↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/84

カルロ王子のお妃選び 1

 お城では、カルロ王子の父母である国王と王妃が、人払いした金色の間でヒソヒソ話し合っていた。


「カルロ王子も18歳になりました。そろそろお妃選びをしないとなりませんね」

「どこかにいいお妃候補はいないもんだろうか」


 貴族の中に二人の気に入る令嬢は見当たらなかった。


「国中にお触れを出してみてはいかがでしょう」

「一般から選ぶのか?」

「はい。良い娘がいれば万々歳ですし、いなければ諸外国から迎え入れることにしましょう」

「それならいいだろう。そうしよう」


 本人抜きで話が決まり、お妃選びの園遊会を開く旨のお触書が国中に貼られた。


 たまたまお忍びで市中を散策していたカルロ王子は、偶然お触書を目にすることとなった。


(なんだ⁉ このお触書は! 私のお妃選びだって? 聞いていないぞ! いつの間に決まったんだ!)


 びっくり仰天。


 お触書の前でワイワイと庶民たちの話し合う声が耳に届く。


「見てみろよ。とうとう、カルロ王子のお妃選びが始まったぞ」

「今回は一般から選ぶのか。さすがは我らの王様だ」

「これは楽しみだ。どれほど器量よしの娘が選ばれるのだろう」

「あの子はどうだ? ほら、ボニファーチョのところの……」


 カルロ王子はドキリとした。


「フランカだろ?」

「ああ、そうだ」


(レーナじゃないのか)カルロ王子はがっかりする。


「あの子も確かに器量よしだ。あの毒舌が治れば、可能性はあるかもな」

「あれがいいんじゃないか。ツンデレだぞ」

「それはお前の趣味だろ」


 ワハハと野太い笑い声が広がる。


「ところで、カルロ王子の顔って知っているか?」


 カルロ王子は、思わずフードを引っ張って目深(まぶか)に被り直す。


「いや、知らない」

「生まれた時以来、見たことないな」


 人々は一様に首を傾げた。


 国王夫妻の方針で、王子王女は、成人、もしくは結婚するまで、表に顔を出さないことになっている。

 暗殺や誘拐の危険を回避するためだが、そのお陰でカルロ王子は自由に市中を歩き回れるのだ。


「この園遊会で初お披露目されるんだろうな」

「噂ではかなりのイケメンらしいぞ」

「王様が男前、王妃様も三国一の美女だものな。イケメンなのは間違いない!」

「へえー、楽しみだ」

「早く拝みてえ。目の保養になる」

「男なのに?」

「あやかりたいんだよ」


 期待値が上がってしまって、カルロ王子は耳がこそばゆい。


(今回の園遊会で顔を出さねばならないのだろうか)


 そうなると、今までのように自由に外を出歩くことが難しくなる。

 それは、カルロ王子にとってとてもつまらないこと。これからの日々が灰色になってしまう。

 結婚相手もまだ決める気にならない。

 一気に気が重くなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。