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手紙

作者: 太美

仕事をやめた。


仕事はやりがいがあったけど、先輩からの妬み、僻み、嫌がらせ・・・・・・


そんな事に煩わされるのが嫌になった。


社会人になっても、こんな世界があるのかと正直驚いた。


こんな事に負けるのは悔しいけど、自分の身を守るためには仕方が無い。


上司のストーカーが始まってからは、生きた心地もしない。


そこで、会社を辞めて引越を決めた。


荷物を整理しているとクローゼットの奥に、埃にまみれた小箱が出てきた。


アクセサリーでも入れてたのかと思い、箱を開けてみた。


中からは懐かしい手紙が出てきた。


学生の頃の彼からの手紙。


手紙には、いろんな思い出が詰まってた。


懐かしい文字を見て、そんな懐かしい時代が頭の中を駆け巡った。


その時に悩んでいた事、不安に思ってた事、これからの二人の事。


何でも相談して、答えを導き出していた頃。


社会に出て、なんとなく疎遠になった彼。


メールがあったのに、文字にした方が気持ちが伝わるからと言って書いてた手紙。


何通か読み返すと、気分は学生時代に戻っていく。


「俺、本当にお前の事が好き。 文字にしてみると、よくわかる。」


そんな文字を見て心が痛くなる。


なんて事のない文字、一文字一文字に彼の気持ちがにじみ出ている。


何通か目を通した後、最後の1通になった。


そこには、携帯の番号が載っていた。


「懐かしく思ったら電話をくれ。絶対番号は変えないでいるから」


こんな手紙、もらってたっけ?と思いながら懐かしさのあまり電話をする。


ワンコール・・・・・・・


ツーコール・・・・・・


スリーコール・・・・・・・


私は何をやってるんだろう?


段々恥ずかしくなってきた。


彼がもし出たら、何を話すんだろ?


衝動で電話してみたけど、本当に彼が出るんだろうか?


不安になって、電話を切ろうとした時


「もしもし・・・・・・」


懐かしい彼の声がした。


「もしもし・・・・・」


私は声が出せない。


「もしもし・・・・・・・もしかして・・・・・・・」


勇気を出して話してみた。


「久しぶり。元気?」


「やっと、電話してきてくれたか!」


話をしてるうちに、涙が溢れてきた。


今まであった、つらかった事が嘘のように消えていく。


彼は地元に残り、家業を継いでいるらしい。


「大丈夫か?今度、こっちに来ないか?」


一人で生きるのに疲れてた私。誰かに支えて欲しかった。


少し、心が温まった夜部屋のチャイムが鳴る。


ドアさえ開けなければ、上司は入ってこれない。


恐る恐る、確認のため、のぞき窓から覗いてみた。


彼だった。


慌ててドアを開ける。


抱きしめられて、身をゆだねる。


よく考えてみると、彼は私の今の住所を知らない。


慌てて、身体を離し、相手の顔を見る。


そこにいたのは、彼でもなく、上司だった。


恐ろしい顔で私を見つめている。


「お前、何で仕事を辞めたんだ?俺と言う奴がいるのに、なんて女だ!」


そういい終わると同時に、お腹の辺りに衝撃が走った。


「これで、お前は一生おれのもんだ!」


そう笑いながら、上司は走り去っていく。


力が抜け、膝から崩れ落ちた。


お腹の辺りを触ってみると、血が出ている。


お腹を押さえ、這いながら携帯を捜す。


119に電話して、朦朧とするなか何とか話した。


電話を切り終わると、意識が薄れていく。


なんだか、とっても眠たい。


まぶたが重く感じる。


眼を閉じてみた。


そこには、懐かしい彼の顔がある。


私を優しく抱き起こしてくれた。


せっかく起こしてくれたのに、私は彼の元から離れていく。


彼がどんどん小さくなっていく。


彼の声も聞こえなくなっていく。


私一人でいったい何処にむかうのだろう?


辺りが真っ暗闇に包まれた。


 

少しありきたりな展開になりましたが・・・・

読んでいただき、ありがとうございます。

今後の参考にぜひ、コメントをお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後の意識が薄れていく描写は上手いけど、上司にあまりにも呆気なく刺されてしまう所が、残念でした。もう少し粘って、恐さを伝えてから、刺される方が良いと思います。
[一言] より面白いホラーを書くために、日々ホラー作品を読んでいる売国有罪という者です。僭越ながら感想をば。 まず最初に手紙って結局要らなかったのでは? と思いました。 上司から逃げる→引っ越しの準…
[一言]  うーん、なんだか単調過ぎて怖さが伝わって来なかったかなぁと思います。  もうちょっと心理描写を加えてみたら、物語に入り込めるんじゃないかなぁと、あくまで一個人の意見ですが、そう思いました…
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