プロローグにも達しない
ちょっと前に、こんな話を読んだ。
「物語において最も重要なのは、『ステータス』である。登場人物たちは、『ステータス』をあげるために必死で戦うのだ」
読んだときは「この人は何を言ってるんだ」と、思った。もちろん、ステータスは大事だと思う。でも、ステータスだけなんかじゃないと、思いもした。
「生徒のみなさん、おはようございます。これから頑張って殺し合ってくださいね」
嫌な声だ。何が殺し合えだ。校長には死んでもらいたいよ。
「何これ…!いや!」「ステータス?なんだこれ?」「攻撃25?」「レベル1?」「なにこれ?怖い!」「きゃああああああ!」「いやだ!お父さん!お母さん!」「殺し合い……?」
……やはりというべきか、学校はうるさくなった。もちろん、俺だって叫びたい。怖いし、震えが止まらない。でも、それ以上にこの指数が気になった。それに、このゲームのクリア条件も。
「いやだあ、死にたくない」「あはははははははは!」「うわあああああん!」「助けて!」「この、くそ校長!お前が死ね!」「そうだ!」「お前が死ね!」
みんなの心が荒れている。しかも、校長に逆らおうとする奴もいるよ。ああ、死んだな。
「みんな!落ち着いてくれ!」
その一言で、あっという間に静かになった。声の主は、カリスマ性の高い生徒会長だった。彼の名前は……
味噌煮の友のCa(OH)2こと水酸化カルシウムだ。語彙力は皆無だ。少しでも楽しんでいって欲しい。