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神様と友達な彼と最強くん  作者: 雨園 咲希
妖怪討伐 IN 白帝学園
69/230

その69

「ぉんのれぇぇぇ………ナメたまねしやがってぇぇぇぇ………」



 壊れた人形が無理に動こうとするギギギギ……という音がしっくりくる動きでいまだ止まらない鼻血を垂れ流しながら僕を見上げる体育教師。



「まずい、逃げろ!」



『うええ!?なんだ急に!』



 倒れたまま動かない事態を予想してしたのに立ってやがる。余裕がないが立ってやがる。


 おかしいな。かなり頑丈にしたのに。顔面の衝撃は半端ないはずなのに。鼻血が止まりかけてるぞ。チッ、甘く見ていた。


 ゆらぁりと一歩、また一歩とおぼつかない足取りでしかし確実に僕に近付いていた。


 当然僕は逃げる。炎の柱も一緒についてきたが、ここは体育館。炎の柱は出現されてから今もずっと天井を突き破っている。小さな穴が広がり、炎を纏う玉が移動すると天井には一直線に穴が空けられていた。



「その炎の柱出すのやめろ!」



『玉に閉じ込められても力が使えるんだから仕方ないだろ!使えるときに使わないと!』



「使いどころ間違ってないか!?」



 どうすんだこの状況。僕が悪事を働いたことがバレて追われるとか最悪じゃないか。



 走りながら思う。


 本当に自分は何をやってるんだ。


 柳の行方を知ろうと方法を探っていたのに、神と名乗る玉の声が自分にSOSを出したからって助けて、あまつさえ僕自身が危うい立場になるなんて。


 こんなことになるなら助けなきゃ良かったとさえ思ってしまう。



「いっそのこと見捨ててしまおうか……」



『オイ今殺気と共に無慈悲な一言が聞こえたぞ!?俺神様だよ!?神様見捨てちゃイカンよ!?』



 神様か。神様ねぇ。


 玉が喋って火ぃ出してるだけで神々しさは皆無だから、今更ながら半信半疑だ。


 後ろを振り返るが誰もいない。なんとかまいたようだ。



「ゼェ……ゼェ……全力、疾そ、して…ようやく、まいたか……」



『おーおー、大丈夫かあ?今にも息が途絶えて絶命しそうだぞ』



 ケラケラと笑うお喋りな神(仮)をギロリと睨みつける。


 そりゃ疲労困憊にもなるわ。体育館どころか校舎からもかなり離れたあまり来ない場所まで全力で逃げたんだから。



「ああぁもう……ここ部活棟の近くじゃないか。こんな遠くまで来てたなんて……」



 ぐるりと見回し、場所を把握する。



 寮と校舎とは別に部活動専用の校舎が学園内でいくつかあるのだが、部活動の棟があるのは学園の端っこ。距離にして寮と校舎から約3キロメートルほど離れたところにぽつりぽつりとある。


 どんだけ校舎があるんだって話だよな。学園の見取り図を見るとだだっ広いし。


 この学園どこぞの金持ち学校なんじゃあ……おっと話がそれた。



「はぁ……ただでさえ校舎から寮までの距離も歩くのが億劫になるほどだってのに、いつの間にこんなところまで……戻るのがめんどい。というか戻りたくない」



 教師の餌食になるのは御免だ。



『なんかわりーね。俺が助けてもらったばっかりに人間のお前を巻き込んじゃって。でもだからってあそこまで嫌われるかなぁ?』



「ほっとけ」



『今までの行いが悪かったんじゃねーの?なんつって』



「だからほっとけ!!」



『図星か。何をしでかしたらあんなんなるんだか……ん?』



 ケラケラ笑いながら真実にたどり着いた神もどきに本気でイラついたころ、ようやく炎の柱を引っ込めた。


 なんで今なんだ。もっと早くに収まってくれ。つか炎出すな。などと思っていたら目にも留まらぬ光の速さで僕の制服のポケットの奥底まで潜り込むではないか。なんだいきなり。



『やっべー………なんか知らんが今あいつ呼ぶのは駄目だったらしい。めっちゃ怒ってる』



 ポケットに穴が開くんじゃないかってくらいぐいぐい奥まで潜ってる。おいやめろ。



「おい、制服に穴開けるなよ!?てかもしかしなくても怯えてないか?」



 またもやしぃんと静まりかえる。



『……………来る』



 唐突にぽつりと口から出たその言葉に目が点になったその瞬間、上空から何かが勢いよく落ちてきた。




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