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神様と友達な彼と最強くん  作者: 雨園 咲希
妖怪討伐 IN 白帝学園
63/230

その63

 南雲が三つ目妖怪を倒したまさにそのとき。背後から感じる禍々しい妖気を察知した。



 ビシュッ!!



「うぐっ………!」



 身体ごと振り向いたときには時既に遅し、肩から腹部にかけて思いきり斬られた。


 斬撃をもろにくらったのは初めてだ。当たり前だけどすっげー痛い。



「柳っ!!」



 悲痛に俺を呼ぶ南雲の声が小さく感じる。



「あ……アニキ達を殺した罰だ!よくもアニキを……っ!」



 聞き慣れない声のする方を見ると、まだ子供と思われる三つ目妖怪がいた。さっきのデカい図体の三つ目妖怪の弟か?そっくりだわ。


 アニキを殺した罰?殺したのは南雲だっての。何勘違いしてんだよ。



「雷鳴轟く雷となりて舞い降りよ!雷光召!!」



 2回目の光の柱が三つ目妖怪(弟)を貫いた。


 無詠唱の符なし術発動はかなり力を浪費するらしく、息切れが半端ない。



「大丈夫か?」そう口にしようとしたが、声がでない。それどころか意識が遠退いていく。



「柳!!しっかりしろ、柳っ!!今教師を呼んでくる!ああ、それよりも結界の外に出ないと………っ」



 こんなに取り乱してる南雲を見たのは初めてなんじゃなかろうか。面白いからもう少し見たい。だけど、視界が霞んでいく………




 身体の痛みが増すほどに、まるで死がすぐそこまで来てるかのように意識が保てなくなって、とうとう意識を手放した。



―――――――――――


―――――――――――――――――――



 意識を手放してからどのくらい時間が経っただろう。


 あたりは暗闇一色。


 意識だけがそこに在るかのように暗闇の中に溶け込む自分。


 冷たいようで、どこか温かい。


 そんな空間に、俺はいた。



『君は幸せ者だね』



 どこからか声が聞こえた。


 その声は何故か自分の声だった。


 不気味さを感じつつもその声の主に向かって語りかける。



 ー俺が喋ってるの?ー



『違うよ。君の中の俺が君と意志疎通してるのさ』



 ー俺の中の……君?君は誰?ー



『俺?誰って、そりゃあないよー!』



 突然悲痛な声をだすソイツ。姿形が見えてたら、なんとなく頭抱えてそうだ。


 そりゃあない、とはどういうことだろう?



『俺はソウ。君の中に潜む人間ではない者の血を引き継ぐ者。まあもう一人の柳 爽と思ってよ』



 人間ではない者の、血?引き継ぐ者?……言っている意味が理解できない。



『あははっ!理解できないって顔だね。そうだなぁ、そろそろ話しても良いかもしれないね。成り行きとはいえ、せっかく意志疎通できたんだし』



 あたかも楽しそうに笑うもう一人のソウという人物。今の状況を楽しんでるとしか思えない。


 だが次の言葉は真剣な声色で、それでいて神秘的で、自分の声なのに自分の声じゃないみたいな変な感覚に襲われた。



『君は人間なんていう下等な生き物じゃない。もっとすごい存在だ』



 ー俺は人間だー



『まーだそんなこと言ってる!なんで分からないかなぁ……南雲 清流の結界をすんなり通れるのも、人間の術にかかったのも、君が人間じゃないからなのに』



 まぐれだ。全部。たまたまそうなっただけのことだ。俺は普通の人間だ。……そう信じたい。


 俺の言おうとしてることは全部筒抜けになってるのか、ふっと鼻で笑った。



『悪いけど、もう遅い。カウントダウンはとっくに始まってる』



 その瞬間、目の前に誰かが現れた。



 俺と同じ青い髪。


 同じ顔。


 同じ体躯。



 自分が目の前に現れた………



 目の前の自分は怪しげに微笑を浮かべ、口を開く。




『あと7ヶ月と12日』




 なんのカウントダウンか分からないまま、今度こそ本当に俺の意識は闇の中へと誘われた。




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