032 VSドラーゴ・ケーニヒ
俺と結菜、ドランさんは龍の聖域の神殿の前にいる。
「ユウシン!」
綺麗なドレス姿のカーミルが叫ぶ。
「カーミル、助けにきたぞ」
ドラーゴの結婚式に集まっていた民衆たちがガヤガヤとしだす。
「ほう、お前らどうやって牢から抜け出した。それに奴隷の首輪も――まあいい。我に勝てる奴などいなのだ。折角あの時は見逃してやったのにわざわざ龍の国まで来て、馬鹿な奴らだな」
ドラーゴは俺らに向けて言う。
兵士達が剣を抜き、構える。
ドラーゴが「半殺しにして捕らえよ」と命令する。
剣を持った兵士達が襲いかかってくる。
「【龍水の渦】」
ドランさんが魔法を使う。
襲ってきた兵士たちの足元から水の渦が生まれ、飲み込んでいく。
「うあああああああああああああああああああああああああああああ」
兵士達は悲鳴を上げる。
数秒後、水の渦が消えると兵士たちの見るも無残な死体が出ていた。
「ほう、お前のような弱者でもその程度は出来るのか」
ドラーゴがドランさんを見下す。
「あなたに王になる資格はありません」
ドランさんがドラーゴに言い放つ。
「ほう。言うようになったな。弱いのに」
「【龍滅の水龍刃】」
ドランさんが水の斬撃のような魔法をドラーゴへ放つ。
「ほう。龍殺しの魔法か。だが、我には効かない」
水の斬撃はドラーゴに到達する前に消滅した。
ドランさんは悔しそうな表情をする。
「我にはスキル〈魔法破壊〉がある。我に魔法は一切効かないというのは知っているだろうに」
ドラーゴは笑いながら言う。
「ドラーゴよ。遊んでないでさっさと片付けるのじゃ」
王、ドラゴ―クがドラーゴへ言う。
「前々から目障りだったんだよ――【龍絶死の龍水刃雨】」
「なっ!? 【龍水纏】【龍水剛盾】――あああああああああああああああああああああ」
ドラゴ―クは、水の斬撃の雨から見を守ろうと魔法を使ったが、魔法は発動した瞬間に消滅した。
「我の前で魔法が使える訳ないのに。愚かな奴だな」
場は静まり返った。
突然、王が殺された事にみんな驚いたのだろう。
俺も一瞬何が起きたんだと思った。
王子ドラーゴは、王ドラゴ―クの操り人形じゃなかったて事か。
「そういえば、そこの黒い髪の奴がユウシンって奴か。そうだ、ちょうどいい。お前を半殺しにして、その目の前でカーミルを犯してやろう。嘸かし楽しいだろうな――【水散弾】」
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
俺の体中から血が吹き出し、後ろへ倒れた。
意識が遠くなっていく。
「我は相当手加減したはずだが、これで死ぬとは弱すぎであろう。人間は弱いな――いや、人間にしても弱すぎる。まだ、ゴブリンのほうが強いのではないか」
――――――――――〈死からの反撃〉発動。
「我の折角の楽しみが無くなってしまったな。まあいい――――――ほう」
俺は立ち上がった。
目の前に石畳は、俺の血が大量に飛び散っていた。
体中血まみれだった。
「楽しみがどうした?」
「ほう。死んだと思ったが――――お前、スキル持ちだな」
「それがどうした」
「見た所、治癒か蘇生のスキルか。いつまで持ちこたえられるかな」
ドラーゴは嫌らしい笑みを浮かべて言った。
俺は死んだ時に落とした2つの短剣を拾う。
「ほう、そんな短剣で何が出来る。我には魔法も魔道具も通用しないぞ――【龍水散弾】」
無数の水の弾が俺に迫って来る。
俺はドラーゴの攻撃をそのまま受けた。
いや、正確には俺に当たる前に魔法が消滅した。
「ほう、少しはやるようだな。これはどうかな――【龍水剣雨】」
水で出来た剣が俺に降り注ぐ。
俺はそれを、両手に持った2つの短剣で全て防ぐ。
「そこそこ、やるようだがこれで終わりだ――【龍水渦絶牢】」
俺の足元から水の渦が現れ、俺を飲み込む。
「ユウシン!」
「優心!」
カーミルと結菜の声が聞こえる。
「少しやり過ぎてしまったな。これでは死んでしまうかもな――――――何っ!?」
俺を水の渦を消滅させた。
「無傷だと、どうなってる」
ちょうど、血が洗い流されてスッキリした感じだ。
体もスウスウしていい感じだ。
俺は、一瞬でドラーゴの目の前まで行き、腹を蹴り飛ばした。
ドラーゴは一瞬で神殿の石柱に打ち付けられる。
「なかなかのスピードだな。久しぶりに我も本気を出すか――【神速】【水龍神の剣】」
ドラーゴの手に水で出来た剣が現れる。
水の剣を手にしたドラーゴは今まではとは比較にならない物凄いスピードで俺との距離を詰め、斬りかかる。
速い。
こんなにも速い相手と戦うのは初めてだ。
だが、今の〈死からの反撃〉なら余裕で対応出来る。
俺は、ドラーゴを上回るスピードで水の剣を4回斬りつける。
すると、ドラーゴの手にあった水の剣は消滅する。
「なん、だと!」
ドラーゴは動揺を隠せないでいた。
俺はドラーゴに短剣で斬りかかる。
「なっ!【龍水剛壁】」
俺の短剣は水の壁に一瞬阻まれ――――水の壁は消滅する。
ドラーゴはその隙に後ろに下がり、距離を取っていた。
「これで終わりだ――【水神龍の息吹】」
直径が俺の身長よりはるかに大きい高圧噴射されたような水が俺に襲いかかる。
俺は短剣でその魔法攻撃を高速で斬りつけ消滅させる。
「なぜ、無傷なんだ! なんだその強さは! 我がずっと〈魔法破壊〉を発動せてるから、魔法は使えないのに!」
残念ながら俺は魔法が使えないんだよな。
なんせ、魔力量ゼロだからな。
「くらえ、我の最強魔法――【九頭水神龍の息吹】」
ドラーゴの後ろから青い宝石で出来たような龍の頭が9つ出てくる。
それぞれの龍は口を開き、そこから高圧噴射されたような水が俺に放たれる。
俺はそれを避けずに受けた。
もし避けたら、確実に他の所に被害が及ぶからだ。
なかなか強力な魔法だな。
「なぜ効かない!? 何のスキルだ!? お前のスキルはなんだ!?」
「なんだろうな」
「お前、まさかスキルを複数持っているのか!?」
「どうだろうな」
俺はゆっくりとドラーゴの方へと歩いて行く。
「く、来るな! 化け物! 【龍絶死の龍水剣雨】!」
ドラーゴはカーミルとその近くにいるドレスを来た女の子達へと魔法を放った。
「しゃがめ!!」
俺はカーミル達元へ行くと同時に叫んだ。
カーミル達に水の剣が迫る。
俺はその水の剣を全て短剣で斬りつけ、消滅させた。
カーミル達は無傷だ。
「ありがとう、ユウシン」
カーミルは俺を見て言う。
ドレスを来た女の子達は、「嘘、生きてる」「なんで!?」「えっ、助かった」などと声を上げたり、泣き出したり、呆然と俺を見ていたりした。
「カーミル、終わらせてくる」
カーミルは「うん」と頷いた。
「誰か、誰か、我を助けろ! 助けろ!」
俺が近づいていくとドラーゴは必死に助けを乞う。
「我を助けたら、金をやる! 女もやる! 助けろおおおおおおおおおおおおお」
誰も助けには来なかった。
短剣でドラーゴの腕を切り飛ばす。
「あああああああああああああああああああああああああ――【完全再生】」
ドラーゴは魔法で腕を再生する。
「なぜ、魔力が減ってる!?」
それは俺のスキル〈死からの反撃〉の能力の1つだ。
「ま、待ってくれ! 我が悪かった! カーミルは返すから許してくああああああああああああああああああああああああああああああ」
俺は再び腕を切り落とした。
ドラーゴは「【完全再生】」と腕を魔法で再生させる。
「他の花嫁も全部お前にやる! 龍の国も城もやる! 奴隷達も全てやる!我の裸婦画も全てお前に! そうだ! カーミルの裸婦画もあるぞ! だから命だけは!!」
「言い残す事はそれだけか?」
「あっ――――――――――――」
俺は短剣でドラーゴの首を斬り飛ばした。
ドラーゴの首が宙を舞い――――――床へと落ちた。




