副店長ユカリ
キャンディスイーツ商会は、順調に売上を上げていた。ジャムは街の皆が買ってくれるので、最低限の売上が約束されている。
「それにしてもジャムの売上が上がり過ぎじゃないかな?」
店の売上をユカリさんから聞いていると、ここ最近ジャムの売上が10倍にまで上がっていた。
「このまま行くと在庫が無くなるかもしれません。」
ユカリさんが心配そうに言うが心配はいらない。
「大丈夫ですよ。在庫は決して無くなりません。入れ物の注文は定期にしてますので、余裕があります。」
スイーツ空間収納には、ダンジョンから取れる果物で作ったジャムが大量にあるのだ。この街全員が10年は食べて行けるほどの量はあるだろう。ビンもダンジョンポイントで作成出来るが、出来るだけは注文して、街にお金を落としている。
「そうですか。店長が言うなら問題ありませんね。他の街から行商できた人が買って行くので、量が多いのです。」
「良いことなんじゃないの?俺からしたらありがたいよ。お礼を言いたいくらいですね。」
「そうですね。売上は順調なので問題ありません。」
「いつもありがとうございます。給金も全員上げたので、不満がなければ契約更新お願いします。」
更新内容は、時給を倍にするのだ。平均時給500エルのトルマで時給1600エルに俺はした。それだけやっても問題ないし、皆に還元していこうと思う。
「不満なんてとんでもない。全員がありがたく更新しました。良かったのですか?」
「大丈夫でしょう。ジャムのおかげで今は毎日200万エルも稼げるんだから。行商さまさまだね。あとユカリさんを副店長にしたからユカリさんは、3倍に上げたからよろしくお願いします。」
行商のおかげで皆ハッピーだね。ユカリさんを副店長にしたので、頑張ってもらおう。俺がやるよりも上手くやるだろうな。
店を見るが問題も無く営業している。
さて、そろそろオークションの街に出発するかな。
ちなみにこの買い占めは、ロイヤルスイーツ商会会頭命令で傘下の行商が、キャンディスイーツ商会からジャムの在庫を無くす作戦で動いている。これだけ大量に買えば無くなるだろうと、半年に渡って買い占める作戦なのだ。買ったジャムは、他の地方で高値で売るので、ロイヤルスイーツ商会傘下も売上を急増させる、とてもありがたい作戦なのだ。
しかし、傘下の中にはビンを詰め替えないでそのまま売ってしまい、ロイヤルスイーツ商会と違う商品だとロイヤルスイーツ商会へクレームがくる事態となるのだが、皆「このジャムは誰が作っているんだ?他の商品はないのか?」とクレームなのか要望なのか分からない事態になっていき、多くの地方にキャンディのジャムが浸透していく事になっている。
まるでキャンディスイーツ商会の下請けのこどく、ジャムだけでなく、クッキーやキャラメルを大量に購入し、ロイヤルスイーツ商会に内緒で他地方へと行商が走るのだ。
それにより、さらにキャンディスイーツ商会が発展するのをロイヤルスイーツ商会会頭はまだ知らない。
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