万華鏡の夢跡
ふわりと浮かぶようにして
世界を俯瞰する
見上げれば、
突き抜けるような水色の海が広がり
大海には点々と白い島が浮かんでる
降り注ぐ輝きは
波間の揺らめきで弾けて
万華鏡のように砂地を照らす
ゆらりゆらりと
流れに身を委ね
紅、白、オレンジと
色鮮やかな
珊瑚の森を通り抜け
黒と白の大岩の陰
その向こうに立つ灰色の森
幾何学模様に区切られた
真四角になった空洞は
多くの命の護り木となり
波間の先のその向こう
遥か空まで届こうと
高く高くそびえ立つその尖端は
空を渡る命達の
ほんのひとときの憩いの場となり
水面のこちらとあちら側
世界を分かつ境界を越えて
命を宿すその様は
かつて聞いた生命の樹のよう、と
畏れ多さを感じてしまう
熱気は命に躍動を与え
その心ごと震わせ、奮わせる
数多の命が
世界に舞って
新たな季節の巡りを感じる
命が巡り巡るように
世界が巡り巡るように
時も巡り
輝く季節がやってくる
眺めた世界は揺らめいていて
夢見るように夢を見たのか
夢追い人の夢跡を見たのか