅へ帰ってから、車で5分でいける「ダイナム店」に行ったのだ。
私は、ここで、運命の出逢いとも言うべき、パチンコ台に出会うのだ。
「CRエヴァンゲリオン」で、あった。
そのパチンコ台を作っていたのは、「フィールズ」と言う会社だったが、私は、最初、単なる気分転換にと、馬鹿丸出しの顔で、パチンコを打っていただけだった。
ただただ、時間つぶしの気分転換である。しかし、初期の「CRエヴァンゲリオン」の演出には、当時のパチンコ台には珍しかった、画面演出が、数々、用意されていたのである。
例えば、馬鹿みたいな顔をして、「CRエヴァンゲリオン」を打っていると、突如、画面が変わり、主人公らしき少年の「碇シンジ」が、
「動け、動け、動いてよ-」と、叫ぶと、
液晶画面に突如、青い炎が爆発。……暴走モードに、突入だ。
この暴走モードは、つまり、確変(確率変動)に入った事を意味する。
ここで、「CRエヴァンゲリオン」のパチンコ台から興味を持ち、レンタル店で、テレビ版の『新世紀エヴァンゲリオン』を借りて見る事になるのである。
しっかし、この『新世紀エヴァンゲリオン』は、ほとんど、謎だらけの漫画で、何故、「使途」などと言う奇妙な怪物が現れるのか、「人類補完計画」とは何か、何故、選ばれた14歳の少年・少女で無いと、ヒト型最終決戦兵器のエヴァンゲリオンと「シンクロ」できないのか?全く、説明が無いのだ。
しかし、この漫画のテレビ版を作ったのは、後に、映画「シン・ゴジラ」を作った庵野秀明氏である。
また、庵野秀明氏は、「エヴァンゲリオン劇場版:序・破・Q」更には、「シン・エヴァンゲリオン」まで、映画を作っている。
私は、この内、「エヴァンゲリオン劇場版:序・破・Q」の、ブルー・レイを買って、いつも見ているが、やはり、何度見ても、意味不明のままだ。
あっと、ここは、パチンコ台の話をする場だっけ。
ゴメン、ゴメン……。
それでも、初期の頃の「CRエヴァンゲリオン」は、連チャン率が高かった。多分、確変継続率は60%代にもかかわらず、私でも、最高で、16連チャンした事もあった。
しかし、最近の「CRエヴァンゲリオン」は、ラウンド数も少なく、出玉も少なく、連チャンも少ない。これは、現在、今でも「CRエヴァンゲリオン」を打っている人なら、即、理解できるであろう。
だから、この台を作っている、フィールズの株価は、下がる一方である。多分、 「保安通信協会」に、配慮した結果なのであろうが。
で、私個人的には、「CRエヴァンゲリオン」の台の大ファンなのだが、台が、マイナー・チェンジする毎に、面白くなくなって行くのである。
これでは、パチンコ台を作っている会社の「フィールズ」の株価も下がる訳だ。
しかし、ファン心理とは、恐ろしいもので、勝てないと分かっていても、ついつい打ってしまうんだよなあ……。その台が、好きなのでねえ。
私は、定年後、投資金額と、儲けた金額を、手帳に記して、パソコンの「エクセル」で集計を取っていたのである。
結局、以前に、妻に買った、ブランド・バッグ以上の、損失に陥り、泣く泣く、「CRエヴァンゲリオン」を打つのは、きっぱりと辞めたのだ。
既に、定年になり、年金生活では、それ以上打ち続ける事は、ただただ、負け続ける事になり、不可能になったからである。
現在でも、コロナ渦でも、暇潰しに、パチンコを打ちに言っている高齢者は、多いと言うが、私は、緊急事態宣言発令後、実は、パチンコ店には、行った事は無いのだ。




