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第二十八章

「昨日は大変だったよ」


心は真妃に不満そうに語っていた。


「だって、あんな太い本覚えなきゃならないんでしょ? 読むの大変すぎるよ」


それは朝食の時間。


トムと賢は早朝からケンカで、わざとらしく間をあけて座っていた。


私は気にしながらも心と真妃の会話に時々入ったりと、関わらないようにしていた。


匠は、少食らしく既に食べ終わり学校新聞を熱心に読んでいた。


「でも私読める範囲はしっかり読んだ。だって1年生は基礎なんでしょ? 仕方ないんじゃないの」


真妃は優等生らしい意見を述べた。


私もなんとなく頷いてはいた。


「僕はあんまり勉強熱心じゃないよ! でも……」


この瞬間心の言葉は遮られた。


「おい! 今ミカンの汁がとんで来たぞ。汚いなぁ、清潔感ぐらい持てよ」


トムが賢に怒鳴りつけた。


賢は睨んだだけで、食堂から黙って出て行った。


「ト、トム君、君ちょっと言いすぎじゃ」


匠が学校新聞から少し顔を出して言った。


「俺は何も悪くないぞ」


トムはそう言って、大げさにテーブルを叩くと、賢とは違うドアから食堂を出て行った。


残された私たちは、数分の沈黙を味わい、朝の授業へと足を運んだ。




1時間の授業内容は、とにかくタイムガードの基本的事。


見学会でも説明を受けたことを再び聞かされた。


そして、タイムガードとして名を残していった英雄たちについても細田先生が熱く語った。


父の名前は一瞬だけ出たが、何かを気にしているらしく、先生はその事件についてはあまり触れなかった。



「な〜んか、意外と授業つまらなかったなぁ」


心が授業が終わるとそうぼやいていた。


「そう? きっと最初だけだと思うけど」


真妃は不満をけして言わない。


「当分はこんな感じなんだろうね。1年生は基礎だって先生が言ってるんだ。最初の内はなかなかさ」


と賢。


「確かにな! 徐々に面白さが分かってくるようなもんだぞ。だが、そこそこやっておけば大丈夫だ」


振り返ると壁腕組みをして立っている拓先輩が私たちに頷いていた。


「拓先輩!」


同時に声が上がる。


「なんだ? まさか風紀委員会である俺の存在を忘れていたのか?」


拓先輩は冗談っぽくそう言った。


「っていうか、何であんたがここにいるんだよ!」


トムが拓先輩の方へと歩み寄った。


「おお! 新入り、トム君。生活態度は相変わらず悪いようだね」


トムは腹立たしげに拓先輩をみる。


「そんな事どうだっていいでしょ?」


「良くないよ! 俺には義務があってな」


先輩は不気味に笑う。


「そう。あんたそっちの義務は果たすわけ」


その声は静香先輩だ。


拓先輩は小さく悲鳴をあげて、心の後ろに隠れようとした。


「せっっっかく、あたしがあんたの分まで宿題手伝ってやってるのに、姿がないと思ったら偉そうにここで義務だのなんだの言ってるわけ? あんたの優先順位はそういう……」


静香先輩はグイッと拓先輩の腕を引っ張った。


「わ、悪かったよ! 俺はただこっちの……後輩たちが心配で」


拓先輩はそんな言い訳を次から次にしては、静香先輩にキツク説教を受けていた。


拓先輩が自分の教室に帰って後、授業の予鈴がなった。




今日は2時間目も3時間目も、学校についての詳しい内容。


歴代校長、生徒会の成り立ち。


時空犯罪組織が起こしてきた有名な事件。


能力の種類やその効果。


などなど、まだまだ珍しい事はしないようだ。


4時間目になると、先生に連れられ武器・装置室へ入った。


再びやってきたこの教室。


やっぱり2度目も感動だった。


武器と装置は本物ではないらしいが、完璧だった。


「この武器は何ですか?」


心が最初に目に入った鉄の棒を指差した。


「これは電気が流れます。敵を抑え込む重要品です。基本は時空クリーン隊が使用する、痛い手錠みたいなもんだ。時空クリーン隊は、敵を現代に連れ帰り、政府に引き渡す任務もあるから、これは欠かせない道具の一つだ。武器の名前は確かな……ブープス」


細田先生の説明は分かりやすい。


「み、見かけはそこまですごくなくとも、貴重で完璧な武器があるんですね」


匠は関心をしめす。


「その通り! しかしこれらを全て頭に入れなければならないとなると、大変だ。授業は真剣にしっかりと受けてくださいね」


先生はそう言って、再び説明を始めた。


「これがタイムガードが使う銃の1つ。軽くて相手を一時的に麻痺させる事が出来る。タイムガードは人を殺したりすることは手段がなくなった時以外まずない」


そう言って先生は銃を私の手に乗せた。


「どうだ?」


重いと思ったが軽すぎで驚いた。


「すごく軽いです」


「これは実物ではないが重さは実物と同じです。よし、それをくれ」


私は先生に銃を返す。


「そして、これが緊急時装置。これは見学会に来た人は分かると思うけど、タイムマシーンに乗る前に必ず手首に装着する重要な装置だ。赤いボタンを押すと本部と通信ができる。3年生の最終実技試験でも使うから覚えておきなさい。その試験の場合は試験室と通信出来るようになってる」


それから先生は次々に装置武器を見せ、説明をしていった。


棚の1段が終わると、もうチャイムが鳴っていた。


「よし、ここまでしっかり頭に入ったかい?」


「いいえ」


即答で心が言った。


「こんなにたくさんは無理ですよ先生」


賢もさすがにそう訴える。


「何を言ってるんです? タイムガードは常に集中力を使い物事をこなしていかなくては……真妃さんのようにメモをするなど、頭を働かせて行動しては?」


振り返ると真妃は、ちょうどメモ書きを終えて、ポケットにしまったところだった。


「さすがだな、優等生さん」


トムが嫌味っぽく言う。


「さ、さすがですよ」


匠は感心していた。


「さ、昼食の時間だ。一年生諸君! 午前の部はこれにて終了。おつかれ」


先生は教室から出て行った。






昼食を食べ終えると長い長い自由時間となる。


私は真妃と一緒に静香先輩に呼ばれていたので中庭へと向かう。


「ねぇ、記憶力が優れているって言ってたけど……」


向かう途中、私は気になっていたので真妃に尋ねてみた。


「ああ、その事? そう、私は記憶力があるって昔から言われてた。道に迷った経験なんてないし」


真妃は髪をなびかせて、風の通る中庭を私と並んで歩く。


「へぇ〜! じゃあ、さっき習った事もちゃんと頭に入ってる?」


「まぁね」


そんな言葉を交わしたときだった。


『俺が任務をたくされたのさ! あんたには関係ないだろ』


どこからか、ヒソヒソと声が聞こえた。


私と真妃は立ち止り、顔を見合わせる。


「誰もいないと思ってた。気配がなかったから」


私は小声でそう言った。


ただ、ヒソヒソ声は絶えることなく、庭に置かれた石の像の陰から聞こえてきた。


『残念ながら、これは奴らによる命令さ』


怪しげなその会話……。


普段は盗み聞きなどしないが、謎の人物たちの会話に何か重大な物が隠されている。


そんな気がした私と真妃は、こちらも息を殺して木の陰に隠れると、耳をすませた。


『じゃあ、俺がここにいる理由は何だって言うんだ?』


どうやら会話しているのは二人組みらしい。


生徒なのか、声は若々しいがヒソヒソしているので聞き取りづらい。


でも少年であることは確かだ。


『そんなの俺が知るか! とにかく、あんたは不要さ。俺は奴らに使えると判断されたんだろうよ。少なくともあんたよりはさ! だから俺が動くんだ。俺が中心となって任務を遂行させる』


『そんなの間違いだ。俺は彼に忠実に従い、そして奴らにも信頼され期待され、これをたくされた。高度で、命がけの任務だ! それを新米のあんたが……』


『新米? ふざけるな! 俺はあんたより信頼されてる。今まではあんたしか見てなかったのさ。だがな……俺にはあんた以上に実力があると判断したようだ。じゃなきゃ俺にここまで任せやしない』


『そうかな? 騙されているんじゃないか? いいか、俺の作戦の方が計画性があり実行しやすく、成功率は高い! あんたさえ無駄に出てこなきゃ、簡単にうまくいくんだ。邪魔するんじゃない』


『おいおい、分かってないな。あんたはもう頼りにされていない。この任務からおりたいのか?』


『そんな権限が君にあるのかい?』


『ああ、あるとも。彼が、いや彼等が認めてくれる。あんたは少し俺より実力が低い。それを奴らはみな知ってる。だからこそ、計画を実行するのは、この俺に代え、そしてあんたは俺に従うように命令が下った』


『お前に? 従うだと!』


『そうだ。死にたくなければ』


『ふざけるな! 俺はあんたより頭が働く』


『どうかな? 第一それは思いこみだ』


『失敗すれば大きな被害が出る』


『だから、俺がこの任務を受け持つ重大人に任命されたんだ』


『じゃあ俺があんたに従えって?』


『ああ、そういう事だ!!』


『で、あんたの作戦だが詳しく話してくれるか?』


『やっとその気になったのか?』


『いいだろう……、ただし条件があるぞ』


私と真妃はお互いに顔を見合わせ、さらに耳をすまそうと、さらに近づいてみる。


だが……。


「何してるの! ヒソヒソと」


最悪なタイミングで静香先輩がやってきた。


私と真妃はサッと木陰に身をひそめた。


「先輩、隠れてください」


先輩は、首をかしげながらも私の隣にしゃがみこんだ。


「何事?」


先輩は疑わしげに聞いてくる。


しかし、向こうもこちらに気づいたようだ。


話声が止まってしまった。


「なんなのよ!」


先輩は状況を呑み込めないので、私に何度も尋ねている。


「おい、何してんだよ。そんなところで」


と、拓先輩と熊先輩が石の像の方からやってきた。


「先輩達だったんですか?」


真妃が呆れたように言った。


「何がだ?」


拓先輩は聞き返す。


「さっき像の裏で……」


真妃が言いかけたが私はそれを遮った。


「物音がしたもので、何か動物でもいるのかと思って隠れてたんです」


私の嘘に、真妃はチラッとこっちを見てから


「そうなんです」


と頷いた。


「動物だって? ハハハ校内にそんなのいるかよ!」


拓先輩は大爆笑。


「な〜んだ、そんな事」


静香先輩もクスクスと笑う。


「おい、拓。笑ってないで早速行動に移ろうぜ」


今まで黙っていた熊先輩がそう言った。


「そうだな! 熊、悪かった」


拓先輩は笑いを押し殺し、数秒後、真剣な顔になる。


「だが、後2人呼んでいるんだ。待っていろ!」


拓先輩は腕組みをして堂々とした口調をした。


「聞いてないわよ! こんなにたくさん?」


と静香先輩。


「当然だ。俺達の代で終わらせないためにも信頼できる後輩を集めて、ちゃんとだな……」


「先輩! 遅れてすいません」


そこへ現れたのは心と賢だった。


「よく来た。後輩よ!」


拓先輩はにこやかに2人を出迎える。


「先輩、一体何なんですか?」


私はまだあまり理解できない。


というか、頭の片隅で拓先輩と熊先輩を疑っている自分がいることに嫌気がさした。


2人が話していたかなんて正直、見ていないから分からないのだが。


あの場にやってきたという事は可能性は高い。


それにあの会話……。


どこか危なっかしい物を感じた。


だからこそ、この2人であると思いたくないのだが


「ま、ついてこい!」


拓先輩はそう言って私たちを歩かせた。


建物の裏を通り、裏道をクネクネと進んだ。


その間、私と真妃は先輩たちを警戒しながら、時々目を合わせて頷いた。


「ここだ!」


ニヤッとして拓先輩が言った。


「ここ……ですか?」


私たちは同時に声を上げた。


そこは、生徒でも教師でもめったにこない場所であり、建物の裏なので見えない場所だ。


そこには土と草しかなく、幅は狭い。


「で? さっき見つけたって言ったのは何?」


静香先輩は拓先輩と熊先輩を交互に見た。


「ああ、ここにあるのさ。な? 熊」


「ああ」


先輩達のやり取りを私たち四人はわけも分からず見ていた。


「フフフ、では説明をしようか」


拓先輩はニヤけて壁にもたれかかった。


「タイムガードには常に、裏切り者が現れる。それに対処するため学校側もタイムガード側も作戦を立てたりスパイを出したり、努力はするものの、敵も腕をあげていく。だからスパイや裏切りが多く起こる。それは対処が難しい。そこでだ! 俺達三人は思いついた」


拓先輩の語りにいらついたか、静香先輩が後を続けた。


「あたしたちは、三人で学校の手助けをしようと思ったの。だから三人でこの学校の地図を事務室から盗んだ」


「盗んだって、そんなことしていいんですか?」


賢が聞く。


「もちろん駄目に決まってるでしょ」


静香先輩は当たり前のように言った。


拓先輩は大笑いした。


「俺達はいたずら好きの問題児! でもそれも学校のためだよ」


「あたしは教頭室のドアノブに強力接着剤をたっぷり塗った事があるくらいなんだから。当然!」


静香先輩はにこやかに言った。


「とにかく、俺達は盗み出した地図を使って校内を調査したり、怪しいやつはとことん調べたりして学校に隠れて様々な事をしてる」


と拓先輩。


「過去に、三人、捕まえた、ことが、あるんだ」


熊先輩はいつの間にかクッキーをバリバリと食べ始めた。


「そうそう、あれはかなりのお手柄だった」


静香先輩が自慢げに頷く。


「そして君らをここに呼んだのには理由がある」


拓先輩はそう言って地面を軽く踏んで見せた。


「地面ですか?」


心が不思議そうに尋ねた。


「まさか穴を掘るき?」


静香先輩の表情が曇る。


「……まさか! そんなわけないだろ」


拓先輩はまたニヤッとする。


「じゃあ何なんです?」


真妃が疑わしげに聞く。


「地下室さ」


熊先輩がはっきりと言った。


「何?」


静香先輩はさらに険しい顔をする。


「地下室を見つけたんだ」


拓先輩が軽くジャンプして地面を思いっきり踏みつけた。


その瞬間ガガッと音がした。


全員が地面を見つめて、後ずさる。


音が止み、沈黙が起こる。


「で、何? 終わり?」


静香先輩は地面を呆然と見つめている。


「よし、熊。見張ってろ! 俺達は中に入る。いいな?」


拓先輩が言うと熊先輩は頷いた。


「入るって?」


私は尋ねる。


「ついてこい! 全員だ」


拓先輩は地面を触る。


「あったぞ」


呟いて拓先輩は地面を引っ張り上げた。


土だと思われた場所は縦横1メートルくらいの扉だった。


「うわぁ!」


心は声を上げる。


全員が開かれた地下室を覗きこむ。


ハシゴのかかった真っ暗な部屋が見える。


「よし、ろうそく」


先輩は火をつけたろうそくを片手にハシゴで下へ降りた。


私たちも後に続き、熊先輩だけが残った。


意外と広いその部屋はまさに秘密基地のようだ。


「おい、静香。どうだ? 俺達こんなすごいもの見つけたんだぜ」


拓先輩は壁にあったボタンを押して電気をつけた。


部屋全体が見えると私、賢、心、真妃は同時に感動の声を上げた。


「大手柄ね! こんなとこ地図になかった」


静香先輩は感心しているというわけでもなく、部屋中を疑わしげに観察していた。


「そうだ、そこが謎なんだ! 俺達が考えるに、ここはスパイの隠れ家なんじゃねぇかってこと」


拓先輩はいきなり真剣な表情へと変わる。


「それは少し違うかも!」


静香先輩はそう言って壁際を歩き始めた。


「とてもしょっちゅう使われてるような雰囲気は感じられないじゃない」


「少しさび臭いにおいがするしね」


心が頷いた。


「それにほこりっぽい」


と賢も付け足す。


「じゃあ、こうしようぜ! ここが俺達の秘密会議室だ」


拓先輩は得意げに言った。


「そうね、そうしましょうか……」


「拓! 足音が近づいてくる。誰か来るぞ」


熊先輩が上から警告してきた。


「大丈夫ですよ、先輩。近づいてますけど、ここへは来ません」


賢がいきなり言った。


「なぜ言い切れるんだ? 賢」


拓先輩は疑わしげに賢を見つめた。


「足音が止まりました。きっと散歩中でしょうね。また引き返すみたいです。だからこっちには来ません」


全員が賢を見つめていた。


「なんで分かるの?」


静香先輩が聞く。


「なんでって、僕は耳がいいからですよ。もちろんこういうのは得意ですから」


賢は自慢げに答えた。


「へぇ〜、1年にしては上出来だぞ!」


拓先輩がにっこり笑った。


「でも、もうそろそろ戻った方がよさそうですよね。トムと匠が私たちを探してるかもしれない」


真妃が言った。


「まさか! あんな奴が僕らを探していると思うかい?」


と賢。


「匠君は少なくとも探してるよ! 僕たちは彼等をおいて来たんだよ。トム君は匠君を気に入っているようだけど……匠君はどうかな? 賢君、匠君は今にも助けが必要じゃないか。二人っきりはきっと嫌なはずだ」


心は賢の肩をポンっと叩く。


「そういえば、先輩。どうしてトムと匠を呼ばなかったんですか?」


ずっと疑問に思っていたことを私は尋ねた。


拓先輩は気まずそうに苦笑いすると、静香先輩に視線を向けた。


「何? あんたの考えでしょ? あたしに言わせるつもり!」


静香先輩は拓先輩を睨む。


「分かったよ、俺が決めたことだ。いいか、みゆ、賢、真妃、心の四人ともだ! くれぐれも今日見た物、話したこと知ったこと全てだ。絶対にあの二人には話しちゃいけない。わかるな?」


拓先輩は私たちの顔を見て真剣に言った。


スッと心の手が挙がる。


「どうした? 心」


「なんでそんな事するの? あの二人だっていい人だよ。少なくとも匠君だけは」


「俺達が思うにトムは疑わしい性格をしてる。裏切られる可能性が高いだろう。確かに匠は信頼できる方だ。でもトムは匠を常に監視してるようだし、匠に何もかもを教えるのは危険すぎる。だから俺達は、2人には黙っておこうと決めたわけだ」


拓先輩は誰の顔も見ようとせず、視線をそらし続けている。


「そりゃ、後輩たちに対しての不平等ってもんだが……この場合仕方ないと思ってほしい」


拓先輩の声がだんだん小さくなった。


「とりあえず、ここで解散しましょうか」


静香先輩に同意し、全員が地上へと戻り、クネクネした道を帰る。


しかし途中で目の前に少年が現れた。


「やあ、全員でお散歩かい? こんな裏道を7人で! やけに暑苦しい集団だな」


意地の悪そうな瞳をぎらつかせ、不気味な笑みを浮かべてトムは言った。


「おう! 後輩トム君!? この辺は道がクネクネしてるぜ。案内してやろうか? この校舎を把握するのには歩く事が一番効率がいいんだ。君もどうだい?」


拓先輩が前に進み出た。


「結構だ。年上だからって調子に乗るなよ! あんたの考えてることぐらい分かってる。つぶしてやるよ、こんな学校」


そう吐き捨て、トムは先輩を睨みつけると、姿を消した。


「あいつ……」


先輩は呟く。


「予告かしら」


静香先輩は拓先輩に囁く。


「警戒はしておこう、ここにいる全員があいつの行動を見張るべきだろな」



更新遅れてすいませんでした;;

今年は作者の都合上更新が難しくなってきています。

忙しい日が続き、更新が遅れる場合が多々あり、読者の方々に大変ご迷惑をかけることになります。

本当に申し訳ございません。

出来るだけ早く更新できるよう、頑張っていきますのでどうかこれからもよろしくお願いします。

よろしければ感想と評価お願いします^^

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