その10
「つーか爽もなんで助けに来てくれなかったんだよ!?爆発音聞こえてたろ!」
いきなり話振られた。
てか神様に助け求められた。
「防音の術も部屋に張り巡らせたので。爽が誰かさんを助けに行かないように」
俺が口を開くより先に白狐が答えた。
徹底してるところが白狐らしいな。そして怖さ倍増だな。
それを言ったら白狐のやつ、一瞬嵐武様を睨むように目を細めたあと満面の笑みで
「やるなら徹底的にやらなくては……ね」
ってなセリフを言い放った。
めちゃくちゃキラキラしてやがる、白狐の纏う空気。
これはアレだな、日頃の行いが悪い嵐武様への怒りが溜まってたんだな。その証拠に白狐は嵐武様に対してのみ毒舌になる。
時々俺や他の神様に対しても毒舌になることはあるが、あそこまで酷くはない。
「どこまでも徹底しやがって、可愛げのないタレ目雄狐がっ!」
悔しさと怒りがごっちゃになったような複雑な顔で呟く嵐武様。だがその呟きは白狐にも聞こえていたようで。
「誰がタレ目だって……?」
ゆらぁりと白狐のまわりの空気が揺れ、凄い黒いオーラが解き放たれる。
その黒いオーラを纏った白狐の顔は修羅のごとき顔で……ってぇぇ!!?
ちょ、マジか!あの大人しくて常に冷静な白狐のマジ怒り顔を拝める日が来るなんて!
何が彼をそうさせた?『タレ目』って単語か?いやそうだよな、タレ目って単語に反応してたし。
嵐武様が「しまった…」って言ってたってことは知ってたわけね。知ってて爆弾投下したわけだね。一生机にへばりついて延々と仕事してれば良いのに。真面目な神様に生まれ変わってこい。
おかげでほらぁ!!俺も巻き沿いくらっちゃいそうじゃんかぁ!!早くこの場を去りたいんだってば!嵐武様、白狐の怒りちゃんと修めてよ!?
「白狐、すまんな。お前が言われたら嫌だって言葉を吐いちまって……」
おっ!?珍しく素直に謝ってる。この様子だったら大丈夫…
「でもこれだけはきちんと言おう。お前は誰が見てもタレ目だ」
じゃなかった!!
もちろん白狐の怒りは収まるはずもなく、その瞬間、嵐武様の屋敷が見るも耐えない無惨な光景となった………




